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あなたとSDGsをつなぐ「世界を正しく見る」習慣

 SDGsの本来の目的がわかる。

 以前に読んだ『SDGsがひらくビジネス新時代』著者竹下隆一郎は、SDGsをビジネスチャンスとして、つまり前向きにとらえることをテーマにしていた。
 たしかにそれも可能ではあるけれど、どうも機関投資家の儲け主義に踊らされている感が臭ってしまう。

 『あなたとSDGsをつなぐ「世界を正しく見る」習慣』は、著者原貫太が実際にアフリカで支援をしていた経験があるだけに、SDGsの本来の目的がよく理解できる。

 たとえば、電気自動車を世界的に推進しているけど、その電池の原料となるリチウムやコバルトは、レアアースとして原産地が限られている。
 その一つがコンゴであり、独裁政権の下、地域紛争、幼児労働、最貧国などの負のすべてが集まっているようなところがあり、その地を、そうした社会的問題に一切目をつむって中国が債務の罠と見られる投資を行い、資源を独占しようとしている。
 中国にしてみれば、こういう地を作ったのは欧米白人どもだったのでは、ということになるけど、だからって同じことをしていいわけでもないよね。
 もっとも、著者原貫太は、現地で必ずしも中国が悪印象を持たれていないとは言う。
 ある意味、一帯一路のためとはいえ、資本投下によりインフラは整備するし、その分仕事も増え当然ではあるけど、言いたいことは、恵まれた現状を享受する日本人がそうした最貧国の実情を知ろうとも本気で支援しようともせずに、それだからこそ中国非難に走っているのではないか、との問題提起ともとれる。

 アパレルはだれも着ないでブームを過ぎた服を大量に捨てているという。服のための綿は大量の水を使う。チベットの人権問題だけではない。
 ぼくも大好きなステーキの元になる牛は体重の11倍もの飼料を必要とし、その牛のための飼料をアルゼンチンなどでは生産し、国民には食料が回らないという。当然、そのための土地を切り開くため、二酸化炭素を封じ込めている森林資源が伐採され、水も大量に使う。
 著者原貫太が言う。水資源に恵まれているはずの日本人は、服や食料を通じて大量の水を輸入していることになるよ、と。
 牛自体が地球温暖化の元凶とも言えるメタンを吐き出しているらしい。
 ぼくはフェークミートでもいいんだけど・・・まだ開発段階。言い訳です。
 そして、資源の奪い合いために超格差を生じさせているコンゴのようなアフリカの国々・・・。超貧困(日収入200円以下)のため最低限の健康管理もできずに下痢で命を落とすなんて、我々日本人には考えらないことも起きている。

 SDGsは、ビジネスチャンスというより、本来的には、地球規模の人類を救うためのものではないのか。
 機関投資家に言わせれば、企業にビジネスチャンスを与えることで結果的に人類が救えるとなるのかもしれない。でも、その結果がコンゴ?
 金持ちをより金持ちにするのが機関投資家の本来の目的でしょ。
 温暖化で二酸化炭素がどうのなんて40億年も気候変動を経験してきた地球問題より、無駄の多い人類社会をなんとかする方が喫緊の大問題ではないのか?

 みなさんは、どう思います?


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