なりきりチャットに人生を捧げていた大人の思い出話6
その夜、私はいのりさんに全ての事情を伝えた。
「何を言ってるのかわからないよ………」
これはいのりさんの演じる受キャラクターの言葉だ。
一呼吸置いた後、いのりさんは自分自身の言葉で言った。
「いっちの気持ちはわからないでもないよ。
いっちとレイカはリアルでも仲いいもんね。
私たちは本当の恋人同士ではないし、こういうのは仕方ないと思う。
でも…私の演じる受キャラクターは傷ついたと思うから、封印することだけは許してね。
これでいっちとの友情が終わる訳じゃないよ。
なりき