【第一回】『もこもこもこ』
作 谷川俊太郎 絵 元永定正
【どんな絵本なの?】
谷川俊太郎さんという詩人さんによって書かれている絵本で言葉遊びがメインの絵本になっています。
文章は、すべてのページで「しーん」「もこ」や「ぎらぎら」等の擬態語や擬音語だけで書かれてます。
始めのページは、青い空と紫色の大地の様なものだけ書かれています。
次のページで紫色の一部が少し盛り上がり、その次のページではさらに盛り上ります。その隣にも「にょき」ともうひとつ小さな何かが現れます。
どちらもどんどん大きくなっていきますが、やがて大きな方が小さな方を食べてしまいます。食べると今度は大きな方から「つん」と赤くて小さな丸いものが出てきます。
赤くて小さな丸いものは「ぽろり」と落ちて・・・
膨らんで、弾けて、漂って、無くなって「しーん」となって終わります。
これだけでどんな絵本かわからないのが正直なところだと思います。詩人の谷川俊太郎・作 画家の元永定正・絵の絵本です。
【この絵本何がそんなにいいの?】
何を表しているのかわからないこの絵本。
私も実習や保育で何回も読みましたがはじめのうちは全く
なんでこんなに選ばれるのか?
読まれているのかわからなかったのが正直な感想でした。
この絵本には可愛らしいキャラクターや動物は出てこないし
話も何を伝えたいのかわからない・・・
ただただ得体の知れないものが出てきて、大きくなったり、落ちたり、膨らんだりするお話なんです。
でも、子供たちはとにかく夢中になって読んでいました!
今ではこの絵本が愛される理由が、私自身もよくわかりました。
この絵本には『子供が好きな言葉と絵が詰まっている』のです。
言葉に抑揚をつけて読むと、子供達もニコニコ笑顔で夢中になって見てくれますよ♪
【この絵本は何歳から楽しめる?】
この絵本はまだ言葉の出ていない、赤ちゃんから楽しく読めます!!
文字の読めるようになったお姉さん・お兄さんも、文字を読む練習としても
擬音語・擬態語を楽しみながら文字に楽しそうに見ているので、わりと長く楽しめる絵本だと思います。
兄妹児であれば上の子が下の子に読み聞かせしてあげるのにも、一文が短く言葉遊びしながら楽しんで読むことができるのでぴったりのいい絵本だと思います。
【どんな場面で読むといい?】
始めは、膝に乗せてゆっくりと見せてあげます。最初の時はお子さんの反応を見ながら文字通りに読まなくても指さししたものを言葉にしてあげるだけでもいいかもしれません。
だんだん慣れてきたらお気に入りのページだけ文字を抑揚をつけたり、声を大きくしたり小さくしたり、リズムを楽しんだりと少しづつ絵本になれていくといいかもしれません。
お子さんの興味に合わせて、絵をゆっくり眺めたり、早くページをめくったり、お子さんのペースで読んであげると効果的です。
また、最後に「しーん」と終わるので、寝る前の読み聞かせや、少し落ち着かせたい時にもおすすめです。
【最後に】
この絵本には子供が夢中になる言葉の響きと、絵の魅力が詰まっています。
絵を描かれた元永さんの絵は、独特な絵で、子供達の目を釘付けにします。
また、「もこもこ」「ぷうっ」「ぎらぎら」など、子ども達が言いたくなるような言葉が並んでいるので、大きな声で嬉しそうに「もこもこ〜♪」と言って楽しんでいます。
リズムを楽しみながら言葉遊び・リズム遊びができるのも魅力かもしれません。
親子で楽しい時間を過ごせる絵本の時間をより豊かなものにしてくれると思います。
ぜひ一度読んでみてください♪
赤ちゃんのいるご家庭にプレゼントしても喜ばれるかと思います。
最近twitterでもこんな投稿があり話題にもなっています♪
スタエフでも発信中 『いちごランド~絵本のおはなし~』
#1 絵本のおはなし『もこもこもこ』
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