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14日目 最後の夏野菜と、秋を感じるほかほかきしめん


本日の献立

【朝】
白米玄米、ゴーヤとツナの卵炒め、茄子とオクラの味噌汁
【夜】
けんちんきしめん、豚肉のスタミナ炒め


朝:本州にも秋きたる。終わりに近づく夏野菜

先月(9月)の下旬、故郷・札幌に行ってきた。
到着は夜だった。飛行機で丘珠に降り立った瞬間、鼻の奥を刺し気管を凍りつかせるような冷気が襲う。
当時、私の住む岐阜は袖なしシャツでも汗の吹き出す暑さ。
本州の夏に慣れきってすっかり平和ボケしていたが、札幌のこの寒さ…。
これこそが、〝しばれる〞だ…!!

25年暮らした北海道・札幌。
この心切なくなる美しい寒さが好きだった。

ただし雪虫、お前はだめだ。
絶妙に指で捕まえにくいサイズ感でコートに張り付いてくるな。


札幌旅行から約半月。
岐阜もようやく涼しくなった。
最高気温は20度台前半。朝はアウターを羽織り、昼は長袖でちょうど良いくらい。

この夏は、夫のご実家から定期的に採れたての夏野菜を頂いていた。
茄子、オクラ、ゴーヤ…
しかし時季も時季。肌寒くなり、今年の夏野菜シーズンはそろそろ終わりが近づいてきたもようだ。

本日の朝食は、そんな貴重な夏野菜・茄子とオクラを使った味噌汁を出すことにした。
なんと、二人分の味噌汁に輪切りオクラを5本も投入。
ぜ、贅沢だろう……(頂いてから日が経ち傷みそうになっていたので急いで消費しただけ)


そして同じく頂き物のゴーヤ。
いつも同じチャンプルーにしても面白くないので、今回はツナ缶と卵2個を合わせてサッと炒める。

ゴーヤはスパーンと縦半分に切って種とわたをスプーンでぐりぐり取り除き、ひたすら半月切り。
シャキシャキした食感を楽しみたいので、欲張って厚切りにする。
そしてボウルに入れて塩をまぶし放置。その後水で軽く洗う。

フライパンにごま油を熱し、ゴーヤを炒め、適当に油を切ったツナを投入。
味付けはシンプル。酒、醤油、そして塩少々。
ツナがいい味を出してくれるから、調味料は最低限で大丈夫。
最後に卵2個を直接割り入れ、強めの火で高速かき混ぜ。

これがめちゃうまなのだ。


料理がムカつくほど嫌いだった会社員時代、ゴーヤの炒め物だけは作るのが楽しみだった。
シンプルに、美味いから。あとコンビニでは既製品が手に入らない。つまり作らないと食べられないシロモノだったから。

料理が嫌いでも、自分で作らないと食べられない味だったり、自分で作った方がより自分の食べたい形に仕上がったり(たとえばゴーヤを贅沢に厚切りにできたり)するとき、自分は割とキッチンという魔の場所に立ち向かいやすくなる。

だからといって毎日好きなものばっかり作っていたら、いくら金があっても足りないし体重が永久に右肩上がりしていってしまうから難しい。


夜:根菜たっぷり〝けんちんきしめん〞で秋を感じる

あっという間に夕食の準備の時間。
冷蔵庫の野菜室をガラガラと開ける。

ねぎ(先の緑の部分干からびてる)。
大根(自分で買った翌日に他所からも頂き、計2本が鎮座)。
ごぼう2本。人参3本。
茄子、オクラ、ゴーヤ(この辺は「傷まないうちに使わなきゃ」vs「もう安く手に入りにくくなるから使っちゃうのもったいない」のせめぎ合い)。
玉ねぎ。じゃがいも。りんご。

野菜があまりに飽和している。

途端に泣き崩れる嫁。
すまんな、もう新しい野菜は買えない。

とにかく、じわじわと傷み始めている大量の野菜たちを少しでも多く使っていかねばならない。

他にも冷蔵庫に明日までのきしめんがひっそり息を殺して隠れていたので、すかさず捕獲。
このラインナップは、けんちん汁的な何かを作ってきしめんをぶち込むのが最適解である。


そうと決まれば話は早い。まずは野菜を切り刻みまくるフェーズへと突入。

人参、大根。皮を剥いていちょう切り。
ごぼう。洗って皮をこそげ取り、ささがき。
ねぎ。傷んであやしい部分を「ありがとう」し、残りを輪切り。
冷凍里芋。お湯で軽く煮て解凍してから大きめに輪切り。
舞茸。石づきを切り落…な、なんとパックごと冷凍してあった…。流水急速解凍に失敗しひたすら根っこからむしる。

フライパンを取り出し、ねぎ以外をごま油で炒める。
同時に大鍋でお湯を準備し、だしの素を入れる。
炒めた具材をだし汁にドボン。みりんと醤油を入れ、煮る。
最後にねぎを入れてさらに加熱。

夫の帰宅に合わせて小鍋でソフトきしめんを茹で、器に盛った上から根菜どかどかけんちん汁をかける。

おお…なんか、おばあちゃんちのお夕飯で出てきそうなものができた。
ほかほか、優しい味わい。
エアコンも扇風機も要らなくなった涼しい部屋で、半袖シャツにアウターを羽織りながらゆっくりとすする。

秋、きたる。

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