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婚約破棄で無職になった。泣きながら転職活動をした話。

28歳になったばかりのころ、婚約破棄になった。彼の地元に転職して、一緒に暮らしていた私は、その土地で暮らす意味を失い、地元に帰るとともに職を失った。
新卒で入った会社は、婚約に伴い、引っ越しをするという理由で辞め、2社目は、婚約が破棄になったという理由で辞めた。
やりたいことのため、将来のキャリアのため、ではなく、恋愛に振り回されて、2社も辞めた。
これでも、私はキャリアをそれなりに考えていたつもりだ。1社目は、老舗メーカーの総合職。メーカーであれば、女性でも総合職として、働いていけると大学生の私は考えた。業界一位の会社であれば、営業に配属されたとしても、そこまで大変ではないだろうと。商品企画などができれば、楽しそうだと。私は想像通り、営業部に配属され、3年ほどルート営業をしていた。正直つまらなかったし、未来も見えなかった。結婚で抜け出せると思った私は浅はかだったのだろう。
知らない土地で半年ほど、職業訓練を受けたのち、転職活動をして入った2社目は、小さな通販会社。商品企画の仕事に就いた。転勤がなくて、子育てのしやすさを売りにしているところに惹かれた。どんな仕事に配属されるか決まっていない総合職ではなくて、商品企画の仕事をできることもいいなと思った。その会社も、恋人との別れとともに、3ヵ月であっさりと辞めた。とにかくその土地から去りたかったからだ。
再び無職になり、1ヵ月ちょっと経った頃、私は再び転職活動を始めた。結婚も、仕事も、何もかもを失い、絶望的な気分で始めた。将来は不安で仕方がない、収入はない、毎日泣いて、死にたいと思っていた。
どうせ死にたいのなら、昔からしてみたかった仕事をしてみようと思いついた。将来性も、会社規模も、知名度も、給料も、福利厚生も正直微妙だ。それでも、ずっと憧れだった出版系の仕事に何とか引っかかった。転職してすぐは、婚約破棄による心の不安定さと、未経験の仕事でとにかくわからないことが多すぎ、大変すぎた。それでも1年が経つと、少し楽になった。憧れの仕事だったため、辛くても、頑張ることができた。
私は、一度、何もかもを失った。けれど、そこから得たものもある。辛くても転職活動をして、よかったと思う。今の仕事についているのは、婚約破棄があったから。おかげで、世間体や、将来性などを考えずに、純粋に自分がしてみたいことを基準に仕事を選ぶことができた。
今の私は、それなりに楽しく働いている。この仕事は私にあっている。これでよかったと思える未来を作りたい。

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