見出し画像

衣装制作の話。

学生時代、裁縫には興味がない人間だった。
どちらかというと、料理に興味があり、小学生のクラブ活動は「料理手芸クラブ」に参加する。

料理と手芸交互にやるスタイルで、当時の自分は手芸時間が苦痛で仕方がなかった。
針に糸を通すことで眉間に皺が寄る。
目が痛い。針が指に刺さる。痛い。痛すぎる。

手芸セットを購入出来る学年ではなかったので、親に頼んで一式借りで作った手芸小物はあーあ、酷い有様だ!!!見せるモノではない!!!
最悪な時間だった。

そんな自分が何故衣装を作るようになったのか。


当時好きだった漫画作品の舞台作品(今で言う2.5次元作品)と出会う。

「私もやりたい!」一心で劇団へ所属し、その作品のコスプレパフォーマンスをすることとなる。

さて、衣装を用意しなければならない。
素人が衣装を作る。
型紙とは?うん、ちょっとよく分からない。
メンバーと一緒に蒲田にある手芸屋さんへ行く。
舞台衣装なので材料全て高校生の私にはべらぼうに高い高い。見よう見まねで作る。
母親が使っていたミシンを借りる。
作る。ひたすら作る。

劇団の本公演でも衣装が必要。
何を用意すれば良いか、明確な指示がない漠然とした環境下。「これが劇団なんだー。」っと当時10代のおバカな私は、とりあえずミシンと友達になっていた。

20代の頃の自分は猪突猛進で、好きな作品のコスプレがしたい!併せしよう!踊っちゃおう!歌っちゃおう!パフォーマンスしよう!
自分の団体の舞台公演の衣装も必要だ!
作るぞぉおおおおお!!!

「やりたいことをやり遂げるため」に衣装を沢山作るようになり、必然的に衣装制作の知識が増える。独学。世の中に型紙本や教科書などがなかったら、やる気だけでは詰んでいただろう。


あんなに興味がなかった裁縫。
「やりたいことをやり遂げるため」に続けた。

今では作品作りにおいて必要不可欠な存在であり、自身の価値の一つであるには間違いない。

学校へ行けばよかったと悔やんだ時期もあったので、いつか機会があればと、この感情は忘れない。


そんなこんなで、ありがたいことに「いちまつ=裁縫できる人」として認識され、お仕事も頂けることになりました。

裁縫を始めて17年が経ち…。
最近の話。「衣装を作る」ことが好きなんだと改めて実感したんだよね。

私の人生において「作品」はかけがえのない存在であり、衣装制作も「作品作り」の一つである。

それを続けてきたい欲がある。


衣装も作品の一部。

ただ「着飾るための道具」ではなく、「その作品の世界観を表現する上で必要な情報」だと思っていまして、またコスプレも同じく、その作品に敬意や感謝を込めて、大切にしたい。

クオリティーに関しては、その時最大級の力を込めて制作しているので、「衣装下手」と感じたら、自分の力不足なので、日々勉強。


今後も機会があれば、お仕事で衣装制作を続けていきたいと思っているので、宜しければ・・・お仕事ください。

まっています。

チクチク本舗を宜しくお願い致します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?