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中澤弘幸「我思 GAON 民が主なる国の帝王学と武士道」

・本書は、公僕(公務員)として行政に参画し、福祉の現場を預かると同時に、煎茶道黄檗売茶流の家元ととして社会貢献をしてきた著者が、権力を持った人が、自分をどう律するか、ということを教えた「帝王学」、戦いを避け、抑止力としての武士の存在を良しとした日本独自の「武士道」、本書の中の四季折々の美しさを表す写真などを通じて、これまでとこれからの日本について示した1冊。

・人にはそれぞれ生きるかたちがあり、人がかたちを極めることによって、それぞれの人としての「生き方」を見つけ、唯一無二の人生を歩むことになるのだ。つまり、「生きるかたち」は皆同じでも、「生き方」はすべて違うということである。
・宇宙のかたち、植物の生きるかたち、人の生きるかたち…これらを通して、物事の不思議や面白さに気付き、考えたり興味を持つことによって、自分の唯一無二の生き方が見えてくる。これを「道の文化」というのだ。

・人は皆、人生の中で幾度かの大切な決断をしなければならない時がある。宗教をもっている人は、その決断の時、心の裏側を支える規範を、宗教に求める。
・もちろん日本人の中にも宗教に規範を置く人はたくさんいると思うが、多くの日本人はその規範を宗教に求めるのではなく、自分の人生の中で培ってきた「美意識」に求める。この人たちのことを「無神論者」というのだ。
・何を美しいと思って生きるかは、ある意味、宗教を超えるもので、社会が何であれ、規範を自分自身の「中」において生き抜くことは、人として最も大切なことだと思う。なぜならば、宗教の中に規範をおいた場合、宗教における解釈が変わった時、自分自身もそれを変えなければならない。
※この続きに、イスラム教の教えや、「人を殺さない理由」についての解釈が書かれているが、詳細は本書をご覧ください。

・本書では、「人と人間のありようのはなし」「社会のありようのはなし」「日本の教育と継承」「未来への提案」という章で構成されており、「神さまの正体」「社会は「差別」で成り立っている」「日本の教育は成功している」「歴史は感染症との歴史」「28歳「成人」説」「ベーシックインカム」など、著者が人と社会のありようについて考えるきっかけになればと執筆した内容が紹介されている。

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