なんでもないエッセイ。茶道のお稽古
かれこれ10年ほど茶道のお稽古に通っています。
茶道は型がかなり細かく決まっているので、逆にその人の個性が端々に現れる、気がします。
とても慎重な人は手が震えたり止まったりするし、大雑把な人はガターン、パシャーン、とよく物が落ちたり水を溢したりと賑やか。
我が身を振り返ってみると、基本的に大雑把系だけど、長年のお稽古でだいぶ繕えるようになってきた気がする。でも、特に際立つのは語彙力…ワードセンスの偏りだなあとつくづく感じたので、そのお話をしようと思う。
お茶のお手前の最後には「問答」という、使った茶道具の生産地や作者やその銘(作者がつけた名前)などを伝える、教養を求められるやりとりがあります。特に銘は自分でお手前にあったものや、季節にあった名前を付けるので、教養がかなり必要です。
ある日のお稽古…
客 お菓子の御銘は?
亭主(私) …
先生 (ヒントで)春らしい名前はどう?
亭主(私) …春菊でございます…
客 …(肩を震わしながら)ありがとうございました…
先生 それはお鍋の具よ。
また別の日
客 御茶杓の御銘は?
亭主(私) …
先生 (ヒント出し)茶入れ飾りだから、何かのプレゼントでいただいたものが多いから、何かめでたい名前がいいんじゃないかしら
亭主(私) …出産…でございます
先生 いちかさん、出産されたの!?
亭主(私) …いえ、出産とか結婚とかめでたそうかなあと…
先生 ww…吉兆とかそういっためでたいお名前のことよ。
亭主(私) …田植えでございます…
先生 …田植えってめでたいかしら…w
また
客 おしふくの御仕立ては?
亭主(私) 半…太郎でございます
先生 …半四郎よ(肩を震わしながら)
太郎さんはどこから来たのでしょうね…
(これは元の知識が必要なネタですが、千家十職の職人のうち、お茶入れを包む袋を作る職人の当代が半四郎なので問答ではそれを暗記して答える必要がある必須知識…)
優しい先生はいつも珍回答に優しくツッコミを入れてくれ、和やかになるのですが、
しっかり勉強せえよ!と言われてもぐうのでない話で、思いつきとノリといいまつがいで生きてる性格が露わになります。
そんな茶道について、現在、卒業制作のテーマにしようと目論見中。
茶の湯をグラフィックデザインでどう表現するか、日々考え中です。
その話はまた今度。