高橋一彰(書評ライター☆読書コーチ)
竹内明日香「すべての子どもに「話す力」を 1人ひとりの未来をひらく「イイタイコト」の見つけ方」
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竹内明日香「すべての子どもに「話す力」を 1人ひとりの未来をひらく「イイタイコト」の見つけ方」

高橋一彰(書評ライター☆読書コーチ)

・本書は、子どもの「話す力」の高める団体「一般社団法人アルバ・エデュ」の代表理事である著者が、2022年2月時点で4万人以上が受講したプレゼン力を鍛える人気プログラムのエッセンスを凝縮し紹介した1冊。

・世の中には、いろいろなタイプの話さない子(人前で出るともじもじしてしまう子や声がか細くて聞こえない子など)がいるが、これらのケースの背景には、それぞれの子どもの性格や特性があるが、それだけでなく、子どもたちが一定の世代以上になると、自分の意見はどこかに置き去りにして、「正解はなんだろうか?」と不安そうな目で探り求めるようになってしまう。なので、「このなかで何が一番おもしろかった?」「へー、風景を撮るのが好きなの?」「そのエピソードいいね!プレゼンに入れてよ」とあらためて面と向かって声をかけていくと、ちょっと疲れた顔をした子どもたちの目がキラリと光る。話せない子どもたちも、「いけるかも」と思えれば変わっていく。ギアをドライブモードに入れ、ブレーキから足を外すやり方さえわかれば、ほとんどの子が話し出すのだ。子どもたちは強い「思い」を持っているが、子どもたちは本来持っているパワーを、何らかの原因で発揮できないように著者は感じている。
※米国のバイデン大統領、エイブラハム・リンカーン、ウィンストン・チャーチル、田中角栄など、世界を動かした方々も話すのが苦手だったが、練習を重ねて、堂々と話せるようになった。

・総合競技「プレゼン」を鍛えれば、話す力のすべてが育つ。その理由は、プレゼンが多くの人にとって最も緊張し、難度が高いものだからである。ある調査結果によると、コミュニケーションに関しての苦手意識を調査した結果、1位が「複数の人の前で発表する」ことで、4人に3人が苦手意識を持っていることがわかった。

・プレゼン力を構成するものは、
①考える(「イイタイコト」(主張)を見つけ、プレゼン内容を練り込む)
②伝える(声や目線なども意識してメッセージを届ける[デリバリー])
③見せる(フリップやスライドなどのビジュアル資料をつくる)
の3つであり、これらがすべてそろってプレゼンが完成する。共感するプレゼンのゴールは、「誰かに自分のイイタイコト(主な主張)を伝え、相手の変容を促す」ことである。相手にうまく伝わったらまずは第1段階クリア。聞き手の印象に残ったら第2段階クリア。さらにその聞き手が意識や行動を反応させたら大成功である。なので、まずはこの「イイタイコト」をしっかりと見つけることが重要なのだ。
※「イイタイコト」を見つけるステップ(テーマ選び→広げる→深める→選ぶ)とそれを見つけやすくする4つの習慣についての詳細は、本書をご覧ください。

・本書は、「どんな子でも、話せるようになる」「教育のラストワンマイル-なぜいま「話す力は重要なのか」「考える力-一番多くの時間をかけるべきところ」「伝える力-日本人の弱点、けれど鍛えれば即効性があるもの」「見せる力-陥りがちな罠に注意、けれど絶大なパワーを持つもの」「「話せるクラス」に必要なこと」「4層(社会・文化、教育政策、学校経営、授業現場)のチャレンジ」「大人の私たち一人ひとりにできること」「話せる国に向かって」という章で構成されており、話す力の重要性、話すトレーニング(イイタイコトを見つけるステップ・発声トレーニングなど)、話す力を子どもたちに身につけるために大人ができること、日本を立ち直らせるために、真っ先にしないといけないこと、など、個々の話す力を高めるためだけでなく、次世代全体を育成するために何が必要かについて考えさせられる内容となっている。

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高橋一彰(書評ライター☆読書コーチ)
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