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議員立法より閣法が多い日本の政治。シンクタンクが民主主義を促進する

議員立法と閣法

 国会でできる法律は、その法案を誰が出すのかで2つの種類に分けることができます。1つは、国会議員が提案する議員立法。もう1つは内閣が提案する内閣立法、もしくは閣法です。
 日本の国会で成立する法案は、後者の内閣立法のほうが数多くあります。

閣法が多いことの問題点

 国会議員が考えた議員立法より、内閣立法のほうが多いことには問題点があります。国会議員は選挙で選ばれた我々国民の代表です。なので、その議員が考えた法案は、国民の意志を反映したものと(建前上は)なっています。

 一方、内閣立法は時の政権が提出するものですが、これは閣僚の中にいる官僚が中心になって作られたものです。官僚は、特に国民が選ばれた代表ではありません。公務員です。その人達が考えた法案は、必ずしも国民の意志を反映させる必要があるものではありません。

明治憲法下の体制が続いている現在日本の政治?

 この議員立法より内閣立法のほうが多いという状態は、実は戦前の日本から続いています。明治憲法下では、一番偉いのは天皇でした。その天皇を中心にして、行政機構(内閣)が存在しました。そして、その行政を補佐する役割として、国会が位置づけられていました(諸説あり)。

 要するに戦前の日本の政治体制は、現在のような三権分立ではなく、政治の中心は行政にありました。法案も行政を中心に作られていて、現在の議員立法より閣法が多いのは、その名残が続いているという解釈をすることができます。表向き日本は日本国憲法が制定され民主主義国家となりましたが、その意味において、大日本帝国憲法下の体制が現在が続いていると言えるのです。

シンクタンクが民主主義を促進する

 なぜ国会議員が考える議員立法より、官僚の考える内閣立法のほうが多いかと言うと、政治や社会の情報を官僚が多く持っているからです。その点で議員は官僚に遅れを取っています。

 その国会議員の情報、つまり頭脳の部分を支えるのが政治系シンクタンクです。政治系シンクタンクは政治家が政策を立案する活動を後押しする役割を持っているのです。

 日本ではシンクタンクの力が弱いと言われていますが、この本はその政治系シンクタンクを日本に作るべく奔走した人物の自伝的ノンフィクションです。

 日本の民主主義を根付かせるには、こんな手段も存在します。

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