ウクライナ 2月23日から28日のサイバーの規制と応酬

Tow Center for Digital Journalismが公開しているRussia/Ukraine War: A Platforms & Publishers Timeline(https://datawrapper.dwcdn.net/dSP5x/47/)から見た侵攻から数日間の応酬です。
2月28日まではかなり一方的に欧米がロシアに規制などを課し、その後、ロシアも規制で応酬しています。ここに書いたのは、ロシアの反撃の前までの動きです。注目すべきはアメリカ主導っぽい感じがするとこです。

・23日以前

1月15日マイクロソフトがウクライナでマルウェアを発見し、その後他のベンダが次々とウクライナでマルウェアを発見している。2月23日には正体不明の攻撃者がウクライナのViter TVを攻撃。

・2月24日

ロシアの動き
ロシアからウクライナのChannel5への攻撃が確認された。
ロシアがウクライナのインターネットプロバイダViasatとTriolanをサイバー攻撃し、2社で障害が発生。
ロシアの検察庁がロシアの大手ネットサービスVKにあるMeduzaのページを禁止。

ウクライナ、欧米の動き
フェイスブックとインスタグラムが2019年以降禁止していたウクライナのアゾフ大隊に関する投稿をロシアと戦う範囲という条件付きで認めた。同社の内部文書を入手したThe Intercept_の記事によれば、アゾフ大隊はネオナチであるため、危険な個人・団体と指定されていた。同社はThe Interceptに対して内部文書の内容は認めたが、質問には一切答えなかった。新しいルールでも許されない投稿として2つ例があげられていた。「ゲッペルス、総統、アゾフ、すべて国家的犠牲と英雄主義の偉大なモデルである」、「ウクライナとその白人民族主義の遺産を守るためにアゾフはよくやった」。
EUがロシアのメディア関係者に制裁。News Frontの運営者、RTの責任者、Russia-1とRussia24のプレゼンター、ロシアのネット世論操作組織IRAが対象。
アメリカがロシアへソフトウェアや技術、部品の提供を制限。

・25日

ロシアの動き
ロシアの検閲当局が、フェイスブックへのアクセスを制限。
ロシアの検閲当局が、Gazeta.ru、Lenta.ru、TV Zvezda、RIA Novostiのファクトチェックを止めるよう要請。
ロシアがフェイスブックを

ウクライナ、欧米の動き
ウクライナがアップルにロシアのアップルストアをブロックするように要請。
ツイッターがウクライナとロシアで広告を停止。
フェイスブックがロシアの国営メディアの広告を禁止。

・26日

ロシアの動き
すべてのメディアに対し、「war」、「invasion」、「assault」という言葉の使用を禁止する新しい規制。
ツイッターをブロックする。

ウクライナ、欧米の動き
アメリカサンフランシスコのPremise Data Corpがウクライナで位置情報を特定するために悪用される危険があるため、同社のモバイルアプリサービスを中止。
アメリカのRokuがチャンネルストアからRTを削除。
グーグルがロシア国営メディアの広告を禁止。
YouTubeがRTおよび他のウクライナのチャンネルへのアクセスを政府からの要請で制限
YouTubeがロシア国営メディアへの広告掲載を停止。
YouTubeがロシア国営メディアのレコメンデーションを制限。
フェイスブックがフェイクニュース拡散への対処を強化。
フェイスブックがロシア国営メディアからの広告掲載を停止。
アメリカがVKのCEOに制裁措置。
ウクライナの副首相が、IT軍(IT Army)を設置し、参加を呼びかける。
ウクライナのIT軍がロシアの公式サイトにDDoS攻撃を仕掛ける。

・27日

ロシアの動き
なし

ウクライナ、欧米の動き
スターリンクがウクライナにインターネットサービスを提供。
楽天がメッセージングサービスViberの広告をロシアとウクライナから削除。
Telegramがチャンネルをブロックすることはないと発言。
Telegramが状況によってはいくつかのチャンネルで一部もしくは全部のサービスを停止する可能性に言及。
グーグルがストアからRTのアプリを削除。
グーグルがマップからウクライナのライブの混雑状況情報を停止。
ウクライナ政府の要請により、フェイスブックがロシア国営メディアへのアクセスを禁止。
ウクライナ政府の要請により、インスタグラムがロシア国営メディアへのアクセスを禁止。
フェイスブックがGhostwriteによる攻撃への対策を強化。
フェイスブックがウクライナに対してネット世論操作攻撃を仕掛けていたロシアとウクライナのアカウントを停止。
TikTokがEU全域からスプートニクへのアクセスを禁止。
TikTokがEU全域からRTへのアクセスを禁止。
フェイスブックがEU全域からスプートニクへのアクセスを禁止。
フェイスブックがEU全域からRTへのアクセスを禁止。
EUがスプートニクに制裁措置。
EUがRTと各国語版に制裁措置。

・28日

ロシアの動き
なし

ウクライナ、欧米の動き

インスタグラムがダイレクトメッセージにエンドツーエンド暗号化を実装。
マイクロソフトが新しいマルウェアを発見。
Redditがロシア関聯のsubreddit2つを誤情報を理由に停止。
エストニア、リトアニア、ラトビア、ポーランドの首相がビッグテックに公開文書を送る。内容は「侵略戦争、戦争犯罪、人道に対する罪の否定、美化、正当化に関わるアカウントを積極的に停止する」、「 ロシアとベラルーシの政府機関の公式アカウント、国営メディア、およびウクライナ情勢に関する偽情報を一貫して発信しているこれらの国の指導者とその側近の個人アカウントを停止する」、「ロシア国営メディアに対していくつかの国の規制当局が導入した制限を遵守し、これらの制限を回避するために彼らが貴社のサービスを使用するのを阻止する」、「現地のファクトチェック・イニシアチブと連携し、特にロシア語とウクライナ語のコンテンツ監視を強化し、真偽不明の行動、違法コンテンツ、偽情報に迅速に対応できるボランティアを見つける」、「ウクライナ戦争に関する信頼できる情報をユーザーが見つけやすくし、偽情報にさらされたユーザーに情報を提供するために、検索・推薦アルゴリズムの調整を含む対策を直ちに講じる」、「ロシア政府およびベラルーシ政府が管理する偽情報の提供者であるすべてのアカウントを完全かつ即座に停止する」、「ロシア市民、市民社会、独立メディアのために、ロシア領土であなたのプラットフォームへのアクセスを検閲または制限するロシア政府からの圧力に抵抗する」
ツイッターがウクライナをターゲットにしたネット世論操作アカウントを凍結。
ツイッターがロシア国営メディアが検索結果やリコメンドに出ないようにする。
ツイッターがロシア国営メディアへのリンクにラベルをつける。
ロシアの検閲当局がグーグルにウクライナの負傷者についての不正確な広告を掲載しないよう要請。
ロシアの検閲当局がTikTokに軍や政治のコンテンツを未成年にリコメンドしないよう要請。
Netflixがロシアのチャンネルを加えないことを決定。
マイクロソフトがBingからRTとスプートニクの広告を排除。
マイクロソフトがRTとスプートニクのBingランクを下げる。
マイクロソフトがストアからRTのアプリを削除。
マイクロソフトがMSN.comでRTとスプートニクを表示しないようにする。
イギリスの情報通信庁がRTに関する調査を開始。
Russia Beyondがフェイスブック、インスタグラム、ツイッターの更新を停止。
ウクライナのIT軍がロシアの証券取引所に対してDDoS攻撃を仕掛ける。

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