※ネタバレ注意 劇場版『ウェンディーズ』 前売り券を買うと特典でフレーバーポテトが付いてくる
「表へ出ろ」
その一言から、赤毛のおさげの少女と赤いアフロの道化師“D”との戦いの火蓋が切られた。決着をつけるときが来たのだ。
戦いながら二人とも笑っていた。それは相手を見下した優越の笑顔か。あらゆる感情を上書きした仮面か。
死力を尽くしてここまで来た少女が、膝をつく。
「もらったぁー!」
Dがとどめを刺そうとする。
「こっちよ!」
どうしてかDの後ろから少女の声が聞こえた。
Dの前に立つ少女も力強くつぶやく。
「私は…一人じゃない!」
「2人いるだと!?」
少女の姿が、Dの前と後ろに2つあった。うろたえるD。
「ワイルド☆ロック!」
少女の声がこだまする。
渾身の体当たりに挟まれ“具材”と化すD。
瞬間的に分身を具現化し操る、少女の一回限りの奥義が炸裂した。
「ウェンディー…、これで終わりだと思うなよ…」
捨てぜりふを残し、その場に倒れるD。少女は、その額にナイフで「S」の文字を刻み込んだ。
「ウェンディーじゃないわ…。“ウェンディーズ”よ!」
ウェンディーには双子の姉がいた。M帝国との戦争で姉を失ってから、彼女は「ウェンディーズ」を名乗り、復讐のために生きてきた。ウェンディーズのパテは怒りの炎で焼かれている。
「やったわ…、お姉ちゃん!」
高い空を見上げ、少女は勝利の味(博多明太子味)を噛み締めていた。
一方、M帝国の地下では赤髪のアフロが笑っていた。一人ではなく、無数のアフロ達だ。
「奴はDの中でも最弱…」
ウェンディーが一人でないように、Dも一体ではなかったのだ。
……という、最近多い映画っぽいCMはどうでしょうか?
ワイルド☆ロックを食べながら、そんなことを考えていた。
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