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サードウェーブコーヒーの酸味とクイニーアマン

今、サンフランシスコ近郊のこの辺りで、お洒落で美味しいコーヒー屋さんに入ればほぼサードウェーブコーヒーである。独特の酸味があり、セカンドウェーブと言われるシアトル系コーヒーの深煎りビターな味が好きな私には、少し物足りなさを感じてしまう。でも、お洒落な店内に惹かれて、ついついお店に入ってしまう。シアトル系の代表と言ってもいいスターバックスだが、そのルーツはバークレーにあるピーツコーヒーだと、どのくらいの人が知っているのだろう。そもそも、ピーツコーヒーでバリスタをしていた人がシアトルでスターバックスを始めたとかなんとか、地元民の少し自慢の入ったうんちくを日本から来た私は何度も聞かされてその度に「へー!」と驚いたふりをした。そんなわたしもバークレーに来てもうすぐ20年。セカンドウェーブの発祥は、バークレーだと言いたい。

サードウェーブコーヒーの話に戻るけれど、サードウェーブの発祥はサンフランシスコのブルーボトルコーヒーだと言われている。生成りっぽい白のカップに、ターコイズの混じった青いボトルが描かれていて、なんともお洒落で若者向けのデザイン。ピーツコーヒーのメインカラーである豆の色(深い茶色と黒)の重厚感とはまた違う良さがある。ブルーボトルコーヒーは店内も明るくてすっきり、カウンターも木、ドアも壁もガラス張りでIT産業で働く若い男女がMacを持ち込んで仕事してる感じ。コーヒーは酸っぱい。この酸味はどこか懐かしい感じがして、記憶の片隅からある言葉を引っ張り出してきた。

「キリマンジャロとブルーマウンテン」

あ、UCCという上島珈琲さんでアルバイトをしていた頃に、コーヒーでおすすめの豆を聞かれた時に豆の名前や焙煎について教えてもらったんだっけ。「キリマンジャロは酸味があります。ブルーマウンテンは、風味と上品さがあります。もし迷われているようでしたら、モカはいかがでしょうか。クセがなくて飲みやすいですよ。」何もわからない大学生が豆をおすすめ。そのお店ではサイフォン式で淹れていたので、酸味がグッと際立っていた。その味を思い出した。思い出のキリマンジャロ。

酸味のあるコーヒーはあまり好きじゃなくて、エスプレッソが好きな私だけれど、お洒落なカフェには行ってみたい。甘いクイーニーアマンを今日のお供に選んで、酸味のあるコーヒーを流し込んでいく。なんだかお洒落な人になった気分。ジャージにサンダルだけど。




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