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なぜ自立した人を育てるのか?

私の会社のミッションの1つに「子育てママの自立支援・社会との接点を作る」というものがあります。今までも私のnoteの記事の中ではこのミッションの必要性を書いてきたつもりですが、「自立支援」については、私の会社で働く子育て中のお母さんの中にも必要性を感じていない方がいます。
今回はなぜ自立した人を育てる必要があるのか?について考えてみました。

在宅ワークが当たり前になり、さらなる格差を生む

新型コロナウィルスの影響で、多くの企業で在宅ワークを実施しています。在宅ワークに消極的だった企業さえも導入せざる負えない状況になっています。特にIT企業は今後も継続して在宅ワークを続けていくことになると思います。7割の企業が在宅ワークを実施している、もしくは今後実施する予定と答えたアンケートデータもあります。
弊社は6年ほど前から在宅ワークスタッフを抱え、2年前には全社的に在宅ワークを導入しました。在宅ワークが当たり前になっていくことは弊社にとっても営業活動がしやすい社会環境になっていくため、それは追い風になります。一方で、在宅ワークを導入する企業が増えることで、今後更に格差社会へと進めていくのではないかと危惧しています。

より"結果"だけが評価される

在宅ワークを導入する不安の1つとして、従業員がサボるのではないか?ということがあります。
働いている姿が見えなくなるため、そういう不安を持つのも当たり前ですし、在宅ワークで働く人は、そういう不安を持たれないように意識する必要があります。
具体的には、よりこまめにコミュニケーションを取る必要があります。
細かく仕事の進捗報告をして、今後の見通しを伝えることが求められます。

働いている姿が見えなくなることで、「アイツ頑張っているな」的な雰囲気は感じ取りにくくなり、結果がより浮き彫りになります
今まではもしかしたら、結果が仮に出なかったとしても、頑張っている姿を見せていれば、今回は仕方がないと思われたかもしれないですが、在宅ワークでは「アイツもしかしたら手を抜いているのでは?」という不審に繋がりかねません
今までは遅くまで残業している姿を見せることで評価する上司もいたかもしれませんが、今後は、人件費の割に結果を出していないダメな人に思われるだけかもしれません。より結果をシビアに数値で見られることをなります。

先行き不透明な社会だからこそ、より自立することが求められる

VUCA(ブーカ)という言葉をご存知でしょうか?
Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の頭文字をつなぎ合わせた造語で、今の不安定で先行きが不透明な社会を表すのにも用いられています

そんな社会の中で自立した人を育ていることはとても重要だと考えています。
といいますか、自立した人しか生きていけない時代がもうそこまで来ていると私は思います。
私が考える自立した人とは、物事を自分自身が主体的に動かす人であり、自分の頭で0→1を考えられる人を指します。
誰かがプロジェクトや話を進めることを待っている。前例がなければどうしていいかわからない人ではありません。

先行き不透明な時代だからこそ、様々なケースを過去のケースと同一視せず、ゼロベースで考え、その都度新しい解を出し、行動する能力が必要です。

格差が広がっていく社会

今は大企業でも黒字リストラが増えています。良い業績を出している一方で、不要な従業員をリストラしています。
今後AIが普及し、仕事を奪われる人が増えると言われる一方、仕事はAIにさせることで人は仕事をしなくても良くなるとか、最低限のお金が働かなくても支払われるベーシックインカムが導入されるなどの楽観的な話もありますが、私は今後は更に格差が広がると見ています。

AIを活用して業績を増やす企業は、益々雇用を減らし、一部の優秀な人だけに高額な給与を支払い、会社を回していくことでしょう。

また、新型コロナウィルスがもたらす景気への影響を心配しています。過去のリーマンショックや震災後の景気悪化では多くの人が切られました。今の社会では、会社に所属していれば安心というわけではありません。

従業員を飼いならしてはいけない

私の会社では業務委託で一緒にお仕事をしている人はとても自立したマインドを持っています。私はそういう方が増えることは良いことだと思います。
業務委託でお仕事している方はいわゆるフリーランスの方です。
私の会社以外の仕事も当然しておりますので、こちらの都合で必ずしも動いてもらえないこともあり、やりにくさを感じることもあります。
ただし、お互い対等に仕事をしています。仕事を依頼する側も仕事を受ける側も対等です。とても健全な関係だと思います。

株式会社タニタでおこなっている社員のフリーランス化は、無責任だという意見もありますが、私はとても素晴らしい取り組みだと思いました。
フリーランスになることは目的ではなく、あくまでも社員により自立してもらうための方法の1つだと思います。

「一生この会社にいれば安泰、安心してずっとこの会社にいてください」が、言える時代はそれでも良かったかもしれません。そう言っていられないほど、何が起こるかわからないこの時代では、自立した人を育てることが企業責任だと考えます。

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