音楽と映画と文章
「行きたい」と思うライブや映画に出会ってしまったからには、行かざるをえないところがある。
昨日もそんな思いに駆られて一人ライブに行き、映画を見た。
後藤まりこ×春ねむり×ラブリーサマーちゃんのライブと、松居大悟監督の『君が君で君だ』という映画。
ライブと映画の感想は、特にここには書かない。すごく良かったからこそ。
ただ、後藤まりこさんには特別な思いがあった。後藤さんが音楽から離れられなかったのか、離れなかったこと、そうしてまたステージに立ち続けていることを思いながら、その瞬間を目に焼きつけていた。
それぞれが作る音楽の空間に浸りながら、「音楽には敵わないんじゃないか」と思う瞬間があった。
音と、歌詞の言葉が心に身体に刺さるのを感じていた。
音楽には、ここまで心動かす力がある。
でもわたしが書く文章は、こんな風に研ぎ澄まされていないな、って。
映画も音楽と似ているところがあって、視覚的なものの刺さり方は強烈だ。
ワンカットなのだけど、一度見ただけで、何回も反芻してしまうシーンや言葉があったりする。
少しでも聴けば、一瞬で心が惹きつけられる音楽。一度見たら、何度でも思い出してしまう映画。
でも、文章はちがう。
文章で何かを伝えたいと思ったら、相手に読ませるだけのパワーがいるから。
文章なら、書こうと思えば制限なくいくらでも追記できる。一言で言えないことは、いくつもの文章で説明することができる。
だからといって、必ずしも文章のほうが伝わるわけじゃないんだよな。
心に残る言葉は、長い文章よりもたった一言やコピーであることが多い。
それは、一切の無駄が排除された言葉に力があるからだと思う。
わたしが書く文章も、ひとつひとつ、好きな人たちがライブで見せてくれるような熱量で書きたい。
取り繕うための無駄な文章はがしがし削っていくぞ。 文字数と文章量に甘えずに。
そうして、刺さる言葉のことを考えていたら谷川俊太郎さんの詩を思い出した。
じんわりと胸に残る言葉を生み出せること、改めて尊敬する。
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