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世界を変える5つのテクノロジー ――SDGs、ESGの最前線

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 この本の著者山本康正は、機関投資家の視線で提案している。
 このままだとただでさえ世界から後れを取っている日本は、ディストピアになると警鐘を鳴らす。

 最近の流行り言葉(と言うと𠮟られる?)であるSDGs、ESG。
 SDGsは、持続可能な開発目標であり、ESGは、企業の価値を測る際の新たな指標を意味するということで、『従来の投資のように売上高や利益のみを重視するのではなく、顧客や取引先、従業員、地域などのステークホルダーにも目を向け、環境・社会・企業統合(ガバナンス)の3つの観点から複合的に捉えて起業価値を向上させていく、とい考え方のこと』。
 ESGを推進すれば、おのずとSDGsの達成にもつながるそうな。

 改めて両者を見ると、SDGs(エスディージーズ)は、17の世界的目標、169の達成基準、232の指標からなる持続可能な開発のための国際的な開発目標になるけど、こんなに多くは覚えられない。せめて17の目標だけ上げれば、
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロ
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任 つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう
となり、ESGは、
Environmental(環境)
Social (社会)and
corporate Governance(企業経営を管理監督する仕組み)
のこと。

 機関投資家がただ利益を上げる投資から、ESGを重視した投資へとカジを切っているとのこと。
 意地悪い言い方をすると、GAFAのように、設備投資のほとんど要らない企業にできる投資には限りがあるので、設備投資を初め、いろいろと投資の当てが広がる生産化へ軸足(横文字でピボット)を移す。特に環境で悪役となっている二酸化炭素ゼロにするためには、それこそ膨大なコストを必要とする。投資の機会が増大するわけだ。
 だから、見方を変えると、機関投資家たちが脱炭素に向かわないと世界が破滅するというプロパガンダを広めたとも言える。機関投資家連中のことをディープステートとも言う。

事実:30年で地球の温度は0.3度しか上がってない(人間は体感できない)

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 反二酸化炭素ゼロを言うと、SNSでは排除や注意がされる。言論弾圧にもつながりかねないけれど、それほどに世界に浸透してしまっているわけだ。

 著者山本康正はESGに努力して、ある程度成果を上げている企業として、アップルを筆頭にしている。
 でもね、アップルって、中国や東南アジアの低賃金労働者による生産によって利益を上げてきていると聞いていて、これがアメリカ本土で工場を生産しているなら、僕も拍手するところ。自国アメリカでの貧困をどうするの?
 電気自動車や風力発電、太陽熱発電も確かに二酸化炭素ゼロには有益かもしれないけど、その原材料は、中国がほとんどを支配、生産しているので、簡単ではない。
 そういえば、著者山本康正は、社会主義と資本主義を対応させているけど、民主主義には一言も触れない。きっと、中国に頭を下げればいいじゃんと考えているのかもしれない。

 とはいえ、世界はESG、SDGsに動き出している。ESGはともかく、SDGsはミッションインポッシブルに見えて、できたらいいねという内容なので、そうした方向性で進むのは間違っていないと思う。

 この本の、僕が指摘した以外のところはそれなりに参考になると思えるので、ここに載せました。

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