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『荻窪メリーゴーランド』連載時の感想まとめ(書籍の感想も)

WEBサイト「OHTABOOKSTAND」で連載されている歌人の木下龍也さんと鈴木晴香さんが短歌で描く虚構のラブストーリー『荻窪メリーゴーランド』。めちゃくちゃおもしろいです!第2回からリアタイで追ってるのでその感想をまとめときます(第1回の感想もすこし)。

※ネタバレ注意です!



第1回 くちづけるとは渡しあうこと

「いつか海辺に住みたい」に「ね」を添えてふたりの夢をひとつ増やした

幸せそうなのに切ない。すごくいいなぁ。


第2回 〈永遠〉で終わらせるしりとり

一年の夜空すべてを見届けて〈永遠〉で終わらせるしりとり

「〈永遠〉で終わらせるしりとり」にぐあーっとなった。美しい切ない。「永遠」と言ったあとの静謐な夜の空気を感じる……。返歌に希望を感じてぐっときました。続くんだなって。

あたたかい星に復路の燃料をうなづきながらぶちまけ終わる

この星の外に出てしまわないよう繋いでおいたくちびるだった

こちらもめちゃくちゃエモ……。切ないよ美しいよ……。帰らないことを選択したんだな、だし、それは相手の帰らないでと祈るようなくちづけに応えたんだな、だし。「うなづきながらぶちまけ終わる」がすごく好き。ぶちまけるというのに覚悟が見える気がして。素敵だなぁ。


第3回 恋に埋もれてうつむいている

楽しみにしてた連載の更新!息を吞みながら読みました。約束より仕事を取ったの……?同棲は二人の望み……?

「だ」と打ってまた「だ」と打てば「大丈夫だよ」がつくれてそれを送った

好きだなぁ。本当に「大丈夫だよ」と言いたかったのかなぁって考えてしまう。

流れで読むと同棲したいのは彼一人だけとも読めるけどどうだろう?

この物語はハッピーエンドになるのだろうか……。続きが気になる~!


第4回 きみのこの世のまぶたを舐めた

今日はこの連載を読むのを楽しみにおしごとがんばった。読みながらひゃーってなりました。艶っぽくて美しい……!幸せそうで何よりです!

本棚にふたりの過去を並べれば『海辺のカフカ』上上と下下

好きだなぁ~~!

短歌で艶っぽいのってこうやってやるんですよっていう高次元でのお手本を見せてもらった感じ。すげー……。


第5回 夜がぼくらに手こずっている

ラストにぞわっぞわしました。え?なんで?これってそういう?いつから?ハッピーエンドが見えていたのに……やってくれましたわね……木下龍也さん……(好き)。

お辞儀するきみを無視して母さんがぼくに渡してくる萩の月

あーなんかあるよなー母さんってちょっとせっかちにおみやげ渡してきたりするよなーって思ってたけど最後まで読んで2回目に読んだときぞわぞわしました。ひええ……。

ほんと良いぞくぞく体験だったな……。子猫?子犬じゃなく?マルセイバターサンド?萩の月じゃなく?って思ってたらラストで鳥肌立ったもんな……。

幸せそうで何よりです!とか言ってた私を返してくれよ、荻窪メリーゴーランド……。

荻窪メリーゴーランドは地獄でホラーと思ってる。この間まであんなに幸せだったのにな……。


第6回 きみにはぼくを生きてほしくて

ひええ……ってなりながら読みました。病んでる自覚なく病んでる……。今回も最後の歌こわすぎるよ……。「許せない」……。もうハッピーエンドは諦めた方が良さそうですかね……。

生きてさえいればいいとは思えない きみにはぼくを生きてほしくて

好き……。なんだろう、この愛と執着と……。激重感情……好きだ……。

自分じゃなくて母が病気と思ってるのやべえ……。病んでる短歌がうめえ……。

次回二人会っちゃうんでしょ?大丈夫?(こわい)


第7回 皮膚のぶんだけ遠いと思う

荻窪メリーゴーランド読んで心臓バクバクしてる……。
一首ずつスクロールしながら読んだけどこわすぎた……。

まっすぐに歩くと決意するだけで他者はたいてい避けてくれるね

好きな短歌、後半のものを挙げるのはアレなんで前半のものを……。こわすぎますて……。

こわすぎるて木下龍也さん……。ホラーやで……。今回の荻窪メリーゴーランド読んで「玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ」はここまでいかなくて良かったなぁと思ったりした。でも玄関〜のKも一歩間違ったらこうなってた感じはある。木下龍也さんの主体は感情が重いんだよな……(好き)。

荻窪メリーゴーランドの木下さんこわすぎて笑うけどこれは歌集読んでてツイッター見たりもしてて好きだなって思ってる木下さんだから笑えるのであって、他の歌集読んだことなくて詳しく知らない歌人ならけっこう本気でこの人むりだ……ってなってたと思う。こわすぎるもん……。

読む前のわたし「荻メリ読むのこわい…こわすぎる…」
読んだ後のわたし「こわいとは思っていたけど想像の遥か上を行くこわさ


第8回 恋愛は羽で数えよ

荻窪メリーゴーランドを読むよ……こわいけど読むよ……。

荻窪メリーゴーランド、めっっちゃこわい……と思いながら読み始めたけど一行目でそうきましたかーーー…!!!ってなった。まさかの。でもってめちゃ好きだった。やっぱりハッピーがいいよ……。

したいことリストが増えてゆく春のたとえばふたりきりの読書会

全部好きだけどこの歌が特に好きです!「ごめんいま38度」~も大好きだなぁ。はー、次回がこわい!楽しみ!


第9回 妖精に生まれ変わるのはきみだろう

いよいよ何か起こるか……?と思ってめっっちゃこわい……と思いながら読んだら、あ、意外と大丈夫じゃん!と思ったところで予想外の情報が来てものすごく動揺した……。

ぼくたちが兄妹である世界線なんてへし折るほど抱きしめる

兄妹????これはこの二人のこと……?わからない……。兄妹っぽいところなかったもん……。どういうこと……?

どの恋もきみにやさしくあるための予習だったな 十の深爪

いいなあー。めちゃくちゃ好き。でもストーリーはわからないよお……。二人の関係って何……?どういう……?


以上です。
次回の更新がこわすぎます……。何か起こるのだろうか……。謎は解けるのだろうか……。みなさんも荻窪メリーゴーランドを一緒に読みましょうー!





2023.9.9 追記。
今さらですが第10回以降の感想もまとめておきます。


第10回 おそろいのコップがひとつ欠けていて

おそろいのコップがひとつ欠けていて残ったほうをわざと落とした

好きだなぁ。少しずつ女性の気持ちが冷めていく様子が切ないけどそりゃ冷めるわな……って思いもあり……。

NTR現場見るのつっっら……と思ったので多少男性に同情した……。女性もなぁ…きちんと別れてからなら良かったのにね……。あと今回、今までの短歌に出てきたワードがたくさん出てきて高まりました。こういうの好き。(前回の兄妹はあんまり関係なかった感じですかね…?)

乱数のように抱かれる夜ばかり初期パスワードを使っているの?

これめちゃくちゃいいですね。「初期パスワードを使っているの?」がめちゃくちゃいいな。煽りな感じもあって。

荻窪メリーゴーランド、いつかトークイベントやってほしい。制作秘話とか聞きたい。

第10回まで読んで考えた考察載せときます。


第11回 二度目のはじめましてをしよう

荻窪メリーゴーランドぉぉぉ…………(最新回読んだ)(こわすぎるて)(何が起こった)

荻窪メリーゴーランドの木下さん(のほうの男性)、わりと笑えないくらいにこわいな……。

走馬灯みたいなメリーゴーランド止まるのでなく消えてゆくだけ

今回こわい……こわすぎる……と思ってたけど何だか切なくなってきたな……。最後のメリーゴーランドの2首すごく切ない。

まじで荻メリってなんでこうなったんです?途中までは幸せだったのに。


最終回 エピローグ

(読む前)荻メリ読むのこわい終わるの寂しい。

一首ずつ読もうと思ってスクロールして「えっ」って声が出た。これはこういうものでして……?なんてこった……予想外だ……。めちゃおもしろいな……。

エピローグを読んだあと最初から読み返してあらためてすごい話だったなぁと思いました。恋愛のいろんなものが込められていた。楽しさも切なさも残酷さも。すごかった……。


書籍の感想

書籍の感想も簡単に。
特装版を購入しました!届く前、袋とじというものを見たこともなければ当然開けたこともないから荻窪メリーゴーランドの袋とじを上手く開けられるか自信がなくてでも失敗したくないから袋とじの開け方をググって「はえ~……」ってなったりしました。

届いた荻メリ、重厚感がすごい!
連載中から何度も読み返してたけど本として読むとまた良い……。袋とじの内容がめっっちゃ楽しかったです!!!歌の深みが増す……!そこまで明かしてくれるんだ!!ってくらい内容のこともがっつり書いてあってありがたかったです!また読み返します!

はじめての袋とじ、一度適当なコピー用紙を半分に折って切るという練習をしてから挑んだのもありそこそこ上手く開けることができました。良かった。

袋とじの内容ほんとおもしろくてこれ全首やってほしい~~~!!ってなりました!

重厚感がすごくて箔押しの赤が綺麗でこわい荻窪メリーゴーランド特装版
布張り、箔押し(ってことで並べてみた)


今度木下さんと鈴木さんの荻メリのトークイベントもオンラインで見るので楽しみ。どんなお話がきけるかなー。

読んでいただきありがとうございました!



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