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矢萩邦彦編著「中学受験を考えたときに読む本 教育のプロフェッショナルと考える保護者のための「正しい知識とマインドセット」

・本書は、「すべての学習に教養と哲学を」をコンセプトに、多様な現場で授業や講演、研修、監修顧問などを展開し、これからの時代を豊かに生きるための「リベラルアーツ」と「日常と非日常の再編集」をテーマに住まい・学校職場環境・サードプレイス・旅・教育・キャリア・メディアのトータルデザインに取り組んでいる著者が、6名の小学生の教育に関わるプロフェッショナルにインタビューして、中学受験との最適な向き合い方についてどのようにしていけばよいかについてまとめた1冊。

インタビュー〜小川大介氏(教育家・見守る子育て研究所®︎社長)

・小川氏は、受験に耐え得る力をつける学習は3歳から始まると思っている。学ぶことは当然だという価値観を育てたり、できなかったら理由を見つけて、必要な行動を取れば次はできるようになるという確信を持たせたりするなどがある。
・いいところを伸ばせば、いつかは苦手部分も乗り越える力が溜まってくるという感覚を知ったり、鍛えた分は伸びるというアスリート的な価値観を養うなどの土台づくりである。
・カリキュラム的なもので単元をひと通り網羅していって合格する力をつける学習は、4年からの3年間がちょうどいいと小川氏は考えている。

・ゴールにたどり着かせるだけなら別に集団でいいと小川氏は考えている。強制して「決められたものをやりなさい」という単純思考では「潰れる奴が悪い」になってしまうが、実際にはそんなに厳しくしなくても、所詮は中学受験ということもあって、成績も合格もなんとかなるもの。だから、しなくていい苦労とか、しなくていい苦痛とか、しなくていい挫折を味わわせながら、12歳にたどり着かせるという集団受験かプロセスは、不健康だと小川氏は考えている。
・そういう意味では、個々の状態にカスタマイズして、本人がのびのびと自分の力を信用できるように成長させてあげたほうがいいと感じている。
・現状の理想として考えているのは、「大手塾や集団塾に通いながら、個別でサポートすること。今の塾はやらせすぎ、または抱え込みすぎている。集団塾から離れて自分自身に向き合う1時間や、親子で向き合う1時間を取っても、遅くとも9時半か10時には寝られる生活ができればいいのに、という思いが小川氏にある。
※小川氏のインタビューでは、「志望校がなかなか決められないときにどうするか」「予習と復習の扱い方」などが取り上げられているが、詳細は本書をご覧ください。

・本書では、先に紹介した小川大介氏だけでなく、算数プロ家庭教師、中学受験専門のカウンセラー安浪京子氏、探究学舎代表の代表の宝槻泰伸氏など、著者を含む7名の教育者が、「中学受験のメリット・デメリット」「塾や志望校選びのポイント」「スポーツ・習い事」の両立はできるか?」など中学受験と最適な向き合い方がわかる内容となっている。

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