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ルピナス探偵団の当惑 津原泰水

津原泰水氏が津原やすみ名義で書いたティーンズ向け小説の加筆版。
主人公、高校生の吾魚彩子は、刑事で姉の不二子に巻き込まれて事件の解決に乗り出す。高校生4人(彩子とその友人のキリエと摩耶に彩子の憧れの人の祀島)が探偵団です。
元々、ティーンズ向けということで登場人物がコメディタッチのドタバタ要素が多いですが、本筋はしっかりとしたミステリー仕立てになっています。
元の作品はもう少し軽いのかな…読み比べも面白いかもしれません。

以下、ネタバレも含む



第1話 冷えたピザはいかが
犯人は早い段階で判明するのですが、1日前の冷えたピザがなぜか消えているか…という謎解きがメインになります。
この話の探偵役は彩子になるのですが、元々は事件概要から直感的な閃きで事件解決ができるという特殊な才能を見込まれ、姉の上司の庚午に頼み込まれ事件解決に乗り出します。

第2話 ようこそ雪の館へ
雪の中の一軒家にたまたま道に迷っていろいろあって一晩泊ることになったら偶然、殺人事件に遭遇した話です。(非常によくあるシチュエーションのような…(笑))そして、被害者の残したダイイングメッセージから犯人を推理する…王道ですね。
この話から探偵役は祀島になります。一緒に出かけることになる過程がかなり無理くりなのでそれもあるあるなのかな…。
最後は、ダイイングメッセージの真の意味も分かり、犯人後悔…のパターンで終わります。(最後まで、王道です。)

第3話 大女優の右手(書き下ろし)
舞台で、亡くなった女優の遺体が行方不明に、見つかった女優の遺体には右手が無かったそれは何故か…というお話。
犯行方法は何とも大胆で、イヤーさすがに見てる人がいるんじゃないのかな…という感想を持ちました。(意外性をついていて面白いですが…。)
それより、事件の真相の方が興味深い…。さすが、書き下ろしのお話です。(ドタバタもありましたが…。)


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