いちばんやさしいマーケティング/ターゲティング以上にセグメント

いちばんやさしいマーケティングでは、
「ターゲティング」以上に「セグメント」も優しく丁寧に扱うことが大事。

マーケティングに欠かせない「ターゲティング」。そして大事な「セグメント」。いずれも、よく知られている用語ですが、マーケティング戦略上ちゃんと使えているかというと、そうでないことも多いように思います。
セグメントは「市場を細分化すること」、
ターゲティングは「セグメントの中から狙う顧客(市場)を選ぶこと」

といったものですが、意味は分かっていても、実際にターゲティングをしようと思うと、「セグメントを一足飛びにしてしまう」ことも多いのではないでしょうか。

【こんな人に読んでもらいたい】
・「勝つマーケティング」を考えたい人
・ターゲティングはしてるけどセグメントは行っていない人
・セグメントとターゲティングの違いがよくわからない人

【目指したいこと】
・マーケティング戦略上、セグメントの設定を丁寧に行うこと
・セグメント時に、市場規模を明らかにする、施策後の反応を測定する指標を想定しておくこと

1)大事なのはターゲティング前のセグメントです

マーケティングは、「顧客に価値を提供して対価を得ること」です。
セグメントとターゲティングはこのマーケティングの「顧客」を選ぶ過程となります。
顧客を選ぶには、どのような顧客が自社の提供する価値に、「対価を支払うほどの価値を感じてくれるか?」を考えます。この、「対価を支払うほどの」の部分が重要です。自社の商品を「買いたいと思えるか」「どんなニーズがあるのか」「そもそも必要か」といった点を冷静に、客観的に判断することで、セグメント(細分化)の必要性が明らかになってきます
外食店では「地域」といったセグメントが必要になります。高額な品、高級品では「収入」といったセグメントが必要になるかもしれません。価格重視、保守的、アウトドア派など「様々な価値観」の違いによって購入の有無が決まるような商品もあるかもしれません。
この商品を買ってくれる人は(または自社の顧客は)他の商品を買う人と違って、「ここで線引きしたこっち側の人たちだ」と区別することがセグメントでいう「細分化」であり「線引き」であると考えます。なので、その線の外側の人たちは「顧客にならない」「なりそうにない」「なってもらわなくて構わない」人達だと割り切ることも重要です。
「セグメント」は顧客とそうでない人との間に線を引くこと(「セ」グメ「ン」トだけに!)。このセグメントがあってこそ、次のターゲティングについて考えることができます。また、決めたターゲットで成果が出なかった場合は、再度セグメントに戻り、他のターゲットの可能性を考える、「立ち戻る場」としても大変重要です。

2)セグメント時に施策後の反応を測定する指標を用意する

もうひとつ大事なのが、「施策後の反応の測定」です。
マーケティングは「計画的に目標をもって」すすめることであるため、計測できることが大事です。セグメントを行う上でもその線引きにより定めた市場は、その規模を測定(想定)できるか?検討することが必要です。「地理」でも「年齢・性別」でも、その市場を線引きした時に、規模やシェアが想定できるものであるかどうか、も考えておきたいところです。例えばタバコを吸う人と吸わない人を線引きするのであれば一般的なオープンデーターを探せば喫煙者の経年変化を追うデータがありそうです。犬が好きな人、そうでない人といった線引きが必要であればそのためのアンケートをとる必要があるかもしれません。大きい市場を狙うかニッチな市場を狙うか?いずれにせよ線引きをする際から、その市場を数値で表現できるかといった視点が大切です。

こうして、セグメントが数値で認識できていると、(自社の商品価値と対象者を冷静に判断できていると)自ずとターゲットは見えてきますし、迷う場合でも、複数人で論理的な議論を行うことができます
万が一、ターゲット戦略が失敗した時も、ターゲットの拡大やさらなる絞り込み、思い切ってターゲットを変更することができたり、個人の判断ではなく、チームで同じデータを見ながら、次の手はどううつか、議論、相談、判断ができるようになると考えます。


セグメントとターゲティングの位置づけ

3)ターゲティングの方法について

では、セグメントを決めた後は、どのようにターゲットを絞り込めば良いでしょうか。
様々な方法がありますが、いくつかの定説をあげてみます。(6Rというフレームがあるようなのでそれに当てはめて掲載します)

Rank(顧客の優先順位)どのユーザーにとって優先順位が高そうか、興味をもってもらえそうか、
(ターゲットを想定した上で)そのユーザーにとって優先順位は高いか?

Realistic Scale(市場規模)どの市場の規模が大きいか、もしくはニッチな市場をあえて狙うか
(ターゲットを想定した上で)その市場規模は大きいか、もしくはニッチで強固か?

Reach(到達可能性)どのユーザーに到達可能か
(ターゲットを想定した上で)そのユーザーに届けられるか

Rate of growth(成長性)市場の成長率はどうか、伸びているか、期待できるか
(ターゲットを想定した上で)その市場は成長しているか、しそうか、

Rival(競合状況)競合環境は厳しくないか
(ターゲットを想定した上で)その市場の競合には勝てる余地があるか

・ Response(反応の測定可能性)効果測定が可能か
(ターゲットを想定した上で)効果測定はどのように行うか、可能か

もっと他に、こういった顧客層に是非とも使ってもらいたい、という思いがあれば、主観的な基準を追加しても構わないと私は考えます。

最後にもう一度。
・セグメントの設定を丁寧に行うことは、マーケティング戦略上とても重要
・セグメント時に市場規模を明確にし、施策後の反応を測定する指標を想定しておく
・ターゲットの設定は実現可能性と市場の追い風を感じられるか、を念頭におく

ぜひ、これからのセグメントとターゲティングに活用ください!

「いちばんやさしいマーケティング」の次回は「インサイト」です!

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