まさに最強で無敵のチーム #YOASOBI電光石火ツアー 埼玉DAY1レポ

忙しい人のための電光石火な概要

「楽しくブチ上がるライブ」を、徹底的にストレートに骨身に叩き込むようなステージでした。
生で浴びて踊って叫ぶことで、初めて「この曲ってここも美味しいんだ!」と気づく、そんな瞬間が詰まっていました。
楽曲とパフォーマンスの両面で、幅も深みも成熟してきたYOASOBIのステージ、これからも楽しみです。

以下、本編。

はじめに~YOASOBIとのこれまで~

YOASOBIに拾っていただいた推し語りオタクのいち亀です、ごきげんよう。

配信ライブをあらゆる角度から楽しませてもらった、激動の季節から2年。

それ以降は一般オタクに戻り、初現地ライブの武道館にも参戦したり、

日本が誇るクリエイターたちとの豪華な共演に湧きまくっていました。




そして今回、YOASOBI初となる全国ツアー。比較的アクセスの良い埼玉公演のチケットがご用意されまして、なんとか豪雨も収まり、無事に参戦してきました。

https://twitter.com/ichikamefina/status/1664441446089510912

……今となっては「無事に」ですが、前日まではかなり危ぶんでいました。
ライブ運営に携わった皆さん、そして交通やインフラ等の維持に携わった皆さん、お疲れ様でした! 

それではこれより、ライブ本編について語って参ります。
ネタバレ全開ですのでご了承ください。



なお今回は会場内撮影可でしたが「あんまりステージが近くない」「撮るの上手くない」「肉眼で見逃したくない」などの理由で、自分ではほとんど撮っていません。
気になる方はかかりつけのSNSをご覧ください、ファン撮影のも公式発のも沢山ありますよ!


M-1 怪物

まず登場の仕方から度肝を抜かれましたね、はっきりとは見えていないんですが……メンバーを乗せたステージが上からグーーーンと来てたような……?

アグレッシブなインストに続いて『怪物』の歌い出しが耳に飛び込んできた瞬間、
「あっ今日は攻めまくる日だな??」
という予感で脳内は埋め尽くされました。そして合ってた。

だって初手が『怪物』ですよ?
以前の……2021年頃までのYOASOBIにとっては、ライブの後半に最大級の爆発を起こすための、切り札のような楽曲でした。
それを最初に持ってくるの、ホットスタートとしても効果が抜群ですし、加えて「だってまだ強い曲は沢山ありますし?」という貫禄も感じるわけです。

目にも耳にも腹にもガンガンと響いてくる熱と圧に、僕は既に最高潮でした。
そして2番のコール、リリース時に「ライブでやったら楽しいんだろうな~」と思っていたパートがやっと叶ったのも嬉しかったです。


M-2 夜に駆ける

『夜に駆ける』!? こんな序盤で!?

……という意外性もありつつ。
『怪物』に続き、YOASOBIの必殺曲をちゃんと更新しようという意気への納得も強かったです。『夜に駆ける』は看板ではあるけれど、いつまでも頼り切りにはしない、みたいな。

とはいえ、やっぱり看板であり鬼強チューンなんですよ。
ドデカい会場と増した自由、他の観客の熱も加わって、この曲の「踊れる」成分を濃密に激アツに味わっていました。


M-3 三原色

やっぱり生で聴く『三原色』は格別!!!
そもそも原作小説が「久しぶりに会えた喜び」にスポットを当てていますし、曲も高揚感と多幸感に満ちています。曲のタイトル通り、ビビッドカラーな背景の演出も楽しいです。
そ・し・て、なんといっても!! 中盤やアウトロの「ウォッオー!」が気持ち良すぎた!!


Ayaseさんのロックスターっぷりが全開だったMCを挟んで『はじめての』ゾーンへ。


M-4 セブンティーン

めっっちゃ好きなんですよこの曲。絶大な期待を抱いて現地入りし、見事に期待以上でした。

アクロバティックに激走するA-Bメロと、ポップに突き抜けるサビ、それらを彩る怒濤のサウンド……バッキバキに濃縮されたYOASOBIイズム、最高でした。

そしてBメロだったかな、ザクロさんがお立ち台に上ってホイッスルを吹きながら踊る……みたいなシーンがありまして。1.9万人の観客を踊らせるダンサー、否、もはやオタクを統率せんとする女王様の風格でした。

ここに限らずザクロ・ダンスは満載! そしてお隣のひかるさんとのじゃれ合いも超キュートでした。このコンビが隣り合っているフォーメーション、とても良い。


M-5 ミスター

この曲も待望のシンガロング。ゴージャスなシティポップ、大きな会場によく似合います。背景には青をベースに機械の回路のようなアニメーションが映されており、原作小説で描かれたアンドロイドの想いが甦っては涙腺を緩めていきます。
そしてikuraさん渾身の「♪ミスター!」で決壊。

M-6 海のまにまに

原作・楽曲・MV、ことごとく好みに直撃しているコチラ。

ただただ、幸せな空間でしたね……
僕は「爆アゲ→チル→爆アゲ」のサンドイッチみたいなセトリが大好物なので、そのチル担当としてドンピシャでした。ikurapのフロウ、とても心地が良いものです。

M-7 好きだ

イントロに合わせ、ikuraさんは観客に問いかけます。
「今、恋してる人~??」
(好きな人がいる人、とかだったかも。曖昧です)

いち亀は考えました。職場での恋愛は諸々がリスキーすぎるし、趣味で知り合う人とは場所が合わず、よって結婚相談所に通いはじめた最近のことを。
綺麗な建前に打算を忍ばせつつも良縁を見出さんとするお見合いデートのサイクル、それは恋と呼ぶにはあまりにもドライ。
しかし僕は、いや僕たちは、いま、YOASOBIという存在に、紛れもなく、恋を、
(ここまで約0.3秒)

「は~~~いッッッ!!!」(人生最大級のクソデカ挙手)

終演後に他のオタクと話していたときも「特にそういう人はいないけど叫んで挙手した」と聞きましたが、まあ、良いんですよそういうスタンスで。
ラブソングに必要なのはときめくハートであって、実在性なんて微々たる問題なのです。

……みたいな話がどうでもよくなるくらい、可愛いの溢れるステージでした!!


M-8 アンコール

サイドにはモノクロのステージ映像、落ち着いた照明。
そしてAyaseさんのゼスチャーに、会場中のファンがスマホをかざして応えました。


『アンコール』で描かれた情景。崩壊した世界の静寂が際立たせる、たった二人でのセッションの煌めき。
暗闇の中で輝く小さな光たちは、原作の構図ともマッチするようにも感じられて、胸が熱くなっておりました。ファンと一緒にライブを作っている、その象徴のようなシーンでもあります。

M-9 もしも命が描けたら

『アンコール』に続き、音楽や表現に懸ける魂を描く選曲であり、それが伝わるパフォーマンスでした。
この曲で浮かぶ景色といえば月夜、実際に青光りする月のような背景も美しかったのですが。それ以上に、赤が強調されたステージだったな~という印象が強く残っています。

そんなに赤っぽい要素あったかな~とMVを見返してみたら、ありました赤要素、めっちゃあった。

この曲での赤、血であり心臓であり……つまりは命の象徴なのでしょう。AyaseさんのMCで「俺らが命削ってやってるライブ」という言葉がありましたが、まさにそんな覚悟と矜持を刻むようなステージでした。


M-10 たぶん

♪僕の大好きな曲終わりフィンガースナップ
♪配信でも観た曲終わりフィンガースナップ
♪ikuraさんが丁寧に振ってくれたのに
♪半拍遅れたオタク

♪どーいつだ? ぼーくだ!

そんなリズム感のないオタクも、この曲のアンニュイなグルーヴは大好きです。


M-11 大正浪漫


こちらも「あっこんなに踊れるんだ!!」と新たな気づきを得られた曲です。光と映像の演出も相まって、まさに別の時空へと連れて行かれるような心地でした。

MVを初めて観たときの鮮烈な感動、その追体験でもありました。一曲で何度でも美味しいYOASOBIイズム。


M-12 もう少しだけ

ikuraさんの「Hava a nice day♪」に「してまーーーす!!」と返事しかけるイントロでした、そうだけどそうじゃない……

さておき。優しさや思いやりの連鎖・循環を描いたこの曲を聴きながら。僕は改めて「無事に聴けて良かったな~……」という感慨に浸っていました。

この瞬間の演奏を成立させるための、数多の人の努力に思いを馳せ、感謝すると共に。
自分も某業界のスタッフの端くれとして、あるいは街を歩きインターネットを徘徊する一個人として、丁寧に生きていたいなあ……と思ったりもしたのです。mustというよりwant寄りでそう思わせてくれる、という意味でも好きな曲です。

M-13 ラブレター

武道館ではアンコール、というよりテーマソング的な位置づけ(byひよりさん)だったこの曲。やはりライブでは一段と特別に響きます、コーラス部分を一緒に歌うともっともっと幸せな聴き心地……!

ステージ端のスクリーンに客席が映されていたこともあり、ライブという場ならではの温もりに胸がいっぱいになる時間でした。なかでもラスサビ直前、姉妹らしき小さな女の子ペアにグッとズームした瞬間……はつねさんオマージュであり思い出ブースターであり、とにかく尊さが尊かったです……

今回、小学生以下くらいのお子さんも結構見かけたんですよね。それだけYOASOBIが慕われているのも嬉しいですし、YOASOBIからも取り組みで応えていたのが頼もしいです。

そうそう、大人のあなたにもオススメですライブ用耳栓。数年前にfhána界隈で話題になってから、僕も状況によっては使っています。やはり安心して楽しめるのが一番ですし、楽器の音がクリアになるのもメリット。

……というYouTuber案件しぐさを挟みつつ、いよいよライブ(レポ)もクライマックスです。


M-14 群青

やっぱり『群青』なんすよ~~『群青』なんすよYOASOBIは~~!!!
『群青』に人生を変えられたオタクが、ついに!!!知らずッ知らずッ隠してたァッ!!!ほんとの声をね!!!響かせることが出来たんですよライブで!!!!!!

……ごほん、失礼。
とはいえ実際、こんな熱量でコーラスを叫びまくっていました。

今回の会場であるさいたまスーパーアリーナでは、2014年にテイラー・スウィフトの来日公演が行われています。そのライブにikura少女も訪れており、憧れの歌姫を前に「自分も歌手になりたい」と決意を新たにした……と、MCで触れられていました。
その夢が叶った舞台から放たれる『群青』のエネルギーたるや……受け取った1.9万人それぞれの「好きなこと」を高らかに祝福するような時間でした。その熱を受けて、僕も久しぶりにライブレポを書いています。

そして映像演出でも大好きなシーンが。
中盤の「♪何枚でも、ほら何枚でも~」パートでのスクリーン、キャンバスに青色を塗り重ねているようなアニメが流れていまして……思い入れだらけの歌詞にバッチリとシンクロした絵に、声にならない叫びを上げる僕でした。


M-15 祝福

「よっしゃ来た!!! やっと聴けるぜ2022年最強アニソンを!!!」

「うわあああ水星の魔女本編がエグいこのタイミングでうわああああエアリアルの(ネタバレのため自主規制)なこのタイミングでうわあああスレミオうわあああああ」

が合わさった、異様な精神状態になっていた記憶があります。

『祝福』は楽曲としての強さが凄まじく、アニメOPでの映像との相性も素晴らしく、さらにアニメ本編が進行するほど歌詞の印象が変わってくるという魔性の一曲でして。
頭を抱えながら跳び、戦慄しながら熱狂し、歌いながら悲鳴を上げる、自分の情緒が毎秒大喧嘩な3分あまりでした。

……いやでも、ほんと、楽しかったです。サビではマジで飛んでいる気分でした。こんな風に情緒をグチャグチャにされるのがオタクの醍醐味ですからね。ありがとうYOASOBI、ありがとう水星の魔女……(なお公演翌日の第20話では呆然としていた模様

そうして超強火供給で燃え尽きてしまった心身の限界に達しつつあったオタクですが、光属性10000%のラストチューンで甦ります。

M-16 アドベンチャー

「待ちに待った特別な日」

……これですよ。
今のYOASOBIが届けたかった感情、見せたかった景色。
本来はUSJでの一日を歌った曲ですが、ライブで披露されるとまさに「テーマパークYOASOBIへようこそ!」な曲にも聞えるのです。そして、逆境に立ち向かってきたエンタメ業界とファンを讃えるようにも聞こえる。

ブレイク中にコロナ禍に突入してしまった、初ライブが配信だった……というアーティスト側の事情だけでなく。
YOASOBIの楽曲や原作にも、幾度となくコロナは影を見せています。『めぐる。』/『もう少しだけ』や『レンズ越しの煌めきを』/『アドベンチャー』では直接に扱っていますね。

勿論、YOASOBIファンは赤ちゃんからお年寄りまで居るでしょう。
勿論、コロナと戦ってきたのはどの年代でも同じでしょう。

それでも。青春真っ盛りだったはずの季節に、色んな楽しみやチャンスを潰されてきた世代へ。なんとか元気づけよう、なんとかチャンスを繋ごうと、YOASOBIはずっと奮闘してきた……と、僕には思えるのです。

だからこそ、その当事者でもあった菜葵さんから生まれた『アドベンチャー』が響き渡る景色には、YOASOBI流のエールが煌めいていました。

ちなみに。菜葵さんが所属しているのは、こちらも若者をあの手この手で応援している知識集団QuizKnockです。宇宙で一番面白い動画チャンネルだと思っているので、ついでに観ていってくださいな。




……うん、やっぱり、この曲で晴れやかに締まるのが似合う、春らしいライブでしたね。
挨拶をするメンバーたちに拍手と歓声で応え、恒例となったエンドロールを手拍子で見送り、お開きの空気も漂いかけます、


が。

きっと観客の大半が、あの曲を聴いていないことを思い出しています。

まだ客電は落ちたまま、そこにチャンスを見出して、

1.9万人がアンコールを呼ぶこと、数分。


再び暴れ出す照明、鳴り響くビート、ステージに躍り出る影、そして。


EN アイドル

来ましたよ、今のYOASOBIのエース……否、

もはや日本代表として世界を席巻しつつある、まさに完璧で究極で最強で無敵なアニメソング。

もうとにかく叫んだ、RABの兄貴たちに負けじと全身全霊のコールを捧げました。
そしてサビの「アイ! ドル!」では渾身のオタクジャンプ、はあああ音に合わせて飛ぶってこんなに気持ちいいんだ……高まるときだ叫ぶぜアイドル、オタクの熱が荒れるぜアイドル!

「ここどう歌っているんだ」「あそこどうライブで再現してるんだ」などと気になるポイントも多々あったのですが、ゆっくり確かめる間もなく狂い散らかして終わりました。
ただ、曲中でブルーとオレンジの照明が射して「星野ツインズ……!!」と涙したのは覚えています。いやほら、ちょうど原作も凄いことになってますし……(映画制作が動き出したあたり)

そして放心しているうちにメンバーは撤収、今度こそお開きです……最後の怒濤っぷりが本当に凄まじかった……
ファンの期待を焦らしに焦らしたところで舞い戻り、多くは語らず圧倒的なパフォーマンスで期待に応えてから、夢を覚ますかのように素早く退場。この緩急のつけ方、瞬間に凝縮された熱と愛、たまらなく『推しの子』的というか、星野アイ的でした。


まとめ・チームYOASOBIのバンド力の高さ


さてさて。
今回の感想は「やっぱりYOASOBIのライブってめっちゃ楽しいな!」に尽きるのですが。その「楽しさ」「凄さ」の内訳は、これまでの配信ライブや武道館ライブからは確実に変わってきたな……という印象も強いです。

というのも。『KEEP OUT THEATRE』『SING YOUR WORLD』『NICE TO MEET YOU』あたりは、どうしても「斬新な映像演出」「観たことないロケーション、ステージ構成」に対する驚きが先行しがちでした。勿論パフォーマンスや曲のアレンジも魅力だったとはいえ、一番の目玉は演出でありステージだったように感じます。

しかし、フェス出演やツアーを経ての、今回のたまアリ公演。
背後にも上方にも巨大なスクリーンが威容を誇る、ド派手なステージではありましたが、過去のライブと比較したときに「めっちゃ斬新!」と唸るようなステージではないんですよね。言っちゃなんですけど、今までよりは普通っぽい。
その分、「大きな会場で爆音で味わう」「思いっきり叫んで踊る」という、バンドライブらしいフィジカルな楽しさが際立っていたと思うのです。それだけ楽しかったのは、これまでに創ってきた曲と研鑽してきたパフォーマンスの強さゆえ、なんですよ。
勿論、ライブでの声出しが可能になったという環境の変化も大きい。

これだけバンドとしての強さが磨かれてきたのであれば、仮にとてもシンプルなステージであっても、YOASOBIは十二分に観客を熱狂させられるのです。
そして、豪華絢爛で最新技術の犇めく会場では、さらにレベルの高い楽曲×演出のフュージョンを実現できる。

……つまりチームYOASOBI、もう何やっても強いゾーンに入っちゃってるんですよね。
何かにつけ僕は「これからのYOASOBIも楽しみ」と書いていますし、いつも心からそう思っているのですが、今回も無事に盛大に「楽しみだな~!!」が更新されました。毎回ハードルを上げまくっているのに毎回越えられている、なんと幸せなことでしょう。

……なんて浸っているのはまだ早い、アーカイブ配信は明日からです!
参戦した方も留守番だった方もお見逃しなく、ところでなんで僕は明日から出張なんですかね弊社!?!?

そして追加公演@ぴあアリーナMM、どうか無事に成功しますように!
関係各位、健康と健康をお祈りしています。

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