短歌連作『miss you』
ミスチル短歌です。miss youツアーに行ったときのことを詠んだものです。
演奏が語りかけてた苦しみは僕らも共に背負って生きると
忘れたくないなと思う昨晩の全身で浴びたバンドサウンド
音源を聴くと上書きされそうでライブバージョンをも少し脳で
心臓がロックンロールに揺らされるロックンロールで生き延びている
悪人はひとりもいないすし詰めのバスは定刻通り現地へ
長い列ゆっくり歩むそれぞれに非日常へと期待を寄せて
リード曲のMVのような曇天がむしろうれしい肌寒い夜
目をつむる 開演前のさざなみはそれぞれの高揚の会話で
音圧で揺れる感覚心地よく待ちわびていた夢に今いる
シルエットで泣けてしまうよ傷を負いそれでもどこまでも伸びる声
雷鳴のようなドラムが傷口を抉る苦しそうな表情で
ボーカルを決して孤独にさせないとバンドは音で語りかけてる
演出の光と音が生むひかり私の夜に星が灯った
失ったものも多くて皆ちがう傷を抱えて集った同士
ありがとうって何度も言ってくれた夜拍手で応えるこちらこそって
二十年経って初めてマイクなしのあなたの声を聴くまぶしいな
光の樹が根を張ったから僕たちは暗闇を越えおはようを言う
圧巻で声が出せない終演後しばらくふたり無言で歩く
「また上手くなったよね」「それ」ボーカルの進化まぶしく感謝する帰路
ライブ後に寄るコンビニは澄んでいてすこし多めの夜食を買った
SOS互いに送り合いながら歩んでゆこうこの獣道
大人にも子どもにもなれず漂って明日も息をする ありがとう
ほとんど日記の短歌ですがあのときの高揚を思い出せるので自分では気に入っています。これからもこういう楽しい瞬間を短歌にして残していけたらいいなー。
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