ロシアの核と内戦とその未来【記事要約 #1】
今回の投稿は、インタビュー記事のほぼ全訳です。
・インタビューに答えているのは#1で衝撃的なロシアの実態を語ってくれたカミルさん。 (Kamil Galeev @kamilkazani ) オープンソース・リサーチャー。ツイッターのフォロワーは36万人。
・インタビューを行ったのはカミルさんの北京大学院での同窓である、中国情勢の専門家ジョーダンさん。(Jordan Schneider @jordanschnyc ) シンクタンクRhodium Groupの一員であり、中国関連情報メディアも運営。
ジョーダンさんのポッドキャスト:
ジョーダンさんのブログ:
翻訳した記事の内容はウクライナ戦争と下記の関連です。
・核戦争の見込みは?
・ロシアエリートの政治とプーチンの行く末
・ロシア国家の安定性
・モスクワの地方への支配
元の記事はこちら。
こちらが瀬道が翻訳、投稿したスレッド。
本インタビューは長いので、概要バージョンも別途投稿しました。
こちら↓
【翻訳内表記】
・J:ジェームスさん(質問者)
・k:カミルさん
・宇国:ウクライナ
・露国:ロシア
【以下記事翻訳↓】(見出しは読みやすいよう瀬道が追記しました。)
ロシアと核兵器
J:核エスカレーションについて。ロシアの選択肢として『宇国への敗北VS米国への敗北』という見方があるが、これは当てはまると思うか。
K:プーチンからすれば論理的な考え方かもしれない。だからと言って彼が核を使うとは限らないが、使えば間違いなく米国が行動を起こす。
内政対策として見れば、核の使用は宇国への敗北という『(国内の世論対策としては)管理しきれないリスク』を、米国への敗北という『管理しきれるリスク』に変えることになる。
人々が露国を『軍事大国』として見るのは核を持っているからだ。特に開戦後は軍のお粗末さが露呈したので、核の保有だけが露国を『大国』たらしめている傾向がある。
だが世界の分析者や政治家は、露国の軍の頼りなさをあまり重要視していないようだ。核を持っている限りは露国は強力だと信じている。
しかし実態はこうだ。
1990年代に、ソビエト時代の機械工業は滅びている。生産だけでなく、数値管理や鉄鋼切削、ベアリング製造……全ての関連技術もだ。生き残ったものも2000年代に消えた。
なぜか?
90年代の終わりまでに、新しい設備を買える機械生産者は部品の生産を輸入に切り替えてしまったのだ。プーチンが大統領になる前に既に、工場は生産をアウトソースし始めていた。
プーチンにはこれを変えるチャンスがあったはずだが、石油の利益は軍備に回されただけ。機械関連部品の生産を再開する直接の対策はなされなかった。
結果、軍事工場はその金を『先進国』から部品を買うことに利用した。中国ではなく、である。
2010年代、ロシアはジョージアで戦争を起こした際にその状況の危うさに気づきはしたが、生産チェーン全体を作り直すことは出来なかった。今露国内にある生産工場はすべて組み立てているだけ。部品は100%海外に頼っている。
つまり、露国の核武装状態は欧米の親切心に支えられているのだ。
核も、核輸送システムも、陸上兵器も、先進国からのハード&ソフトウェアの輸入無しでは拡大どころか維持すらできない。 必要な用具を提供しない限りは、プーチンは核で攻撃などできないのだ。
先進国の対ロシア方針における過ち
J:もしバイデン大統領と話す機会があったとしたら何を伝える?
k:米国戦略の問題は、宇国戦に関連した決断ではなく、より大きな視野を持っていないこと。露国は敗戦の可能性が高いわけだが、次に何が起こる?
多くの国は現政権以外の選択肢が見えていない。戦後もプーチンとその取り巻きがモスクワを支配すると思っている。
その他はリベラルな政治家が政権を取り、要するに露国組織が組み立て直されるのを望んでいる。
(動画はロシアで刑務所に捉えられている現政権反対派のアレクセイ・ナワリヌイ氏を「希望の光」と評し、彼とロシア民主化への支援を訴えるヒラリー・クリントン氏)
一方で私は、現状の解決策は多くが唱える段階的縮小や政権交代などではなく、
露国の 『非植民地化』 だと考える。
露国は連邦国家というよりは、
『非植民地化を行っていない最後の欧州植民地化国家』
なのだ。今の露国は、ポルトガル海上帝国が生き残りリスボンからブラジルを支配しているような状態なのである。
ロシア帝国の非植民地化と解体を目指すべきだ。
そのためには地域の代表や利権者、活動家たちと話をする必要があるが……貴方も良く目撃するであろう問題は、外交政策者たちは最もリベラルな反対派意外とは真面目な話をしようとしない点。彼らは帝国をまとまったままにしておきたいのだろうが、無視をせずに別の考え方にも耳を傾けるべきだ。
私はタタール人だ。自分を露国人とは思っていない。私の同族が、そして他の人々が何百年も露国の税金を払わされ、帝国主義戦争で防弾土嚢として使われていることは、私にとっては大きな問題なのだ。
J:他に話したい相手は?ナワリヌイ?イゴール・セチン?
k:見ればわかることだが、露国は重大な危機へと向かっている。しかし危機は常に危険だが同時にチャンスをもたらす。それはジュビリー(ユダヤ教、50年に一度の祝賀、古典では奴隷が解放され負債は帳消しに)に例えられるだろう。債権者には都合が悪いが負債者には喜ばしい。現政権に権力を借りていた立場であれば、これはその貸しを踏みたおして自由になるチャンスだ。
例えば、ナザルバエフ(カザフスタンの元首相)は共産党のもとカザフスタンを統治する政党員だった。つまりモスクワに借りがあった。そしてモスクワが大きな政治問題に飲み込まれた時、彼は借りを無効にして自由の身となった。
つまり、今日のエリートにとって現政権とつながりを持つことは実用的ではない。それはその価値が急退している資産に、評判や名前や資源を投資するのと同じようなものだ。素早くしかも予告なしにその価値を失うであろう露国現政権の構成員に、自分自身を売り込んでも意味はない。
代わりにするべきことは、混乱に備えることだ。
それはおそらく一年以内に訪れる。それが起こった時のための個々の対策を練るべきだ。自分と、家族と、もしかしたら役職と地域とに対して。多くの人は実際に対策を立てているが、もし混乱とその際の対策について考えないのであればそれは愚かだ。
プーチンと、それ以下の各階級との関係性
J:露国のエリート層と、彼らとプーチンとの関係、意思決定や立案組織を人々はどのようにとらえれば?
K:一つの問題は、メディアや学術的分析者さえ、プーチンに注目しすぎることだ。
確かに露国は過度に権力を集約させた国だ。しかしプーチンを露国と、またはエリートをプーチンと同義と考えては大事なことを見失う。
それは、エリートたちには自分の意思があり、自意識過剰で、自己の利益に忠実だということ。彼らはプーチンの利益ではなく、自身のそれを追求し最大化しようとするのだ。
例えば、多くの露愛国者は戦争に賛成していて、国がいったいどこに予算を費やしているのかについて不満を持っている。もちろん国は戦争に資金を投入しているが、はたから見れば単なる汚職で、全く無駄なプロジェクトもたくさんあるのだ。 モスクワの美化(毎年、時には年に2回の歩道工事)、高額なインフラ設備、高層タワー、(戦争ではなく)イルミネーションのためのドローン、ロボット犬の購入など……
これは戦争を推し進める国には意味のない投資だ。しかし中間レベルの高官の身になってみれば完璧に理にかなった行動なのである。
自分の所属する組織が大きな危機に瀕していると感じた時、選択肢は2つ。
一つは盗むのを止めて組織の存続に全てを投資すること。
二つ目は出来るだけ多く長く盗み続けることだ。
明らかに、露国の多くの支配者層は後者を選んでいる。
J:それはこの先の露国の意思決定面でどのように影響する?
K:露国の官僚たちは、この戦争に対してそれぞれ非常に多岐にわたる戦略を選んでいる。
プーチンに関してひとつ興味深いのは、彼は不人気な決断に関してはそれを部下に委任する点だ。
よい例がコロナによるロックダウンだ。これは露国内では非常に不人気だった。だからプーチンは自分でそれを宣言せずに地方自治に任せた。「必要と思うなら宣言しろ」と。 プーチンは自分で不人気な決断を下したくないから。
動員も同じだ。彼は何となくそれを宣言はしたが、具体的なタスクは地方に委任した。
それぞれの地方責任者たちは、この件に関して様々な戦略で対処している。
まず、幾つかの地方は実直に何か月も動員を続けている。人を集め、義勇兵部隊を編成し、ウクライナにそれを送る。チェチェンのカディロフがよく知られている例だ。
しかし、簡単に言えば「動員をしているフリ」をしている地方統治者も多くいるのだ。共通点は、彼らが50歳以下であること。つまりまだ将来のキャリアに希望を持っている。彼らは(クレムリンの)決断を受け入れ異議は唱えないが、いろいろと理由をつけて実行には移さないのである。
また、戦争を意図的に妨害しようとしていると思われるケースもある。
その筆頭がモスクワの指導者セルギー・ソビヤニンだ。彼は新しいロックダウンを施行しようとした。
コロナの統計を見ると、隣接していない地域のコロナの件数が上がりロックダウン対策数が上がったケースがいくつもある。恐らく、露国のエリートの一部はロックダウンを施行することで動員を妨害しようとしたのだろう。結局はうまくいかなかったが。
また別のグループは、明らかに内戦の準備をしている。
支配者層の意思決定権を持つものたちの一部が、ウクライナでの勝利のためにリソースを割こうとしていないのは露国内では明白だ。彼らはその代わりに、混乱に備えているのだ。
昨年までのプーチン政権の最も顕著な特徴は、モスクワへの極端な権力の集中だ。 プーチン以前は、警察と捜査官はそれぞれの地方の共産リーダーに従っていた。KGBですらその影響下にあった。民間と軍は明確には分かれておらず、それは90年代まで続いた。プーチンが権力を持つまでだ。
プーチンによる権力集約の大きな理由は、地方権力者たちから銃を奪うことだった。(ロシア版『刀狩り』) 彼の政権掌握後、地方権力者からは警察、FSB、捜査官、国防軍等への影響力が奪われた。今年、プーチンは最後の地方統治者の個人ボディーガードを(自分の支配下にある)国防軍にすり替えている。
しかし今年に入って、この状況は完全なUターンを果たした。
プーチンは世論に非難の的にされるのを恐れて、軍や議会の動員や勧誘を、国ではなく地方に任せたからだ。
戦争が始まるまでは、武装兵力はすべて国家に所属しモスクワの管理下にあった。今は違う。
現在、露国内にはいわゆる『民間軍事会社』(必ずしも民間ではないが)が存在する。これらは書類上は存在しないし、法や規律で規制されてもいない。そして宇国での戦いの大部分が、彼らに任されている。
例えばワグネル傭兵部隊。これは露国の法律上は存在しないことになっている。しかし現実には巨大な組織だ。歩兵部隊、防空隊、爆撃機まで……具体的な規模を予測するのは難しいが、宇国での航空戦の多くはワグネルが担っているとみられている。ワグネルが有名なだけで、他にも似たようなグループはたくさんある。
もっと詳しく言えば、プーチンは地方治世者に・その地域で義勇兵隊を編成し・武装させ・自費で装備を揃え・ウクライナに送れ、と指令を出したのだ。
その指令に対する対応は一様ではなかった。
まず、地方によっては十分な資金がなかった。例えばチュヴァシ共和国は兵士を集めたはいいものの、武器を準備することも給料を支払うこともできなかった。
幾つかの地域はきちんと部隊を編成し宇国へ送っている。チェチェンが一番の例だ。
しかしまた多くの地域は(特定はしないが)・部隊を編成し・武装させ・装備を揃え、そしてこれをどこにも送らなかったのだ。今でも地元に防衛訓練兵として駐留中だ。
これらは少数民族の治める地域ではない。民族的にはロシア系が多数を占める地域だ。 つまり、彼らは混乱に備えているのだ。露国が混乱に飲み込まれた場合を考えれば、地元に武装兵力を持っているに越したことは無い。
ロシア一般市民にとっての『特別軍事作戦』
J:露国の人々についてと、動員が生活にもたらす影響、世論、そして露国の未来について、一般人の視点から見た場合はどう見える?
K:動員発令直後、数十万人が露国から隣接国へ、多くはカザフスタンとジョージアへと逃れた。
彼らを反プーチン、反帝国主義、反戦派と認識する欧米人もいるが、それは違う。難民の中には強い帝国主義的、プーチニスト的視点を持つものもいる。例えばカザフスタンに逃げてきて、カザフスタンは露国に加わるべきだと説く露人を見るのも普通だ。ドンバスとクリミアは露国だと考える人も多数だ。
ではなぜ逃げたのか?
自分は戦いで死にたくはないからだ。動員に応じるか逃げるかは、プーチンとクレムリンの政策を受け入れているかどうかとは関係がない。それよりも、自分の命に対してどれだけ楽観的か、もっと言えば価値を置いているかだ。プーチンの方針を支持する人の多くは自分の命に価値を置いている。彼らは社会的、経済的に順調で、さらに良い生活を夢見ている。死にたくないから逃げたのだ。
彼の政策に心から賛同していない人はどうかといえば、自分の未来をあきらめていることが多い。地方ではこれは非常に一般的だ。
動員への反応は、今の社会的経済的状況とその将来の展望が関わっているのだ。
この戦争は、ある意味では非常に戦争らしくない。
第一次、第二次世界大戦と、それ以前の皇帝の戦争も、兵士の多くは全く報酬を得ていないか、得たとしてもほんの僅かだった。将校たちにとっては儲けになっただろうが兵士たちは違った。
この戦争では、露国の歴史で初めて一般兵が報酬を得ている。
露国の小さな村では月3万ルーブルを稼げるが、前線に出れば簡単に月20~30万稼げるのだ。モスクワからすれば大した金額ではないが、村からすればそれは大金だ。 また、死亡に対する補償もある。その金額は地方からすれば法外だ。家族が死んだとき、地方の人々の多くは7百万ルーブル(約10万ドル相当)を支払われた。これは地方にすれば大金で、小さい町では不動産市場か変化したり新しい事業が起こったりしている。
例えばエストニアとの国境にある貧しいPskovの村ではVDV(露国空軍)が駐留しているが、その村の女性たちが次々に空軍兵と結婚して数か月で複数の死亡補償を得た例があったりする。 これは貧困と、多くの兵士が素早く亡くなっていくという要因が重なって生まれた状況だ。
この辺りを欧米は理解していないのだろう。貧しい露国の地方にとっては、これは決定的な経済的誘因となるのだ。このために現実に多くが戦争に賛同しているのだ。
しかしこれもある意味ポンジスキーム(詐欺の手法)のようなものだ。露政府は、動員への賛同を得るために最初の一万数千人の死亡者の家族には気前よく補償を払ってきた。しかしこれを際限なく続けることは不可能だ。
今家族が宇国に送られることに意欲的な人たちは、騙されることになると思う。彼らが希望する補償は支払われないだろう。
J:動員は社会の安定にどう影響するか?
K:9月迄は動員を断ることが出来た。しかし今は強制だ。私の考えでは、これは社会を逆に安定化することになる。
なぜならこれは『恐怖』を与えているからだ。それをどんな手を使ってでも避けたい市民は従順になる。数か月前ならデモに参加すれば1か月刑務所に入れられただけだ(最初の二回までは)。今では動員されてしまう恐れがあるのだ。
また、強制動員は(露国にとって)国内の民族的バランスを変えて『正す』のに役立つ可能性がある。
動員は地域によって非常に非均一的に行われている。モスクワでは比較的少数を、しかし北極圏の村からはほとんど全ての兵役可能な男性を動員しているのだ。 これはある植民地の資源を戦争のために他の植民地で利用するのと同時に、民族的均一性を『正す』ための手法となりうる。(=民族粛清)
ロシアの敗戦後シナリオ
J:では中期的な展望はどうか?
K:この戦争が始まった時、私の頭には露国における三つのシナリオが浮かんだ。
一つはプーチンが権力を保持するシナリオ。欧米的には『北朝鮮』ルートと呼ぶのがわかりやすいだろう。
しかし私の中では『ドンバス』ルートという方がふさわしい。ドンバスで用意され使用された国政術と立案方法は、今露国本土にも適用されつつある。軍国主義化、経済の国有化、男性人口を防弾土嚢として使い、法治制度の残りを抹消していく。プーチンが権力を保持し続ける限りは、これが露国の行く末だ。技術的には可能だろう。このこと単体がプーチンの権力を妨害することにはならない。
二つ目のシナリオは、『帝国再起動』ルートだ。
プーチン配下の支配者層の一部が、モスクワのリベラル反対勢力(例えばナワリヌイなど)に権力を与えて事態の収拾を図ろうとする。これも可能性があり状況は段階的に縮小しうる。もしかしたら全ての制裁を解き、そうでなくても緩和はされるかもしれない。
だが3月、4月に起こったことの後で、このシナリオは可能性が低くなってきている。可能性がないとは言い切れないが、権力を保持できる適役がいるとは思えない。
3つ目のシナリオは、これが一番有力になってきているが、『国の離別』ルートだ。
つまり露国がより小さい国に分かれること。これは一度には完了せずに複数の段階に分かれて起こるだろう。最初は名目だけ、それから公式に。現時点では、国家が様々な理由で様々な地域の支配を失う可能性は非常に高い。
その一つ目の理由は、権力は常に神話的だということだ。軍の敗北は何であれ、多かれ少なかれ帝国神話を傷つける。しかしその程度も様々だ。
米国への敗北に対する恥は、(宇軍に対する敗北よりは)より少なく管理しやすい。例えば対英国のクリミア戦争には耐えられたが、20世紀初頭の日本への敗北は耐えられるものではなかった。
米国に負けたとすれば、それはプーチンにとっては名誉の敗北となりうる。強大な敵に負けた、再度体制を整えて挑戦しよう……と。しかし宇国への敗戦は全く管理不可能だ。 露国の政治体制と帝国主義はそれを生き残らないだろう。モスクワの威光と魅惑は失われる。清国が英国と仏国に負けても体制に傷を負わず、日本に負けて管理不能になったのと同じだ。
もし露国が宇国に負ければ、それは組織崩壊の引き金となるだろう。
また別の要因は、モスクワの公的官僚組織が暴力だけに支えられている点だ。
今の露国には民間の軍隊が多く存在する。そして、これはある意味詩的とすら言えるが、(露国が)煽ってきた戦争は対外政策ではなく、内政政策だったのである。恐らくプーチンは宇国を攻める決断を下した時、露国内の混乱を海外に輸出してしまって、国内の情勢を治めたかったのだろう。 外に輸出した混乱は、今内側へ輸入されつつある。
宇国に出兵した露人が帰国した時、モスクワの権力組織が彼らに対する権力を維持していればそれは大きな問題になる。多数の私有軍が存在する状態ではこれは管理しきれない……特に敗北を喫したとなれば。
声なき者たちの声
J:過去6か月、ツイッターで貴方のスレッドを多くの人が読み35万人のフォロワーがいるわけだが、米国のSNSで宇国戦、露国、その歴史について語った経験をどう思っている?
K:私の視点を世界のより広い読者に伝えることは非常に重要だと思っている。
露国に関する一般の論説は理想的ではない。
なぜならそれは非常に少数、つまりモスクワの権威と、知り合いや友人、コネに頼っている欧米のメディアに支配されているからだ。 その地域を代表する人間がいないという理由だけで、メディアや政治や社会の人々の話題が取り上げられていない。この狂った不平等なやり方は、多すぎるほどの欧米メディアで採用されている。
例えば、私がある事柄に関して……例えばナワリヌイの活動は露国の帝国主義と方針に沿って行われていて、もし彼らが権力を持ったとしたら少数派に対して撲滅運動を始めかねない……と述べた時、多くの米国人はとても驚いて、興味深い、聞いたことがないと言っていた。
これは珍しいことではない。多くの少数派、特にコーカサス地方では、人々は(ナワリヌイ一派が)権力を持つことを非常に不安に思っている。欧米でだれもこの話を聞いたことがないのは、これらの人々の言葉が代弁されていないからだ。
J:特に宇国情勢に関して、貴方の活動を支えるために人々にお願いしたいことは?
K:近日中に、2つの活動を開始する。
一つは自分のリサーチ会社を立ち上げること。ブレークスルーとなるであろう最初の論文を発表する予定だが、まだ詳しくは話せない。
もう一つは露国の少数派が不公平に動員されていることに関してだ。
多くは脱出を試みている。例えばモンゴル系の人々はモンゴルに逃げられる。受け入れてもらえるからだ。しかし他の多くの少数派にはあまり支持体制が存在しない。
ウラル地方やヴォルガ地方の人々……タタール、ヴァシュキアス、チュヴァシュ、ノガイスなどのトルコ系の人々と、マリやウドゥムルテの人々を含む……は貧しく農村地域出身だ。彼らは特に今回の動員で標的にされている。
彼らを別の場所に移動させる活動を準備している。この活動を支援してくれる人がいるのなら、それは非常にありがたいことだ。徴兵可能な年齢の男性を主に支援する。出来るだけ多くの人を強制的に戦争に送られる運命から救うことが出来たら、それは素晴らしいことだと思う。
【記事要約(ほぼ全訳)以上】
ウクライナへのご支援をお願いします!記事上部の『支援団体を通じた寄付』からも、各種団体への寄付が可能です。 もしその後に余裕があった場合、瀬道にも投げ銭いただくと活動継続がより確実になります。パソコン修理や周辺部品の購入に充てさせていただきますので、よろしくどうぞ。