その角を曲がったところに #月刊撚り糸 第773話・3.7
「その角を曲がったところに」ここで電話が切れた。「その角を曲がったところにって何なんだ?」俺はもう一度電話の相手にかけなおそうとしたが、以降は着信音は聞こえても応答しない。何度鳴らしても相手は出ないのだ。
「その角を曲がったところに何があるのだろう」街を歩いていた俺は、腕を組んだ。着信の相手は見たことのない番号。「営業かもしれない」と俺は最初無視をしたが、しつこく何度もかけてくるので思わず取ってしまう。俺は相手が何を言うかわからないので、取ったもののしばらく黙っていた。その時