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大槻智之「働きやすさこそ最強の成長戦略である」

・本書は、社会保険労務士で、年間の労務相談件数7000件にものぼる著者が、あらゆる業界のあらゆる規模のあらゆる労務トラブル、経営者、人事担当者の悩みに接し、実際に解決してきたなかで知り得た生きた知識を、多くの実例とともに紹介した1冊。

・この数年、日本国内では2020年はじめに新型コロナウイルスが出現したことがきっかけで、多くの会社で在宅勤務を導入した。そして一気にテレワークが普及した。現在は、テレワークをとりやめる企業はもちろんあるが、継続しようとする企業も少なくない。一度、テレワークに慣れてしまうと、まるっきり以前のような内勤体制に完全に考えにくくなるのかもしれない。

テレワークのメリットについて
・企業にとって幅広い人材を確保できるチャンスだということ。ある沖縄の企業は県外から就職する人が増加している可能性があるとのこと。以前は、現地まで面接に受けにいかなくてはならなかったが、オンライン面接になった途端、気軽に面接を受けて合格する人が出てきた。
・これまでは、人材を募集しようと思えば、応募者のエリアは限られていた。それがテレワーク勤務前提となれば、採用する人材をもっと広範なエリアから選べるようになり、さまざまな地域の優秀な人材と出会える可能性が広がったのだ。テレワーク勤務によって、優秀な人材を確保できる企業ほど、さらなる成長が期待できる。
※テレワークのデメリット(といえるまでのほどでもないが)についての著者の見解については本書をご覧ください。

・どんな時代も生き抜く会社にするために取り組むべきこととは、
①労働時間の管理
②多様化の対応
③生産性の向上
が取り上げられている。労働時間を正確に把握し、労使で時間外労働の上限を決めた36協定を理解したうえで、
⑴1日の労働時間の管理
⑵1ヶ月の労働時間の管理
⑶36協定で定める時間外労働の適用回数
を把握し、実行するための手続きをしなくてはならない。さらに、休憩をしっかりとっているのか?代休は消化されているのか?無駄な残業をしていないか?も確認しなくてはならない。これまでは個人に委ねられていたことを確認し、場合によっては指導し、是正していくことになる。

・本書では、「「働きやすさ」は最強にして最高の会社の武器になる」「知らないと危ない!労働基準法の落とし穴」「次々でてくる新・雇用形態(社内フリーランス・ジョブ型雇用・副業)について」「会社の未来を左右するハラスメント対策について」「「社員の幸せと会社の業績予想」を両立させるために大事なこと」という章で構成されており、社員の幸福度と同時に、会社の業績が上がる、という好循環をまわしていくにはどうすればよいかについてのヒントが書かれた内容となっている。

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