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【恐怖!?】やたら褒めてくる人の心理7選【臨床心理士が解説】

<はじめに>褒める人は信用できない?

あなたの周りには、やたらと褒めてくる人はいませんか?
そして、そういう人たちに違和感を持つ一方で、どう対処したらいいか悩んでいませんか?
 
実はやたら褒めてくる人の心理にはいくつかのタイプがあり、そのタイプやあなたのキャラクターに応じた適切な対処法があります。
 
この記事を読めば、やたら褒めてくる人の実態がわかってスッキリし、上手に付き合うことができ、あなたの心理的安全を確保することができます。
 
今回は臨床心理士がやたら褒めてくる人の心理とその適切な対処法についてご紹介いたします。

1、やたら褒めてくる人のタイプ7選と隠された心理とは

まずは、あなたが「やたら褒めてくる人」だと感じるような人の特徴を紹介します。
典型的には7つのタイプの人がいます。
 
・具体性に欠けた褒め言葉を安易に言いまくる
・褒め方がオーバー&ハイテンション
・褒め言葉の合間に別の人やものへの批判が見え隠れ
・上から目線な態度が目立つ
・褒めるべきでは無い事柄でも褒める
・似たような属性・立場なのに極端に持ち上げてくる
・本来、攻撃的な性格なのに、無理をして褒めてくる
それぞれについて、ここから詳しく解説していきます。

具体性に欠けた褒め言葉を安易に言いまくる

「カワイイ」「いいね」など、具体性にかけた褒め言葉ばかり言ってくるタイプの人は、褒めている相手のことをよく見て言っているようには見えず、不信感を持ちます。
なぜなら、このような人たちの心理的な背景に複雑なものがあるわけではありませんが、人のいいところを見る観察力やそれを適切な言葉で伝えるコミュニケーションスキルが不足しているからです。
例えば、ヘアースタイルを変えてきた日にもかかわらず、前から持っていた有名ブランドのバックを見て「カワイイ!」「これいいね!」と連発で褒められると(この人やたら褒めてくるな)と感じますよね。
このように、具体性にかけた褒め言葉ばかり行ってくるタイプの人には不信感を持ち、信用できないと感じます。

褒め方がオーバー&ハイテンション


何をしても「あなたは最高に素敵だね」「こんなに優しい人みたことない」とベタ褒め、大絶賛し、褒め方が大げさでハイテンションに褒めてくるタイプの人がいます。まるであなたに対して「ここまで褒めてくれたんだから、何かお返しをしてくれるよね」と精神的な圧を与えたり、追い詰めてくるように感じて窮屈になりますね。
なぜなら、このような人たちの心理的な背景に承認欲求の強さ、または他人を依存させ、操作しようとする欲求があるからです。
実際、有名な心理学者アドラーも褒める行為は人を依存させるという点から、褒めるのはよくないと指摘しています。
このように褒め方が大げさでハイテンションに接してくるタイプに人には窮屈さを覚え、信用できないと感じます。

褒め言葉の合間に別の人やものへの批判が見え隠れ

褒め言葉の合間にちらほら別の人やものへの批判を挟んでくるタイプの人には、自分を褒めること以外に何か良からぬ目的があるような不気味さを感じますよね。
なぜなら、このような人たちの心理的な背景には、あなたを褒めることで間接的に誰かを批判したり、私たち(内)とそれ以外の人たち(外)を分けようとする欲求があるからです。
例えば「〇〇さんみたいないい人がこの会社に来てくれて本当に良かった!前にいた人は本当に仕事のできないひどい人で辛かったんです。」なんていう言葉を1度は聞いたことがありますよね。
このように褒め言葉の合間に別の人やものへの批判を挟んでくるタイプの人には不気味さがあり、信用できないと感じます。

褒めているのに上から目線な態度が目立つ

褒めてくれるのはいいですが、「褒めてやっているんだ」とでもいたげな上から目線な態度が見える人に対しては、優越感に浸られているような苛立ちを感じますよね。
なぜなら、このような人たちの心理的な背景には、劣等感があり、上から褒めることで優位に立とうとする思惑があるからです。現代の日本ではあまり浮き彫りになりませんが、本来、褒め言葉は目上の人が目下の人言うという暗黙の特性があります。そのため、自分だったら目上の人に言わないような褒め方をするかどうかでこの特性を判断できます。
例えば、褒め言葉の中に「ご苦労様」「賢いね」「成長したね」などのワードが入っている場合、一見受け入れてもよさそうです。しかし、確実に社員は社長にこのようなセリフは言わないと気付くと、それらの単語に上から目線を明確に感じ取ることができます。
このように上から目線で褒めてくるタイプの人には、イラっとし、信用できないと感じます。

褒めるべきでは無い事柄でも褒める

褒めるべきでは無い事柄でも褒める人に対しては、言葉次第では嫌味や皮肉にも聞こえてしまい嫌な感じがしますよね。
なぜなら、このような人たちの心理的背景には、人間関係に自信がなく、過去の人間関係の失敗から不安が大きくなり褒めることで取り戻そうとする傾向があるからです。
例えば、ありきたりなファストファッションのワンピースを着ているだけなのに「とても似合うね。」と言われては嫌味や皮肉にも聞こえても無理はありませんね。
このように褒めるべきでは無い事柄でも褒める人に対しては、自分の不安を解消しようとするような違和感を覚え、信用できないと感じます。

似たような属性・立場なのに極端に持ち上げてくる

同僚や同年代の人がやたらと褒めてきて、極端に持ち上げてくると警戒してしまいますよね。
なぜなら、このような人たちの心理的背景には、あなたに対する嫉妬や羨望があるからです。
例えば、同僚の中であなた一人が昇進したら、少なからず嫉妬や羨望の気持ちを持つことは当然です。それなのに「同期の中で君だけ昇進なんてすごいな。お前はこの会社の時期社長だな。」とわざわざあなたに近づいて言う人はそのようなタイプなのかもしれません。
このように似たような属性・立場なのに極端に持ち上げてくる人に対しては警戒心が芽生え、信用できないと感じます。

本来、攻撃的な性格なのに、無理をして褒めてくる

本当は攻撃的な性格なのに、無理をしてやたら褒めてくるような人に対しては、何か裏がありそうで怖いなと感じてしまいますよね。
なぜなら、このような人たちの背景には、攻撃性を押し殺して真逆の行動をしている心理メカニズムが働いているのかもしれません。
例えば、もともとは意地悪な性格だが社会では意地悪なことをしてはいけないと自覚しているものの、受け入れがたい感情や欲求から真逆の態度をとってしまう心理が隠れていることがあります。このような言動は理解しがたい人もいるでしょうが、心理学ではこれを反動形成と呼んでいます。
このように本当は攻撃的なのに、無理をしてやたら褒めてくるような人に対しては恐怖の感情が生まれ、信用できないと感じるのでしょう。

2、やたら褒めてくれる人への適切な対処法とは?

ではこのようにやたら褒めてくる人たちに対して実際にどのように対処するのが良いのでしょう。大野(2005)の研究によると3つあると言われています。
・受け入れ
・否定
・回避
それぞれについて、ここから詳しく解説していきます。

褒め言葉を「受け入れる」

やたら褒めてきた人の言葉を文字通り受け入れて認めることです。受け入れ型としては以下の4つがあります。
【賛同の発言・態度】「そうなんですよ!頑張った甲斐がありました。」
【感謝・喜び】「ありがとうございます。嬉しいです。」
【控えめな同意】「そのような過分なお言葉をいただけるなんて恐れ多いです。」
【ほめ返し】「どうも。〇〇さんはもう3回も受賞されてるんですよね?尊敬します!」

褒め言葉を「否定する」

やたら褒めてきた人の言葉を受け入れず断る応答をすることです。否定の型としては以下の2つがあります。
【不賛成の発言】「そんなことはありませんよ。」
【意図への疑い】「そんなに褒めちゃってー。何かご馳走しろってことですか?」

褒め言葉を「回避する」

やたらと褒めてきた人の言葉を受け入れも否定もせず、かわしていく行為です。回避の型としては、以下の7種類があります。
 
【冗談・おどけ・照れ】「えーそんなこと面と向かって言われると照れますよ」
【情報的コメント1】(「ほめ」内容を単に説明する場合)
「そうですね。前回の〇〇市のピアノ演奏会で金賞を受賞しました。」
【情報的コメント2】(「ほめ」内容を下方修正する場合)
「いえいえ、単なる小さい町の大会で金賞をとっただけですよ」)
【シフト】(「〜のおかげ」など「褒め」内容が努力や能力によるものではないとする)
「運のおかげですよ」
【褒めことばの内容の確認・的確さへの疑問・とまどい】
「えーどうしてそんなことを知ってるんですか?誰がしゃべったんだだろう?」、
【談話の流れに沿って話が逸れる】
(12時のチャイムが鳴る)「あ、昼休みになったので昼食の準備の時間ですね」
【無言・意図的に話を逸らす】
「そういえばあの日と同じ時間にワールドカップやってたんですよね?」
【恩恵を与える】「たくさん褒めてくれたので仕事手伝いますね!」

やたら褒めてくる人のタイプに合わせて対応を使い分けよう

以上、やたら褒めてくる人への対応として3つを紹介しました。どれが万能というわけではありませんが、それぞれのタイプとあなたのキャラクターに合わせた応答を選んでいただければと思います。
 
例えば、褒め方がオーバー&ハイテンションタイプでこちらを操作しようとするのを感じた場合、否定の型【不賛成の発言】を使い「そんなことありませんよ。」と冷静に応答し、相手の意図をブロックしても良いでしょう。また、褒めるべきでは無い事柄でも褒めるタイプで不安が強そうな人だったら、あえて受け入れの型【感謝・喜び】「ありがとうございます。嬉しいです。」と返すと相手が満足するでしょう。
ただし、先述した通り、あなたが(やたらと褒めてくるなあ)と違和感を覚えるほどの人であれば、複雑な心理的背景が絡み合っている場合があります。そのため、どの対応にするか迷った場合は「回避型」の対応が無難です。
 
なぜなら、受け入れ型は、人はなるべく謙遜すべきだとする社会通念に背かなくてはならない側面がありますし、否定型はなるべく相手の意見に同意すべきだとする社会通念に背いてしまう心理的負荷がかかるからです。一方で、回避型は受け入れも否定もせずにすむので心理的負荷がかかりません。受け入れ型や否定型で応答するときは、あなたがこのような心理的な負荷を背負ってまで喜ばせるべき相手なのか考えてから選択するようにしましょう。
 

3、結論 まとめ

今回は臨床心理士がやたら褒めてくる人の心理とその適切な対処法についてご紹介いたしました。
まとめると次の通りです。
〇「やたら褒めてくる人」の特徴には7つのタイプの人がある。
・具体性に欠けた褒め言葉を安易に言いまくる
・褒め方がオーバー&ハイテンション
・褒め言葉の合間に別の人やものへの批判が見え隠れ
・上から目線な態度が目立つ
・褒めるべきでは無い事柄でも褒める
・似たような属性・立場なのに極端に持ち上げてくる
・本来、攻撃的な性格なのに、無理をして褒めてくる
 
〇やたら褒めてくる人に対しての対処法は以下の3つがある。
・受け入れ
・否定
・回避
それぞれのタイプと応答する側のキャラクターに合わせた応答を選ぶのが良いが、迷ったら回避型で応答するのがおススメ。
 
この記事を読んで実践すれば、やたら褒めてくる人の実態がわかってスッキリし、上手に付き合うことができ、あなたの心理的安全を確保することができます。
 
今回も長い文章になりましたが、読んでいただきありがとうございました!

<参考文献>


大 野 敬代(2005) 「ほめ」の意図と目上への応答について The Japanese Journal of Language in Society,Vo1 .7No .2March 2005,pp .88.96



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