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フィンランド演奏旅④

モーイ!!(フィンランド語の挨拶)

電話でもしもし〜の場面で、モイモイ〜て本当に使います。in Finland.

緊張感のあった前日に比べて比較的のんびり落ち着いて過ごせた朝。

時差ボケもあり現地時間6:00には身支度も完了し散歩へ。

パーティー会場への道のり

部屋から出て外に出た瞬間、清々しさが強烈で過去にあった嫌な事の幾つかは記憶の彼方へ飛んでいった。

少し湿っけのある土の匂いがして、朝陽が水分を得た葉を照らす。更に僕の知らない世界へと誘う。

フィンランドの画家
アルベルト・エデルフェルトの作品


散策すると至る所に絵画が飾られる。昨日のパーティー会場にあった作品と同じ作者らしい。
こちらもフィンランドの有名画家「アルベルト・エデルフェルト」のモノのようだ。

サウナに入った後はこの水海(海の湖)に皆な、飛び込んだ様子の作品等もあり、ストーリーを一見出来た。

何かを撮ろうと思わなくても押せばこの景色

さあ、今日は後数名のプロミュージシャンが合流すると言う事で背筋が伸びるが、もういい意味で慣れてきた。
関西弁混じりの拙い英語でいくしかない。
腹をくくると急にお腹も空いてきた。
さあ、朝食へ!!

ホテル内の1つのレストラン

こちらのホテルにはいくつかレストランがある。正直に言うと、とっても美味しいが毎日メニューが同じだった。

朝のシャンパンも気持ちよかった

レストランの開始時刻に合わせて散歩を済ませたので7:00から早速シャンパン(当然サービス。ラッキー。)を選ばせてもらった。
それはそれはこの空間ですから。
少しの緊張感を残しつつ、チルタイム。
パーティーは16:00から。

マカロンやスイーツ、ヨーグルトにフルーツ。
サーモン、ニシンの酢漬け、パン、卵、ウインナー、、、
美しくビュッフェに盛られている。

すれ違う人と一言だけ会話したり。
朝シャンが効いたおかげで解放的になれた。
知らない間に知ってる英単語を並べてる内に眉間の皺がなくなった気がした。

朝食後散歩しても朝


時差ボケを味方につけながら楽しんだ。
さあ、ココからはL.AからシンガーのAlisiaや他にも色んなプロミュージシャンがやって来る。
L.Aの彼女とは僕が作った曲を歌ってもらった経緯がある。
声だけ知っている。


さあ、今日を無事クリア出来れば後は気が楽になる。1番のハードルは『言語』だ。この時に必ず日本に帰ったら語学を習得したいと思った。発音も当たり前に大切だが、とにかく彼らと同じ場所で同じ会話にリアクションしたい、と言う目標を持てた。頭でっかちにならず、恥ずかしがらず。


14:00〜のリハーサルに僕と彼女は時間通りにパーティー会場にいた。
おもむろにピアノを弾いて。
しばらくするとアイコンタクトして。
演奏予定曲
『Lady Gaga/Always Remember Us This Way』や『Can't Help Falling Love』などを演奏した。

やっと一緒に演奏出来たね、そんな喜びを分かち合えたのはこれからの大きな財産になる。



さて、ある程度の準備も出来ていよいよパーティーの始まり。
昨日の前夜祭で話したあの人も、この人もドレスアップしてものすごくカッコいい。

でも大丈夫。僕も準備をしてきた。

灘区は水道筋商店街、チンタのそばのリサイクルショップで掘り出し物を見つけてきたからだ。
袴は履こうと自分の中では決めていて、羽織りが欲しかった。
この2つのアイテムがあればもうキメられる。

生地を合わせたインナーは黒シャツに黒のベスト。コレを見つけるのに苦労した。

日本人だと言う誇り

見事、大成功だった。演奏プログラムは終盤なのだが、それまでにも写真を撮られまくった。

自分を表現するって気持ちいいな、と感じた。
勇気がいい方向に転がった瞬間だった。

プロのフィンランド民謡のバンドの演奏が終わると僕らの出番。

フィンランド、イギリス、アメリカ、南アフリカ、日本の多国籍バンドだ。


初めは僕のピアノ演奏から始まる。

坂本龍一、戦場のメリークリスマス。
この曲のリクエストを受けたからだ。

次世代を担う音楽家と大げさに紹介されて、坂本龍一さんの譜面通りの演奏が出来たと思う。
ドラマチックに弾けた!!
一息ついた時は皆んなが大きな歓声をくれた。

しかし僕の曲だと勘違いしていたそうだ。(大人数がこの曲を知らなくて驚いた)

ココからは多国籍バンドのスタート。
一回しか聴いてないオリジナルを含め8曲。
走り切った。

演奏は本当に上手い


とにかく演奏がしやすい。日本のミュージシャンとの違いの1番はタイムの流れを掴む精度の違いだ。後コーラスも皆んな上手い。僕も歌いやすい。
この渦の中にいても「僕が操縦出来る感覚」があったのは本当に嬉しかった。肌感が合う感じがした。

決まってそう言う演奏の後は凄い歓声が沸く。

こんな充実した気持ちは久しぶりだった。

同時に自分の小ささを痛いほど理解出来て、ストレスが一気になくなった。


僕が弾いてるのはRD300


機材周りは本当に苦労した。ピアノの調律はめちゃくちゃ。エレピもペダルが効かない。
でも、enoughだった。
やはりこのラインのクオリティーを持ったミュージシャンと演奏すると自分が別人になる。


演奏の後も声をたくさん掛けられた。

大きな自信にもなったし、もっと広い世界を知りたいと思えるようになった!
人から聞いたりYouTubeで観たりとは全く違う。
iPhoneで撮ろうとしても見たままが撮れない、って経験ありませんか?


この経験を「今」出来て良かったと思う。
きっと僕は近いうちに海外にまた演奏に行くだろう。その時はもっと皆んなの事を知りたいな。



神戸在住 音楽家 ichiです。普段はサーカスフォーカスと言う音楽グループの1人です。ライブ空間ごと持ち回る音楽サーカスショーを繰り広げていくために目指して日々奮闘中!