「それってあなたの感想ですよね」という意見について考える
感想って何?
タイトルにあるこの言葉、「それってあなたの感想ですよね?」は今では有名な言葉ではないかと思います。この言葉を知らない方のために説明すると、論理的思考によって対談相手を論破することで有名な2ch創設者のひろゆきさんがよく使う言葉です。政治家や著名人、一般の方との対話の中で、ひろゆきさんの投げた質問や求めた意見に対して、少し争点のずれた返答、もしくはわざとずらした返答などに使われます。また、質問者の質問内容に対して発動する時もあります。例えばインターネットを実名投稿にすることで犯罪が抑制できるのではないか、とい議論が起こった時に、ひろゆきさんが「実名にしようが犯罪は減らない。実際に韓国では実名(実際は国民番号を登録)だけれども犯罪は減っていない」と発言したとします。そこで他のコメンテーターが意見を求められて、「いや、犯罪は増えていると思います。なぜなら、生放送などでいじめのような発言をすることで快感を覚えている人がいるからです」と答えたとします。そこでタイトルの言葉が発動します。「それってあなたの感想ですよね」
感想と意見の違い
え、ひろゆきさんの方は感想ではなくて意見で、コメンテーターの方は感想なの?と思った方もいらっしゃると思います。早速調べてみましょう。新明解国語辞典によると、感想とは「ある事項について考えたこと」とあります。意見とは「ある問題についての、個人の考え」とあります。んー、違いがよく分かりませんね。ただ、意見には「好ましくない行為を思いとどまるように教え諭すこと」とありますので、「主張し諭す」というところが感想とは違うのかもしれません。
一方で、先日聞いたポッドキャストでみうらじゅんさんが愛されるお年寄りになるために大事なこととして、「意見をやめてみたまんまのこと(感想)を言うようにする事が大事なんじゃないか」というようなことをおっしゃっていました。
「『交通量が多いなぁ、人ばっかりやないか!』と意見をいうたときに、お前も入ってるやないかという苛立ちがあるけど、『人だ、いっぱいだー』いうてるのは害がないよ。みたまんまやもん」
年を重ねるにつれて、ただの感想の中にいくらか教えを諭すようなニュアンスが含まれてしまって、自分でも思いがけず相手に圧をかけているような物言いになってしまうのでしょうね。意見というのは、分析的思考のことであるともいえると思います。論理的に発言するためには、相手の言う事を分析して良いか悪いかを判断して、自分がどう言う立ち位置なのかを念頭におく必要があります。脳みそフル回転です。そして言われた方はなんか否定されたような気持ちになってちょっとムカつく。。。別にあなたに意見を求めてませんけど!
感想の大事さ。
さて、私は今エネルギーワークなるものをやっているのですが、それは「見たまんまを感じる事」です。とにかく分析的思考は邪魔であると言われます。前から来る人を見て、「あ、ブカブカの服着てるな」と思ったらそのまま、それを口に(こっそり)出すのです。ブカブカの服着ていると言うことは妊婦さんかなとか、色々悲しい事があって痩せたんかな、とかそういうことは考えずに、見たままをそのまま感じる。私にはそんな簡単な事が中々できないのです。そもそも、今、感想と意見の違いについてめちゃくちゃ分析しながら書いてますからね。分析してしまうと、自分がやだなと思っても、ここでこういうふうに振る舞えば後で褒められるとか、計算が働いてしまいます。それが悪いとは言わないけれど、時には自身の持つ無邪気さで見たまんまを感じることも大事なのかなと思います。そして愛されるお年寄りになるためには、意見を言わずにみたまんまを伝えることが大事とおっしゃるみうらさんの意見に賛成です。いつか冒頭のひろゆきさんとの対談の中でこう言えるようになりたい。
「へー、みんなネットでコメントとかするんだなぁって思いました」
そしてひろゆきさんに言われたい。
「それってあなたの感想ですよね。」
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