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鳥潟幸志「AIが答えを出せない 問いの設定力 AFTER AI時代の必須スキルを身に付ける」

・本書は、日本最大のビジネススクールや企業研修において思考系、ベンチャー系等のプログラムの講師や、大手企業での新規事業立案を目的としたコンサルティングセッションの講師としてファシリテーションを行う著者が、AIが発展した現代において、「自分らしさ」を再発見するための、「問いの設定力」について解説した1冊。

・著者は、日常業務や担当プロジェクトにおいて、ChatGPTなどの生成AIと深くかかわる中で、いくつかの気づきがあった。その一つは、「生成AIに入力する"問い"の質によって、引き出される回答に大きな違いがある」ということである。
・具体的には、「xxプロジェクトを成功させるためのアイデアとは何か?」という抽象的な問いではなく、「Xというミッションを実現し、目標数値Yを達成するために、最初に考えるべきテーマは何か?」という具合に、詳細な問いを設定することで、より踏み込んだ回答を引き出すことが可能になる。
・著者は、「Xというミッション」や「目標数値Y」という具体的な部分は、人間が生み出す"意思"であり、それが含まれている問いこそが良い問いなのではという仮説を持つ。
・さらに、その意思は結局、本人が持つ価値観や哲学、「自分らしさ」がベースとなって生み出されるものであると考えるに至り、「良い問いを投げかけて、良い答えを引き出し、さらに問いを重ねていくというプロセスは、AIの活用だけではなく普段の実生活でも、そのまま求められる能力」と著者は思っている。
※その他に、著者が「AIに触れて感じた気づき」が2つ紹介されているが、詳細は本書をお読みください。

・著者は、AIに触れて感じた気づきを踏まえて、AI時代に求められる能力として、
⒈問いの設定力
⒉決める力
⒊リーダーシップ
が大切であるという仮説を持つに至った。
・さらに、これら3つの能力の質に大きな影響を与えるものとして、「自分らしさ(≒自身の人生観、哲学、志など)」がより重要と考えている。
・良い問いを生み出すのも、物事を決めるのも、周囲を巻き込むのも、外の世界に一般的な解がありそれを活用するのではなく、本人の内面にある価値観が大きく影響していくと考える。
・そして、この「自分らしさ」を深掘り・結論を導くためには、自身の内面に向けた「問いの設定力」が必要になると考えている。

・私たちを取り巻く環境の変化は早く、その変化の度合いも大きくなっている。その中で、自分らしく生きるためのヒントや答えをもとめつづけることは、大変なこと。
・しかし、生成AIを適切に利用することで、アイデアを無数に生み出すことが可能になる。著者自身もプライベートから仕事に至るまで、多くのアイデアを生成AIと共に考える習慣がある。
・多くの人が生成AIなどのツールを活用することで、類似したアイデアが溢れ、クリエイティビティが相対的に標準化されていく可能性もあると著者は感じている。
・一部の天才や発明家がもたらす強烈なクリエイティビティが、今後も影響を与え続ける一方、これからは、一般のビジネスパーソンがそれぞれの持ち場で発揮するクリエイティビティ(目の前の小さなイノベーション・微細な修正や改善など)こそが重要になっていくのではないかと著者が考えている。
・そして、そのオンリーワンの小さなクリエイティビティ同士が繋がり、組み合わされることで、結果として大きな変化を生み出していくと著者は考える。
・その独自の小さなクリエイティビティのベースには、「自分らしさ」が必要であり、それを深掘りするための「問い」が大切になるのだ。
※「自分らしさとは何か」「どのように問い続ける必要があるか」の詳細は本書をお読みください。

・本書は、「AFTER AI時代に求められる能力」「なぜ『問い』が必要なのか?」「『問いの設定力・決める力』を高める」「『リーダーシップ』を磨く」「『自分らしさ』に沿って生きる力とは?」「『自分らしさ』を再発見する、問いの設定力」という章で構成されており、
◇福沢諭吉、ソクラテスなどの偉人が突き動かした問いとは?
◇筋の良い問いを設定するための5つの視点とは?
◇モノの見方3原則
◇「自分らしさ」が求められる3つの背景
◇現在の自分を再発見する3つのアプローチ
など、AFTER AI時代を自分らしく生きるために必要な「問いの設定力」について解説した内容となっている。

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