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『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』の作者は4人いるという解釈

2024年、今年も『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ/木下龍也・岡野大嗣』を7月1日から7月7日まで日付順に読んでいきました。
今回は一つの仮定の上で読んでいくことにしていて、それがすごくおもしろかったです。その仮定というのが、

『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』の作者は4人いる

というもの。どういうことだって感じですけどまあ単純な話で、この4人というのは、

  • 木下龍也さん

  • 岡野大嗣さん

  • とある男子高校生A

  • とある男子高校生B

です。……まあメタというかなんというか……。
私の中にある(妄想)ストーリーを書かせてもらうと、ある日、木下さんと岡野さんの元に短歌連作が届いた、それが7月1日の最初の「雨、蜘蛛は~」の歌から7月7日の最後の「自身の公式ブログを~」の歌まで。差出人は不明だけれど短歌を読むと男子高校生二人が詠んだものであることが分かる。そしてその男子高校生二人がすでに亡くなっているだろうことも。短歌連作が入った封筒にはメモが入っていた。「二人が生きた証をどうか残してください」。そこで木下さんと岡野さんはそれぞれ一首ずつ彼らに向けた歌を詠んで彼らの短歌連作をそのまま載せた本を出すことにする。


……ついてこれてますか、みなさん。私のこの妄想に。
まだ続きます。


歌集『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』の中で木下龍也さんが詠んだのは、

七月、と天使は言った てのひらをピースサインで軽くたたいて

木下龍也

この一首のみ。
そして岡野大嗣さんが詠んだのは、

倒れないようにケーキを持ち運ぶとき人間はわずかに天使

岡野大嗣

この一首のみ。
それぞれ歌集の1番最初と1番最後に日付なしで載っている短歌です。そう、この二首は木下さんと岡野さんからの男子高校生二人に向けた哀悼の歌だったのです。君たちは、天使だったよ、と。つらい思いをして取り返しのつかないことを起こした二人への愛情の歌だったのです。


以上、妄想劇場でした。
上記のようなことを考えて読むと、いやー楽しかったですねえ。新しい感じ。男子高校生二人がリアルタイムで詠んだと思うときらめきと重さが増すし、それを受けて木下さんと岡野さんが天使の歌を作ったと思うと眩しさと愛情にぐっとくるし。


……分かってます、分かってるんです。皆まで言うな……。これはメタ読みの妄想……。

しかしこの読み方が楽しいのは真実……。


みなさんも良かったらこの読み方してみてください。新しい『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』に出会えると思います。そして何か別に新しい読み方があったらぜひ教えてください!いろんな楽しみ方がしたい!

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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一条
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