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やる気の出ない午後、憧れの文章を読む

定期的に、というか、そこそこの頻度で「原稿に向かう気力が湧かない……」という日がある。もちろん原稿を書く仕事は嫌々やっているわけではないし、できることなら一生続けていきたいと思っているくらいなのだけど、それと精神面のコントロールは別の話。フリーランスで集中力やモチベーションを高くキープし続けるのは難しくて、わたしにとって半永久的な課題だ。

特に、食事後の自分は信用ならない。「とにかく先にご飯食べちゃおう。食べ終わったら取り掛かろう」と思ってご飯を食べるのに、食べ終わる頃にはお腹が満たされた満足感でいっぱいで、「やるぞ〜!」と思ってたやる気はどこへやら。腹が減っては戦ができぬ、なんて言うけれど、わたしには当てはまらない。むしろ食べること、つまり戦(という名の原稿執筆)から一旦逃げるための口実として使っている気がする。


今日も今日とて、12時過ぎになると仕事を中断し、いそいそとコンビニへご飯を買いに行った。会社員のときのランチはもっと遅くにしてたし、その分、午前からの集中力をお昼過ぎまで持ち越せたのに。同じ場所で働く人がいるかどうかで、ランチの時間も集中力どれくらい持続するかも変わってくる。

家に冷凍ご飯があったので、コンビニではお惣菜を単品で買った。ついでに、「午後も仕事がんばるぞ」の気持ちでアイスカフェラテを買う。なのに結局、アイスカフェラテは仕事をしながら飲まなかった。お昼を食べ終わり、雑誌を読みながら飲んでいたらいつの間にか飲み干していた。これまでずっとMサイズで頼んでいたカフェラテを、今回初めてLサイズにしてみたのに、いつもと変わらないスピードで飲み終わっていた。

仕事をしながらゆっくりカフェラテを飲める人に憧れる。わたしは大抵、すごい速さで飲み終わるか、仕事や別のことに没頭して飲みきれず、溶けた氷で薄まってしまうかのどっちかだ。それでもパソコンの横に置かれたアイスカフェラテは、仕事モードになるためのアイテムとなって、自分を助けてくれる。


そんな風にアイスカフェラテを仕事を再開する前に飲み干してしまったわけだけど、それでも今日は、午後もそこそこがんばれている。理由は、お昼ご飯を終えて読んでいた雑誌のインタビュー記事。

いいなあ、自分もこういう文章を書きたいなあと思える文章を読むと、自然と書く気力が湧いてくる。その事実に今更ながら気づいた。

自分の底から真のやる気を引っ張り出してくれるのは、食事でもカフェラテでもなくて、憧れる文章を読むことだった。

特に、今日読んだような地の文+「」の構成で書かれるインタビュー記事はライターさんの腕がもろに出ると感じていて、いまだにうまく書けない自分はもどかしいばかり。紋切り型の言葉や表現でなく、オリジナルの言葉で書かれた地の文には説得力があって、同時に読み応えもある。自分も早く、そういう文章を書けるようになりたい。

そんな風に思えてよかった。モチベーションが湧かないときには、雑誌でも本でも活字に触れるようにしよう。


ちなみに、今日読んでいた雑誌は買ったまましばらく放置してしまっていたダ・ヴィンチ(2022年3月号)。ラジオ特集と本を贈るという特集目当てで買ったのだけど、それとは別に本紹介のコーナーもよかった。記事がおもしろかったので、紹介されてた本をすぐにAmazonで注文した。

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