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拝啓 上司A様、お元気ですか。

「お前偉くなったもんだなあ?仕事に詳しいんだなあ?じゃあお前俺の立場になってやってみろよ!」

これは電話口であなたが私を馬頭した言葉です。覚えていますか?私は外回り中、あなたは自分のデスクでした。同僚達は強い口調で電話で馬頭するあなたの周りで、「一体誰と電話しているんだろう・・・」と思っていたらしいです。後から女の、そしてまだ20代半ばの私だったと知って驚愕したと口々に言っていました。あなたがこんなに激おこプンプン丸になったのは、私が恐る恐る発したある「お願い」のせいでしたよね。

「期日を2日間早めろ」というあなたの突然のむちゃぶりに対応し、2日間職場に泊まり込んで作業を終えた私の後輩に対するあなたの態度はひどいものでした。一切労いの言葉をかけませんでしたね。「ご苦労様」「ありがとう」すらなく、それどころか、2日間も期日を早めたのは自分なのに、しかも事前にあなたに確認をお願いしてるのに、完成後にミスを指摘してそれを作成者のせいにして作業やり直しを淡々と要求する。冷酷でした。

あなたは気づいていなかったかもしれませんが、日頃から私の同僚や後輩達があなたにパワハラ・モラハラじみた被害を受けており、私はもう我慢の限界が来ていました。これまでいろんな後輩達が理不尽なことで怒られ、怒鳴られてきたという経緯がありました。ある後輩には、外回り中に電話に出れなかっただけで呼びつけて怒りましたよね。ある後輩には「英検1級持ってるからって調子にのんなよ」とわけのわからないことを言いましたよね。

別件で外回り先からあなたに電話をした際、私は恐る恐る言ってみたんです。

「Aさん、◯◯(私の後輩)達はAさんの指示に対応するために2日間職場に泊まり込んで作業を終えたんです。すごく頑張ってくれたと思うんです。ミスを指摘するのは当然のことかもしれませんが、少しで良いので労いの言葉をかけてあげてもらえませんか。そうすると彼らの心も救われると思うんです」

これであなたはブチ切れましたね。しかし私は怯まずに続けました。

「少しでも『ありがとう』や『お疲れ様』などの労いの言葉を掛け合えば、雰囲気ももっと良くなると思うし、単純に上司に褒められたら嬉しいと思うんです。もっとやる気が出ると思うんです。スタッフ同士で労い合うことってすごく大事なことだと思いませんか」

それで出てきたのが冒頭の言葉でしたね。もうダメだ、こいつは終わってる、と私は思いました。あなたは、「俺は別に誰かに労ってもらうために仕事をしているわけではない」ということでしたね。「人に労ってもらいたいと自分は思っていないから、自分も人を労うことはしない」とはっきり私に強い口調で怒鳴りながら言いましたよね。

この1件があってから、私のあなたに対する気持ちは明確に変わりました。以前から理不尽で誰が見ても変なところが多々ありましたが、もう「あきらめ」の境地に行き着きました。この人はダメだ、終わってる、という境地です。この数年後、私が退職する直前にも、私を個室に呼び出して頭ごなしに怒鳴りましたね。あの時もあなたの不甲斐なさが原因でしたが、なんとかカバーしようと走り回った私がなぜか怒られたのでしたね。

これについてはまたいつか追伸でお話しますね。

どうかお元気で。私はあなたのことをいつまでも忘れません。ずっとずっと心に残っています。

敬具



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