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毎月7日にテーマに沿った小説を公開します。また同テーマにて創作を募集し、一緒に楽しめたら…
彼女から告白されないよう細心の注意を払ってきたのに、その瞬間は冷然と僕を襲った。 授…
「パパ、おやすみなさい。ママ、おやすみなさい。」 階下からお姉ちゃんのいつもの挨拶が聞こ…
「ほんと、やってらんないよな」 そう言いながら真田は喫茶店のソファに自分の背中を叩きつ…
「バニラアイス、好き?」 「どうしたの、急に」 不思議そうな顔をした蓮は、きっと気づいて…
「窓は開けたままにしておいて」と、隣の席からの強めの声が聞こえた。列車に乗り、窓際の座席…
ふと目覚めて、隣を見て溜息が出そうになるのを慌てて堪えた。安らかな寝顔と安らかな寝息。なんだか息苦しくなって、涙腺が緩んだから反対側に寝返りを打つ。 どうしてだろう、と思う。この人生を選んだはずなのに。この人を選んだはずなのに。 部屋はまだ暗い。きっと朝は遠いのだろう。もうひと眠りして起きたら、あの友人に電話をしようと思う。 *** 「ジョハリの窓って知ってる?」 佳奈がそう言ったのは、社会人になったばかりの頃だった。 「うちら何学部卒よ?」 椎名はそのとき