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西山直隆「こころのウェルビーイングのためにいますぐ、できること」

・本書は、海外での多様な価値観に触れる中で、金銭的豊かさだけではなく、こころの豊かさが得られる社会のあり方について考え、現在、国籍や宗教、性別にかかわらず、誰もが最高に輝ける社会の実現に向けて、グローバル高度人材採用のプラットフォームを展開する株式会社の代表を務める著者が、「精神的に良い状態とはどんな状態を指すのか、どうすることでその状態となるのか?」をテーマに、具体的な行動として私たち一般市民に何ができるのかについて紹介した1冊。

・数多くの"最期"を看取った女性介護人が記した、世界的に読まれている著書「死ぬ瞬間の5つの後悔」によれば、死の床で聞いた共通する後悔があるという、それが、
1 他の人の期待に合わせるのではなく、自分に正直に生きる勇気がほしかった
2 あんなに仕事ばかりするんじゃなかった
3 自分の感情を表す勇気を持てばよかった
4 友だちと連絡を絶やさずににいればよかった
5 もっと自分を幸せにしてあげればよかった
の5つである。
・これは、一般的な人だけに当てはまる話ではなく、社会的に成功したとされている人にも共通する"後悔"のようだ。
※アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏が残したメッセージが書かれており、そのメッセージには、多くの人のこころに響く言霊が収録されているが、どのようなメッセージかは本書をご覧ください。

・"幸せ"というものは客観的なものではない。つまり、"あなたは幸せだよ"、"あなたは不幸せだよ"と人から評価や判断をされるものではない。余計なお世話以外の何ものでもない。
・人が他人の幸せについて、あえて語るならば、"あなたは幸せに見える"である。
・"幸せ"は、あくまでも主観的に自分がそう感じられるかどうかなのだ。

・昨今、メディアで経営者の孤独や、大手企業で高収入を得るビジネスマンのうつ病や自殺が取り上げられている。
・2018年、パデュー大学心理学博士のアンドリュー・ジェブ氏が全世界170万人以上を対象に、年収と幸せの相関を測る学術的な調査を実施した。その結果、人生の評価については9万5千ドル、感情的な幸福については6万ドルかは7万5千ドルで飽和状態になることがわかった。また、別の調査によると、ある一定の水準を超えると幸福度は低減していくとのこと。つまり、持てば持つほど幸せというのは、幻想にすぎないと言える。
・こうした"成功"と呼ばれるものから得られる幸せは長続きしないのか特徴である。これには中毒性があり、うつ病や依存症を生み出す原因の一つとなっていると言われている。

・ハーバード大学の人の幸福と健康の要因についての研究によると、幸せと健康をもたらすのは、富を得ることでも名声を得ることでも無我夢中で働くことでもなかった、ということ。
・一番大事なのは、「人と良い人間関係を築いているか」だった。
・「人と良い人間関係を築くこと」で免疫力が高まり、病気にもかかりにくくなり、精神的にも豊かに感じるという。逆に他人との関わりを持たない人は、何かをしない理由や外に出ない理由を並べたり、人の批評をしたりするのかもしれない。
・すなわちコミュニティ等を通して、人とつながっている人ほど幸せで、つながりの少ない人より長生きするのだ。
・自分の欲のためではなく、他人を思いやり行動することで、人生の目的な意味を感じることができる。

・本書では、「モノで満たされた社会 こころは満たされない社会」「こころのメカニズム」「ありがとうの力」「ギブの力」「優しい社会を未来に残す」という章で構成されており、「感謝のトレーニング方法」「ギブの始め方」「自己犠牲のギブとは」「非紙幣経済という選択肢」など、人々が幸せに生きるためにはどのように考えればよいか、どのように行動していけば良いかについてギブ(giv)の実例と合わせて紹介された内容となっている。

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