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[芸大卒業までの道] ついに作品完成!



コンセプト

どこでも、誰とでも。楽しく、心を癒す茶道

茶道が元来持つ精神である「年齢や性別、人種、身分などを超えて、互いに相手を思いやり茶を一緒に楽しむ心」が、現代病である「社会的孤独・孤立」に対する「社会的処方」として機能すると考え、茶道をより身近で楽しいものと感じられるようデザインし、茶道が身近でない人たちに茶道が広まることで、色々な人が茶道を通じて繋がることができることを目指した。
茶道が身近ではない若者をメインターゲットに、茶道を堅苦しいものではなく、楽しいものと感じられるような面白みのあるデザインを目指した。若者の中では、銭湯やサウナ、70年代音楽などレトロブームがあるため、レトロポップな世界観を意識した。また、茶道は孤独を癒す薬というメッセージが伝わるよう、薬局のような世界観も織り込んだ。

最終制作物

作品名 
ちょっと一服、チャドウ?~どこでも、誰とでも、ほっこり茶道(チャドウ)~

ロゴタイプ

フォント アルデオを滲ませレトロ風にしたロゴタイプ
キャラクター 千利休が茶を呼びかけるイメージ
創意工夫した点として、茶道の禅の精神を引き継ぎ、シンプルさを意識し、基本的に黒一色とした。茶道はチャドウとも呼ばれ、「茶どう?」と呼びかける「チャドウ?」をブランドのキャッチコピーとした。茶道といえば誰でも知っている千利休をイメージキャラクターとした。ロゴとして使えるように顔を簡略化し、帽子は薬包紙の形(五角形)とした。線もレトロになるように、ややキザギザにしている。

野点セット

 「どこでも、誰とでも茶道」の「どこでも」が実践できるよう、手軽な野点セットを作成した。創意工夫した点として、パッケージデザインとして、これを持ち歩くだけで全てが完結するよう、抹茶を点てるために必要な道具が全て入るようなパッケージを作成したことである。特に、他の野点セットでは、湯は別に沸かす仕組みのものばかりだが、この野点セットは、水筒を入れることで、お湯を別で沸かす必要がなくなり、さらに手軽に持ち歩けるようになっている。また、作法にはとらわれないため、通常の野点セットに入っている茶杓や棗などは試験管に抹茶を入れ、メモリに合わせて入れるだけでいいようにした。さらに、茶菓子も一緒に入れられることで本格的な茶道が楽しめる野点セットとした。デザインの工夫点としては、今までにない形で、必要な道具が全てが入り、重くなく、壊れない素材を集め、検証した。茶筒に風呂敷でラッピングし、そのまま持ち運べ、さらに風呂敷が使用時にランチョンマットになるという、余計なラッピングが必要ないようエコを意識した。野点セットの中には、試験管の形で抹茶、茶筅、茶菓子、お湯を入れるロゴ入り水筒、ロゴ入り茶碗とソーサー、ロゴ入り懐紙、チャドウ?手帳が入っている。


野点セットの実演動画も作成。


チャドウ?手帳(チャドウ?の心解説本)

A5サイズ 8ページ
今回のチャドウ?プロジェクトを理解促進するための小冊子を、チャドウ?手帳を野点セット内に入れた。内容としては、本来の茶道の心を解説し、具体的な抹茶の点て方、野点の楽しみ方、チャドウ?を実践した時の日記になるようなページ、その他チャドウ?Instagram,LINEスタンプの紹介をしている。工夫した点としては、レトロなお薬手帳のような表紙、レトロな趣となるようリソグラフ印刷をし、千利休キャラが解説しているようなわかりやすい内容を心がけた。

抹茶のパッケージデザイン

抹茶を広く気軽に楽しんでもらえるよう、また抹茶の奥深さを知ってもらえるよう、抹茶のパッケージデザインを考えた。

チャくらべセット(茶比べセット)
抹茶は茶舗それぞれで銘をつけられて売られている。抹茶自体、薄茶用、濃茶用と品質や味も様々な種類があり、一般的に菓子のトッピングとして売られていると比較して、格段にまろやかさや旨みが違う。しかし、実際売られているものは、抹茶は高級なものもあるため、一度に味を比較することが難しい。そこで、1服ずつお試しで違いを味わえるテイスティング用の抹茶の味比べセットを作成した。デザインとして工夫した点としては、高級感を出すために桐箱、和のテイストと理科の実験室を融合させた和紙と試験管をパッケージにした。さらに巻物のような解説冊子をつけた。

参考 一保堂の抹茶の名前を使用

抹茶 個包装パック
抹茶をより手軽に、コーヒースティックのように使用できるような個包装のパッケージデザインを作成した。デザインとして工夫した点は、「心を癒す薬」として、個包装をハトロン紙で薬包紙の形にした点である。また、チャくらべセットと同様に、桐箱に入れて高級感を出した。

便利に使えるよう、個包装に。薬包紙をイメージ

茶会ができるグッズ・茶道のお稽古に使えるグッズ


①チャドウ?茶会グッズ
実際に、チャドウ?野点セットを使って実践する際に、「どこでも、誰とでも」の「誰とでも」を実践しやすいよう、茶道の看板の役割を持った「在釜掛け軸」やロゴの入ったカフェエプロンや帽子を制作した。「在釜」とは茶道の世界で茶会を知らせる言葉であり、この言葉が外に飾ってあれば、誰でも茶会に気軽に参加できる仕組みが元来ある。この言葉に「チャやってるよ!」「we are all welcome!We have MATCHA.」と入れることで、誰を制限するでもなく茶会に参加できるよう知らせている。
エプロンはシンプルに墨色で、小さくロゴが入っている。さらに瓢箪型の花入を作成し、キャラクターとして茶会のカウンターなどに設置できるようにした。

②茶道用具グッズ

「花入れ」千利休が好んだ瓢箪型花入というものが従来の茶道の茶室に用いることが多いが、それをオマージュし、「チャドウ?」風にした新しい瓢箪型花入を作成した。
「扇子」茶道の稽古に結界、挨拶として小さな扇子を用いる。その扇子の絵柄をチャドウ?ロゴにした。普段のお稽古では扇子を広げることはないため、実際の稽古にも使え、広げて飾りにもできる。
「足袋」茶道の稽古時に、白靴下か足袋を使用するが、茶道は正座をする時間が長いため、立ち上がる時に足が痺れてすぐに立てないことが多い。それを緊張する場面ではなく、笑いに変えるため、「足痺れ中につき、ちょっとお待ちを。」というセリフを足の裏にいれた(正座中に足の裏が見えるため)。これらのように、普段の茶道を少しクスッと笑えるアイテムを作成した。

プロモーション

茶道が身近でない人たちに茶道を広めるため、色々な人が「チャドウ?」により繋がれるような、プロモーションツールを作成した。

①チャドウ?LINE スタンプ
ロゴのデザインである、利休のキャラクターを使って、お茶に友達を誘える「茶しばかへんか?」などのLINEスタンプを作成した。さらに、茶を使った用語が身近にあることを知ってもらうために、茶を使った諺を使った「ヘソで茶が沸きますわ」などのスタンプも作成し、コミュニケーションが活性化するような仕掛けを作った。

LINEスタンプ

②チャドウ?インスタグラム おすすめチャドウ?スポットや、色々な人がチャドウを実践している姿をポスト、さらに#チャドウで、茶道した際にポストし、共有できることで茶道が広がるようにした。他に、京都市内で茶道体験、抹茶体験ができる施設やカフェなども紹介している。

③チャドウ?YOUTUBE Shorts 動画
チャドウ?のプロモーション動画として、鴨川や銭湯などで野点を実践しているところや、人々が集まって茶を楽しみ和んでいる姿などを30秒の動画にした。