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#月刊撚り糸 1月のテーマ『どうして言ってくれなかったの』公開しました。



毎月7日にテーマに沿った小説を公開します。また同テーマにて創作を募集し、一緒に楽しめたらと思っています。
1月のテーマは『どうして言ってくれなかったの』です。



公開作品もくじ

全投稿作品を載せています。
Twitterにて書かせていただいた帯とともにどうぞ。

「大事なことは隠しておいたほうがいいということ。」

柔らかい言葉に突き刺すような切なさ。3人の間に確かな幸せがあったと願いたいし、信じたい。


ずるい、ずるいなぁ。どうせならもっと小器用に騙してくれたらよかったのに、ほんのちょっとだけ本音を見せるなんて、彼はとてもずるい人だ。だから愛してしまんだろう。


『何も残らなかった』と嘆き、打ちひしがれても、忘れようもない日々が僕の中で息をしている。あの時こうしていたら、とという後悔すらもふたりの間にあった大切なやりとりなのかもしれない。


そう来たかー!!!と膝を打ちたくなる驚きの一作。わからなければわからないほど楽しいのも、文章という表現方法の良いところ。


もう早くくっついちゃいなよ!!って後ろからヤジ飛ばしたい気持ちをグッと堪えて読みました。気持ちを確認しあった瞬間の、ふたりだけのじゃれあいがこそばゆい。


「言わなかった」んじゃなくて、まだ見えていなかっただけなのかなぁ。一緒にいるごとに段々と見えてくるお互いのこと。それが増えていくごとに絆が深まっていくんだ。


「しょうがないなぁ」と言えることが彼女の第一歩だったのかもしれない。簡単に自分を変えることはできなくても、見え方が変われば呼吸も楽になる。


読んでくださった皆様、参加してくださった皆様、誠にありがとうございました。



2月のテーマ告知


それでは来月のテーマ告知。

2月のテーマは『身も蓋もない話だね』です。

一緒に楽しめたら嬉しいです。

ご興味のある方はコメント欄、Twitterにてリプ・DMなどで教えて下さい*



書かれなかったあとがき


手のひらが痛い。正確には左手の小指の付け根の、1センチくらいの小さな傷が痛い。

先日仕事で紙の書類をまとめていたらうっかり切ってしまった。どこにでもあるような不注意だけど、それからというもの洗い物をするときも、お風呂に入るときも、いっつもその赤い線がぴりっと痛む。シュレッダー行きの紙の最後の抵抗だったのかもしれない。

傷自体は言わずもがなだけどとても浅い。よく伸び縮みする場所だから、手をグーにすると傷もにゅっと隠れる。慌てて絆創膏を貼るほどでもない。

だけどやっぱりちょっと痛い。事あるごとに。この文章をぽちぽち打ってるときも、小指の付け根がよくAltにあたる。

そういうときって、もう何もかもが完璧から遠ざかった気持ちがする。でも書かなくっちゃいけない。だって〆切きっちゃったんだもん。これが月刊撚り糸をはじめると宣言してからのわたしの主な心境だった。

小説を書いてるときって、どうしてあんなに何もかもが傷に見えるんだろう。あれもこれもそれも直して、そもそも構成から直して、いやテーマから変えたほうがいいのでは…!みたいな気持ちになって、下手をしたら永遠に書き上がらない。

完成したらしたで何度も何度も読み返し、またしても「いやテーマから変えたほうが(以下略)」と思い始めてしまう。

そんなときに緑の公開ボタンを押させてくれるのが、わたしの場合は〆切なのだ。

別に自分との約束として〆切をきったっていい。誰か友達に話したっていい。でももう半歩だけ広く「言ったからにはやるぞ」という心構えがほしかったし、そういう人の居場所があればいいなって思う。

月刊撚り糸はそんな場所かもしれません。






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