2021中日の展望と注目選手(供養)

オープン戦も始まったことなので今年の展望とそれに伴う注目選手、キープレイヤーを個人的に考えていきます。

・先発陣

昨年は誰に聞いても「大野に尽きる」といったところだろう。大野が完投、そうでなくてもそれに準ずるイニングを消費してくれるといった計算に基づいたやりくり、そしてその期待に十分すぎるほど応えたエース大野。沢村賞もある意味順当であろう。そして今年必要なのは、大野、福谷に次ぐ3番手の存在。大野だけでなく今年の開幕投手に内定した福谷も安定したパフォーマンスを見せたが、その他の先発が概してイニングを消費できていなかったように思う。そしてそれがブルペンの負担になり、大野が完投して休ませるといったサイクルを形成していた。せめてもう一人イニングを安定して投げてくれる投手がいればブルペンの負担軽減にもなりうるし、またその分大野が無理してまで完投、という必要もなくなる。

そこで誰がそのポジションを勝ち取るかという話だが、自分からは柳、清水達也の二人を推したい

柳は2019年こそ2桁勝利を挙げ、いよいよ開花かと思わされたが昨年は多少落ち込んだ。1つの要因として、ストレートでガンガン押せる本格派の大野に触発されたのかストレートとカーブの2球種の投球割合が増えていたように感じている。勿論ストレートの球速、球威は必要だが柳は技巧派であり大野とは違う。持ち味としてはストレートとその軌道から曲がり落ちるスラッター的カッターのコンビネーションであると言えるが、これまでの実戦を見る限り状態は良さそうである。あと個人的には柳のカーブはあくまでアクセントだと思っているので、追い込んでからのカーブは減らして良いだろう。

清水達也は昨年まで突出した実績はないが、昨年末のrebaseのインスタグラムを見て正直度肝を抜かれた。入団時はアーム投げであるとの指摘もされていたがフォームが非常に縦回転要素が強くなっており、普通に投げれればゾーンにいくようになっているように思われる。またそれによってストレートの質の向上が見込める。そして清水達也の球種はカーブ、スプリット、カットボールと縦の変化が主だがこのフォーム改造によって更に精度、威力の向上も見込める。今のところショートイニングのみでの登板だが、是非とも先発での起用をしてもらいたい。新たなスラット・スプリット型投手の先発投手誕生の予感を感じざるを得ない。

またもう1つ先発全体の課題として、基本的に2ピッチスタイルが多すぎることが挙げられる。リーグ全体の傾向として投球割合が多いのはやはりストレート、スライダーの2球種であるが、中日はこの2球種で全体の投球のほぼ7割を占めてしまっている。これはリーグの中でトップであり、さすがに多すぎる(リリーフの投球も含まれているデータだが、それは他チームも同じである)。普遍的なことを言えばスライダーは横変化の場合が多く、また変化量もそれなりにあるためボール球になるリスクもそれに応じて存在する。すなわち打者有利のカウントでの選択肢が少なく、ストレートを狙われることに繋がる。それで結果が出れば文句はないのだが、長丁場のシーズンではストレートの走りが悪い、スライダーが入らないなど多々あるであろう。その際のリスクヘッジとしてカッター等のゾーン内で動かして勝負できる中間球は増やしてもらいたい。小笠原のカーブが凄い、笠原のチェンジアップが凄いのは十分知っている。しかしストレートと大きな変化球で1年やれるほどプロの先発は甘いものではないだろう。

・ブルペン

昨年は福、祖父江に頼り切った1年と言って良い。祖父江は問題なさそうだが、福は低調で下手をしたら福を使い潰してもぎ取ったAクラスなのかもしれない。そして今年は予定ではオリンピックが開催され、開催されればその期間守護神のライデル・マルティネスはほぼ確定で離脱する。よって勝ちパターンを担える投手を1人でも多く用意するのが急務であろう。

ブルペンでは又吉、木下の2投手に注目したい。

又吉は基本線がストレート、スライダーの2球種であったが故に対左の数字の悪さが長年課題として挙げられてきたが、昨年はこの数字が逆転し、むしろ左打者に対しての方が打たれていないということになった。これに関する理由は定かではないが、昨年から本格的にカーブを導入し投球レパートリーが増えていることも一因であろう。
2019年のカウント別球種配分
2020年のカウント別球種配分
更に今年はダルビッシュ直伝?のチェンジアップも導入しており、対左に更に効果的に作用する可能性もある。それを右打者の足元に沈めることが出来れば、それが邪魔な球種となり、対右における外へのストレート、スライダーのコンビネーションをより効果的にすることも出来るのではないか。

木下は昨年から台頭した投手で、ストレートとスプリットが全投球のほぼ全てを占める。奪三振率12.23が示す通りどちらも素晴らしい球種であるのは間違いないが、如何せんストレートが多すぎたきらいがある。ほぼ2球種なのでカウントを稼ぐストレートを打たれるか、あるいは追い込んでも投げる球がなくなって打たれるというケースが多かったように感じている。そこで必要になるのが重ねて言うようだがゾーン内で動かせるカウント球であろう。今年の実戦ではカット気味のスライダーを投じていたが、それが安定してくれば面白い。ゾーン内で動かすメリットは、フォークやスライダーといった大きな球種と違い、見逃してもストライクになるところが大きい。それでカウントを稼げればもともとのボールは申し分ない木下が勝ちパターンに食い込むことも十分あり得る。

・打線

打線においては、個人的にはアルモンテが抜けた穴があまりにも大きいと考えている。Twitter上では#俺のアルモンテ と半ば遊びでつぶやいていたが、彼のクラッチな打撃、どの打順でもフィットする柔軟性はあまりにも大きかったように思う。現にオーダーを考えてみるに、3番がいない。ビシエド‐高橋周平の並びは崩すべきではないと考えているので、打順を繰り上げて3番ビシエド、4番高橋周平のオーダーにするのがベターだろう。相応しくない打者を入れるよりは繰り上げてしまった方が良い。よって現時点で考えるオーダーは、

8大島
9平田
3ビシエド
5高橋周
7アリエルマルティネス(福留)
2木下
4阿部
6京田


になるだろうか。繰り上げると今度は5番がいないのだが、そうなったら最早しょうがない。苦し紛れにアリエルマルティネスを出したが、やっと隔離期間が終了し開幕に間に合うかは不透明かつ、彼も五輪期間は離脱が濃厚である。一刻も早くレフト候補を選定する必要がある。岡林や根尾がレフトに入る場合は、木下が5番に繰り上がるべきだろう。

打線のキーマンとしてはやはり平田だろう。言ってしまえば彼が健康でいることが一番の補強となっているのが昨オフの補強の実状なのだ。

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