本の価値はどこにある？

たまに、古本屋さんで本を売る。

悲しいことに、二千円近くで買った本が、数十円くらいにしかならないのもざらである。

そんなとき、ふと本の価値ってなんだろう、と思うことがある。

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この前、ブックオフで本を売った。
そこで、本の値段について違和感を覚えた。

「え、こんな安くなってしまうの？」

なんてことにはすっかり慣れている。そうではなくて。

わたしが違和感を感じたこと。それは、自分が価値あると思って買った本が、他の本より安値で引き取られたことだった。

世の中そういうものかぁ、と思った。

わたしは古本の買取価格に詳しくないから、価格がどう決まるのかをよく知らない。
それでも、表紙カバーの綺麗さだけじゃなくて、市場の需要と供給とか、そういう要素もあるんだろうなって想像できる。

だから、そこでつけられた値段に不満はない。

ただ、本につけられる値段と自分にとっての価値は必ずしも比例しないな、と思った。

そもそも、元の値段だってそうだ。
本の値段がそれに見合うかどうかは、人によって違う。

例えば、好きな著者の本とか、すごく読みたいと思う本なら、わたしは少し高くても買いたい。そういう本は、「この値段なら買わなきゃよかった」と思うこともない。

でも、その著者を知らない、本の内容にも興味がない人は、その本に価値を見出さないと思う。「こんな値段するのかぁ」と思って終わりか、値段すら気に留めないかもしれない。

本の価値は、人によりけりだ。

値段に決められるのではなくて、それぞれの人が自分で、無意識に決めている。

そう思うと、本って奥深い。
今出会えたからこそ読んでよかったと思える本もあれば、自分が歳を重ねて初めて価値に気づく本もある。
値段は変わらなくても、そのときの自分によって価値は変わることがある。

高い安いで読む本を決めないのも、買った後に値段を気にしないのも、お金じゃない本の価値と魅力にどこかで気づいているからだと思う。
本が好きな人はきっとそう。

本以外でも、好きなものことぜんぶ、自分にとっての価値を大事にしたいし、してほしい。

自分がいいな、好きだな、価値あるなって思う気持ちは自分だけのものだから、ぎゅっとしておこう。

#本 #読書 #エッセイ