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石井栄造(著)、佐藤智(聞き手) 「マーケティングインタビュー100の法則」

・本書は、ブランド開発や消費者評価の定量調査を含めたリサーチ全般の請負やコンサルタントとして活躍する著者が、全国約1000人の教師へのヒアリング経験をもとに教育ライターとして活動するライターのインタビューを通じて、マーケティングインタビュー100の法則(手法など)を解説した1冊。

001 マーケティングリサーチとは何か
マーケティングリサーチは、市場を知るために必須である
・マーケティング活動には、マーケティングリサーチが不可欠である。マーケティングリサーチをせずに、マーケティング活動を行うことは、何の手がかりもなく荒海へ航海に出るようなもので、かなり無謀な挑戦といえる。
・マーケティングリサーチにおけるインタビューは、インタビュー結果をそのまま文章化するのではなく、インタビュー内容をマーケティングの視点で深く分析し、その結果を報告書の形で文章化するというプロセスを経る。
・市場に出ていくには、手がかりとなるリサーチデータが欠かせない。客観的なデータに基づいて自社と競合企業のポジショニングを確認し、設定した目的・目標の妥当性(実現可能性)を検証する必要がある。
※リサーチのアプローチ(定量調査・定性調査)とその機能の詳細については、本書をご覧ください。

009 インタビュー調査の種類②
インタビューの手法は目的に応じて変える
・インタビューにおいて、大きなテーマの場合、「1on1」(対象者1人とモデレーター1人が対面で会話し対象者の行動やその行動の心理的背景、意見を深く聞き出す方法)が有効である。
※こちらについては、008(「インタビュー調査の種類① 「大きなテーマ」には1on1が有効である)に記載されている。
・小さなテーマについては、「FGI」が有効である。これは、5人程度の同質の対象者に話し合う方法で、複数人で話し合うことで、対象者同士が刺激し合い、ダイナミックに議論を展開する「グループ・ダイナミックス」の効果でグループがひとつの小さな仮想的市場(ミニマーケット)になることを目指す。
・この時、モデレーターは、
①グループをコントロールする
②ひとりの参加者
③冷静な分析者
という3つの役割を演じる。
・また、商品やサービスによっては、ペアインタビューやファミリーインタビューを活用する。
・「ペアインタビュー」は、夫婦や恋人同士といった強い関係性を持った2人を対象にする、というもので、「ファミリーインタビュー」は、家庭の中で消費される商品のリサーチの際に使われる。
※どういった場面で活用されるのか、実施の頻度はどのくらいかについては本書をご覧ください。

018 インタビューテクニック②
対象者に弟子入りすると、新たな発見につながる
・インタビューテクニックの有効なものとして、「コンテクスチュアルワイナリー法が取り上げられている。この手法は、文脈的質問法や「弟子と師匠モデル」と言われるインタビュー手法であり、家電やITツールなど、使い方に焦点を当てる必要がある商品のインタビュー調査に適した方法である。
・この手法は、通常1on1インタビューで行われるもので、インタビューの専門家であるモデレーターだけでなく、実際に設計・デザインを担当するデザイナーなど、現場の方にも参加してもらうと有効な効果が得られる。
※本書では、「ヘアドライヤーの新製品を開発するにあたり、消費者は実際どのように使っているか、使い勝手で(潜在的な)不満や不備を考えているかリサーチする場面を考えた際のインタビューの事例が書かれているが、詳細は本書をご覧ください。

・本書では、「マーケティングインタビューの特徴」「インタビュー調査の種類」「インタビュー調査の手順」「インタビュー実施時のポイント」「目的別のインタビュー調査」「定性調査の新たな展開」という章で構成されており、「インタビュー調査の種類」「インタビューテクニック」「企画書の作成」「インタビュー対象者に対する心構え」「モデレーターの役割とは」など、マーケティングリサーチに関わりのない人に向けて、マーケティングインタビューの法則100を紹介した内容となっている。

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