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二瓶正之「徹底的にかみくだいた「自己目標管理」ドラッカーが本来伝えたかった目標管理」

・本書は、民間企業、公的サービス機関、大学、各種団体などで、ドラッカー理論をベースに人と組織の成長を目的とする研修・講演を行うドラッカー研究50年の著者が、日本の企業全体の生産性をもっと高みに押し上げるために、ピーター・F・ドラッカーが説いた正しい目標管理の考え方と進め方について徹底的にかみくだいて説明した「誰にでも理解・実践できる内容に仕上げた目標管理の超入門書」である。

・ドラッカーが唱えた目標管理の意味は、「一人ひとりが属する組織の成長に貢献することを通じて個人としての成長につながる価値ある目標を、主体性をもって達成する」ことによって、組織と個人の成長を同時実現するものであった。
・目標管理の本質をよりかみくだいて表現すれば、一人ひとりが「自分の活躍の場を創造し、それを上司がサポートする」ことに核心があるといえる。
・従って、目標管理の本質といえる自己管理は、上位役職者が強制的にノルマを課しそれに基づいて管理するのではなく、あくまでも自らの主体性と自発性に基づいて設定された目標によって自らを管理する。つまり、「セルフコントロールする」という意味が込められているのだ。
・そして、結果の評価についても、あくまでも自らが客観的に視点から自己評価し、次の目標設定につなげることも含まれている。
※ドラッカーが唱えた「自己目標管理の目的」や、「目標が必要な理由」などについての詳細は、本書をお読みください。

・自己目標管理の三つの基本ステップのひとつに「目標設定」があり、これは、三つの基本ステップにおいて最も重要である。
・「目標設定」にどれだけの時間とエネルギーをかけたかで自己目標管理の成否が決まるり
・時間とエネルギーをかけた目標であればあるほど、その目標への思い入れが強くなり、何としても達成したいという意識が生まれるのだ。
※「目標設定」の手順は、
①事前面談
②同僚へのヒアリング
③目標の原案づくり(自己目標管理シートの記入)
④目標設定面談
⑤最終目標設定面談
の5つの段階に大きく分けられるが、その詳細は本書をお読みください。

・目標のつくり方には
①組織目標への貢献から考える
②「どうなりたいか」から考える
③自己の強みから考える
という三つのアプローチがある。
・①は「組織の目標達成に対して最大の貢献につながる目標とは何かを考えて設定する」というものであり、目標づくりの基本中の基本である。
・自己目標管理の出発点は「初めに組織目標ありき」である。この基本は外してはいけないのだ。
・②は「どうなりたいかという理想像と現状との対比によって見いだされたギャップを課題と捉え、その課題をクリアするには何をすればいいか」という観点から目標をつくりだすアプローチである。
・②で重要なのは「現状意識」である。できる限り客観的な視点に立ち、あるがままに現状を見つめ直すことが大切である。
・それと同時に、「どうなりたいか」についてと具体的に理想とする状態を明らかにすることも重要で、目指すべき状態が明確で具体的であるほど達成への意欲と達成確率が高まるのだ。
※③の詳細については、本書をお読みください。

・本書は、「自己目標管理の基礎的理解」「自己目標管理の実践的理解」「人事評価の基本」「セルフマネジメントの基本」「自己目標管理が生まれるまで」という章で構成されており、
◇目標はなぜ必要か
◇自己目標管理シート作成に関わる注意点
◇人事評価者としての心構え
◇業績(成果)評価のポイント
◇ドラッカーのセルフマネジメント論
など、中間管理職に限らず、目標をもって何かを達成したいと考えている人の支えになる「自己目標管理」がわかりやすく解説された内容となっている。

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