見出し画像

Ichica Story #3話 【SNSと学生時代:中編】

「始めての喪失」

中学生にして、初めて、人を失うということを経験した。

当時の自分には受け止めきれなかったということだけ覚えている。

少しだけ色鮮やかに感じていた人生も、あっという間にモノクロになった、
同時に、家庭環境も、いじめも、どんどん悪化していった。

それまで、学業でそれなり良い成績を収めていたのは、
両親に振り向いて欲しかったから。

どれだけ、物理的にも、精神的にいじめられても、
頑張ってコミュニケーションしていたのは、
いつか仲良く慣れるって信じてたから。

けれど、全てがどうでも良くなった。

それから、それなりに優秀な成績を収めていた私は、
周りの人たちに変化を、気づかれないように、
本当の心と違う行動を続けた結果、

「自分の中で影が生まれた」

まだ小さな影だったけれど

夜は悪夢にうなされて、
つらいことがあった時には真っ黒い感情が溢れ出て、それで
人に当たるのが絶対に許せなくて、気がつけば壁が血だらけになっていた。

「高校生」

つらい状況でも、受験勉強をし続けて高校に進学した。
高校になってからそれなりに、友達みたいなものができた。
けれど、仲良くなって私の胸の内を開けるとみんな去っていく。

それぐらい私の闇は深かったし、
私を引き上げてくれるほどの人には出会えなかった。
そんな中で唯一、私の心の闇を知った上で仲良くしてくれる人に出会えた。

その人とは血のつながりはなかったけれど、毎日のように一緒にゲームなど
遊んで、たわいもない話で盛り上がった、本当の兄のように私は慕っていた

けれど、ある日突然、そんな大切な人の友人から連絡が来る
友人「〇〇さんと連絡とれないんだけど、いちかさん知ってる?」

「一通のLINE」

その前の晩に一通のLINEが来ていたのをふと思い出した

それは、「一緒にいた時間、本当に楽しかったよ、ずっと幸せでいてね」
というような内容だった。

そのメッセージが来た瞬間は、何か新しい出発かと思い、想いを込めて返信した、けれどその返信が帰ってくることはなかった。

彼は自殺したのでした

SNSと学生時代:後編に続く


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?