フェイスブックやツイッターが進む「真実の裁定者」の道

すでに他の記事でツイッター(https://note.com/ichi_twnovel/n/nec486b95938d)フェイスブック(https://note.com/ichi_twnovel/n/n83cf094d2041)「真実の裁定者」になろうとしていることを書いた。ここでは、その問題点を整理しておきたい。

まず、ご紹介したいのがPoynterの「Without methodology or transparency, Facebook and Twitter become the ‘arbiters of the truth’」(Poynter、2020年10月15日、https://www.poynter.org/fact-checking/2020/without-methodology-or-transparency-facebook-and-twitter-become-the-arbiters-of-the-truth/)だ。この記事は、「真実の裁定者」になろうとしているフェイスブックとツイッターの問題点を整理している。ファクトチェックに必要不可欠なものとして下記をあげている。
・確立された方法論に従い、可能な限り公共のデータベースやオリジナルのソースに依拠する
・不公平や偏りが生じないように充分な時間をかける
・上記の内容を外部に対して公開する透明性の維持

そして、フェイスブックとツイッターにはこれらが欠けており、致命的であるとしている。フェイスブックに関しては、以前の記事で透明性の欠如と判断の偏りはすでに明らかだった。この記事ではフェイスブックがパートナーであり、その原則に則ってファクトチェックしているIFCNにすら知らせず、独自の判断でコンテンツの配信を制限していたことが紹介されている。ファクトチェックの軽視は明らかだ。
ツイッターに関しては、New York Postに掲載された民主党のジョー・バイデン候補とウクライナのエネルギー会社ブリズマとのビジネス上の関係についての記事をなんの説明もなく、そのURLを含んだ投稿をできないようにしていたことが問題とされた。ツイッターに関しては、アカウントの凍結の理由が明示されないことが少なくなく、日本でも問題となっている。
フェイスブックとツイッターは方法論も透明性もない「真実の裁定者」になろうとしており、それは単なる独裁者にすぎない。

ファクトチェックを取り巻く課題についてはこちらのマガジンをご覧ください。


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