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【ワートリ考察】うそつきブロッコリーのレシピ



※この記事は、以前別媒体で記載していた考察の改訂版です。

水上敏志のパーソナリティ

水上敏志は、MBTIパーソナリティではINTJ-Aタイプに該当すると考えられる。

PsychReel(2022)を参考にし、INTJ-Aタイプの特徴を以下に分類した。

①客観的・合理的
・合理的な世界観を持ち、自分の感情にあまり頼らない
・広い視野を持つ
・複数の課題に対処し、変化する状況に適応するために異なる戦略を使用できる
・未来について考え、人生がどのようにあるべきについてのビジョンを持つ
・理論的・抽象的な概念が好き

②孤独を好む
・秩序を好まない
・1人でいることを好む

③自分への信頼
・信念や論理への信頼があり、自信に満ち溢れている

④のんびりした一面
・ストレスを感じにくく、変化する状況に順応していくため、周りにはのんびり屋・無関心な人と思われがち
・安定性を好む

⑤親しい人への信頼
・親しい間柄の人であれば人の感情に配慮し、人間関係を成功させるために彼らとの時間やエネルギーを使う(親しい家族や友人とだけ時間を使うことを好む)
・誠実で自信のある人や、自分の興味を共有し、コミュニケーションを取れる人が好き

⑥親しい人以外に対しては冷たく、対立しがち
・他人について過度に分析的で批判的になる
・鈍感、無頓着と思われがち
・他人の意見を気にしない

(参考 https://psychreel.com/intj-a-personality/)

 全てとは言わないが、これらの特徴が水上敏志につながるということは、読者は理解していただけるのではないかと思う。

 端的にまとめれば、「水上敏志は客観的・合理的だがのんびり屋の一面をもち、他人に対して冷たい部分があるが親しい人は大切にする人間である」ということだ。

 その点を鑑みれば、水上は生駒隊に対してポジティブな感情を持っており、仲間を大事に思っているだろうと考えられる。漫画第215話(「ほな よろしくお願いします」)で彼にドン引きしたのは私も同じであるが、彼は単なる冷酷人間ではないのだ。

水上と嘘

 最初に明言しておくと、嘘をつくこと自体が悪いわけではない。

 そうでないと水上の「地味に高等技術」な戦法は機能しないし、出水の「なんちゃって」や千佳のワイヤーのブラフ(第155話・ぴょんと飛び越えるやつ)もダメなことになる。ましてや修は最終戦で嘘をついて勝っている(第195話・「追尾性能を切った追尾弾」)。

 というかそもそも、試験で与えられた内容を編集できるようにしているのは、「嘘ついてもいいよ」と運営側が言っているようなものである。水上の行動は想定内の可能性だってあるのだ。

 遊真のサイドエフェクトにより嘘をつくことに対して若干後ろめたいイメージを持ってしまいがちだが、この場で水上がつく嘘を断罪したいわけではないということをご理解いただきたい。

 水上が嘘をつくようになったのは、「彼の能力の高さ」が背景にあると考えられる。

 INTJタイプは全人口の1~4パーセントと言われており、非常に少数である。しかも、彼の能力は言わずもがな高く、幼い頃から称賛されてきたのは間違いないだろう。

 しかし、親しくない存在に対して批判的な一面を持つ彼は、それらをあまり喜ばなかった。それゆえに、賞賛者をあしらうための手段として、嘘をつくようになったと考えることができる。例えば、自分のテストの点数を友達に対し過少申告する、といったことである。

 水上の嘘は、自分のペースを守るための鎧であり仮面なのだ。

 (見栄張りのためでなく、自分を凡人に見せるための嘘という部分が既に非凡ではあるのだが、この嘘に読者はだまされていたとも言えるだろう)


回避思考の常態化

 少しうがった見方になるかもしれないが、水上は親しい人以外をある意味恐れて嘘をつき続け、「うそつき」が常態化したのではないだろうか。

「嘘」という仮面は水上のペースを守ることに貢献したが、その分自分に頼るところが大きくなり、「自分への信頼>親しくない他人への信頼」という状態で固定化する。

「楽できるから」という理由で優秀な人材を選んでいるのは、実際その通りではあるのだが、言い換えれば相手が自分にとって面倒な存在になること、ある意味脅威となることを恐れ、回避しているように思える。

「いい子」「真面目な人」は自立しており、他人に対して変な干渉をしないため、水上には都合がいい。

 そして問題なのが、そういう風に他人を回避しても、自分の力でどうにかできてしまうことなのである。彼の器用さが、彼が変化する上での阻害要因になっているのだ。

その点において、生駒隊はカオスなようでいて実は整然とした隊である。

 性格や戦いにおけるポジションにおいてきちんと役割分担が行われており、調和している。すなわち、わちゃわちゃしているようでそれぞれの境界線は存在しているのだ。


水上と将棋と生駒隊

 タイミングは不明だが水上は将棋と出会う。客観的・合理的で、広い視野を持ち、1人を好む水上には最適のものである。そこで彼はめきめき実力を伸ばしていく。ある意味、将棋が親しい存在となったといえよう。

 しかし、彼は将棋でプロを目指すことをやめてしまう。

 原因は不明であるが、少なくとも、好きなものに挙げていることや、(東さんなどの怪物がひしめく)ボーダーで最強の実力を今も誇っていることから、将棋を嫌いになったわけではないだろう。将棋について詳しくないが、ある程度修練していなければ実力は落ちると思われる。

 さて、可能性として以下を考える。

①才能の壁を感じた
ワートリ世界の偏差値は高いため、水上以上のバケモノに出会った可能性はある。彼の兄かもしれない。
とはいえ、彼は予想外の展開には人並みの反応を見せるため、そういった戦法をしかけてくる格上に出会ったのかもしれない(第157話で遊真と戦った際の、ブロック直撃→鉛弾→王子の奇襲 はさすがに動揺していた模様) 。

(※222話で、能力の高さにもかかわらず自身を「愚者」と言い切っているため、①の可能性が高いようにも思う。)

②将棋<ボーダーになった
水上の中で比重を置く対象が移ったということ。スカウトの経緯を知りたい。ボーダー入隊→生駒隊メンバーと出会う なのか、スカウトで知り合う→生駒隊結成 なのかが気になるところ。それによって根拠が全く異なってくる可能性がある。


③関係者の死
祖父母や将棋の師匠など。それによって勢いをそがれた感じになったという説。根拠はない。


④金銭関係
上京してボーダーに行く上で必要となるお金を出すのはそれなりに大変な気がするため、家の金銭状況が理由でプロ志望を断念した可能性は低い。そもそも水上はバイトをやっているのだろうか?

※将棋をやめたタイミングは、おそらく高校入学前。
上京していることを考慮すると、なんらかの理由でプロを諦める→ボーダーのスカウト→中学卒業・上京→高校入学→ボーダー入隊(内容は前後する可能性あり)がベターか。そうすると、入隊は2、3年前か。スカウトされた鈴鳴第一が2~1年前辺りに固まっているため、その辺もありうるかもしれない。

 公式で過去を公開してきたら、私は泣く。 


最後に

 水上は客観的・合理的だがのんびり屋の一面も持ち、親しい人には親切だが親しくない人には批判的になる性格タイプに属すると考えられる。それを元に彼が嘘をつく理由や将棋をやめた理由を考察した。

 ボーダーに入ってからの水上の特徴として、基本的に隊の中で嘘をついていないということがある。すなわち、水上にとって生駒隊は「親しい」の範疇に入っているため、自分を過小評価させるために嘘をつく必要がないのだ。

「アステ……ロイド!!」は戦術の一環であるし、生駒隊の中で嘘をつくにしても、それはコミュニケーションの1つだろう。

 彼が今後どんな行動をとるのか、楽しみでならない。





 






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