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村井真子「職場問題グレーゾーンのトリセツ 「知らなかった」で損をしない、働く人の必携書」

・本書は、現在(2023年5月)の関与先が160社超で、移住・結婚とキャリアを掛け合わせた労働者のウェルビーイング追及をするとともに、労務に関する原稿執筆、企業研修講師、労務顧問として活動する社会保険労務士でキャリアコンサルタントの著者が、
◇法違反だが、業界の慣習や長年の自社の慣例で、会社側が違反だと認識していないもの
◇一般的な感覚では法違反だが、法律上は違反ではないもの
など、ちょっと聞きにくい職場問題の75のモヤモヤ疑問についてのアドバイスが紹介された1冊。

ちょっと聞きにくい75のモヤモヤ疑問(一部)

相談
育児休業を申請したら、自宅から通えない職場に配置すると言われました。

アドバイス
育児・介護休業法違反です。悪質な場合は、社名公表や金銭的ペナルティも行われます。

・育児休業の申請や取得に対して、労働者に「不利益な扱い」をすることは育児・介護休業法で禁止されている。
・不利益な扱いとは、解雇、契約の打ち切り、正社員を非正規にする、というのはもちろんのこと、賞与で必要以上の減額をしたり、昇進させないように扱うことなども含まれる。
・このような場合、まずは社内で人事や担当窓口に相談してみること。それでも状況が改善しないときは、労働局や労働基準監督署に設置されている「総合労働相談コーナー」で相談することを著者はお勧めしている。
※育児・介護休業法の現状についての詳細は、本書をお読みください。

相談
事務職なのに、会社がテレワークを認めないのはどういうとき?

アドバイス
セキュリティ上のリスクなどが考えられます。

・会社がテレワークを導入できるかどうかは職種や仕事の内容によるが、導入されない理由として、
①テレワークができる業務が限られている。
②情報セキュリティの確保が難しい。
③紙の資料が電子化されていない。紙の資料でしか仕事ができない。
が挙げられる。
・相談者の場合、②が当てはまる。自宅や出先のインターネット回線で仕事をすると、セキュリティ上のリスクが高まる。
・フリーWi-Fiは情報漏洩しやすいほか、出先でパソコンを開けば、背後から他者にモニターを覗かれる可能性もある。
・また、自宅のパソコンがウイルスに感染していた場合、気づかないまま会社のネットワークに入り込む恐れもあるので、セキュリティ対策がとれているかは重要なのだ。
※テレワークが認められない場合の理由の詳細については、本書をお読みください。

・本書では、「就業規則・社内ルール」「労働時間と休暇」「ケガ・病気」「ハラスメント・人間関係」「賃金・福利厚生」「異動・退職・キャリア」という章で構成されており、「育児休暇・SNS・服装規定・副業・休日出勤・残業・有給・テレワーク・パワハラ・セクハラ・退職・解雇」など、さまざまなカテゴリーの職場における75のモヤモヤ疑問について、的確なアドバイスを一言で述べ、そのアドバイスの詳細を2ページでわかりやすく解説した内容となっている。また、「奥深き就業規則の世界」「年次有給休暇の付与日数」など職場問題において、知っておいて損はない参考になることやコラムも収録されている。

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