採用力は、「凡事徹底」に現れる。
皆さんこんにちは!すべての経済活動を、デジタル化したい一ノ宮(ichi)と申します。LayerXにて、ビジネス職の採用を担当しています。
待望の第一子が誕生し7月末より約2ヶ月間育休を取得しておりましたが、10月1日に復帰しました。
すっかり浦島太郎ですが、社内外の皆さまからの温かい「おかえり」と、妻・愛息子からの『おかえり』に癒されながら2回目の入社を楽しんでいます!
本日は先日公開し大反響をいただいている「LayerX羅針盤」にちなみ、『凡事徹底』をテーマにLayerXの採用担当としての想いを綴っていきたいと思います。
入社(約1年前)からの振り返り
本題に入る前に、HRチームの変遷を簡単に振り返ってみたいと思います。
私が入社した2021年8月は、1つ目のSaaSプロダクト(現「バクラク請求書」)リリースから半年ほど経過しPMFの兆しが見え始め、本格的な組織拡大に本腰を入れはじめたタイミングでした。
この時期までは、事業Pivot前の(=ブロックチェーンコンサル時代から在籍している)メンバーを中心に事業運営していたため、経理・バックオフィスドメインの経験者やSaaSの経験者の採用が急務な状態でした。(ドメイン・SaaS経験者が少ない中で事業・プロダクト開発をしていました…!) しかし、当時のHRチームは石黒さんと私の2人だけだったため、HRチームの体制強化は必須でした。
それからの1年、奇跡的とも言えるタイミングで次々に心強い仲間とのご縁に恵まれ、現在の体制に至りました。
会社としても、従業員数は2倍以上、4つの新しいプロダクトが生まれるなど、大きく変化しています。
本質的な強みは、「凡事徹底」
本題に入る前に、ぜひこちらのスライドをご覧ください。
組織の強さは「戦略」や「オリジナリティ」ではなく『当たり前のレベルの高さ』に現れるとLayerXは考えています。そして、採用の強さ=「採用力」にも同じことが言えると考えています。
「採用の凡事徹底」
採用活動の場合、以下のようなことが挙げられます。
チャネル①_リファラル(社員紹介)
募集中ポジションを周知する
募集中ポジションの認知不足>アクション不足に直結
当社の場合、全社員が参加する週次定例で毎週アナウンスを実施
1on1を実施する
定期的に接点を持ち、友人知人に誘いたい人を聞く(この際、自社採用水準の目線合わせにもなる)
YOUTRUSTやLinkedin等のつながりから、誘いたい人を一緒に探す
メンバーから直接声をかけにくい場合、HRが代わりに声をかける
お繋ぎいただいた機会(面談、会食etc…)には全力で応対する
事前準備を徹底する(失礼のないよう、調べられる範囲は全て調べ切る)
事後、結果(選考に進む/進まない)を問わず繋いでくれたメンバー・候補者双方にお礼とともにフィードバックをお伝えする
チャネル②_ダイレクトリクルーティング(スカウト)
Dailyでソーシングする
主に新着、直近ログイン者をチェックする(1日を大切にする)
勝負はアクティブになってから数時間。1日遅れることで差がつく
スキルチェックに終始しない(登録情報から個性を見つける)
スカウトメールに魂を込める
企業にとっては何十、何百通の中の1通でも、受け取り手にとっては人生が変わるかもしれない1通ということを忘れない
「皆に響きそうなテンプレ」ではなく「一人に刺さる文章」
変化する採用市場に合わせ、定期的に文面をupdateする
相手の気持ちに立って提案をする
テキストコミュニケーションにも魂を込める
テンプレ文は絶対に使わない
「◯◯ 様」←微妙な半角スペースに冷める
ぶっきらぼうな日程調整依頼文に冷める
チャネル③_Meety(カジュアル面談プラットフォーム)
”みんなで”活用する
”みんなで”がミソ
あらゆるレイヤー・職種のメンバーを選べることで、より多くの方との接点が生まれる
当社は、採用HPに「メンバーと話す」コンテンツを配置
全員採用!!
新プロダクトリリースやニュースに合わせて新規募集をかける
HOTなニュースには、少なからず興味を持ってくださる方がいる。その熱を逃さないためにも、リリース記事と合わせてMeetyを作成&募集する(補足Tweetする)
チャネル④_エージェント(人材紹介)
オーダー、インプットは高解像度かつ丁寧に行う
募集背景や魅力を、解像度高く伝える
熾烈を極める採用市場>採用競合はポジションごとに違う
会社の魅力だけでは太刀打ちできない
MTGや説明会で満足しない
他社さんがやっていない工夫(=これまで自分でも取り組んだことがない施策)に取り組む
(必要に応じて)手土産や会食、そして電話など、“体温が伝わる“施策はいくらでも工夫できる。そしてその積み重ねが、やがて大きな差となる
書類選考フィードバックこそ、全力で行う
書類選考段階で手厚いフィードバックをしている会社は多くない
書類選考段階で目線を擦り合わせないと推薦時点でのマッチ度は一向に上がらない
当然、面接フィードバックも全力で行う
百聞は一見にしかず。書類選考段階とは情報量がケタ違いになるので、ネクストアクションも変わる
入社後の経過を伝える
転職エージェント(マッチングした人)が最も気になるのは、良い転職になっているかどうか
もちろん選んだ道を正解にするのは本人次第だしその責任を全て負えるはずはないが、元気にしているのかしていないのか、それは何故なのかを知ることで、転職エージェントという職業そのもののやりがいを実感することができたり、次のマッチングの精度・頻度向上に繋がったりする(自身の経験からもこのように思います)
共通①_CX(candidate experience=求職者体験)
面談、面接は「満足度」を追求する
結果が良かった選考を思い出してみて欲しい。ほぼ例外なく、終えた瞬間に「楽しかった、やりきった」と感じていたはず
その鍵は「対話」であり、一言目(アイスブレイク)から始まっている。一方的な場になっていないか?
プロセス間コミュニケーションは、迅速かつ丁寧に
面接結果を待つ時間ほど、もどかしい時間はない
結果の理由・背景がわからない時ほど、もやもやすることはない
求職者心理を鑑みれば、おのずと取るべきタイミング×コミュニケーションが見える(いつ、何をしてもらったら嬉しいか)
求職者より、求職者にとって正しい意思決定を追求する
内定を出す人に自分の会社に入って欲しいと思うのは至極当然。ただし、それは自分達のエゴであってはいけない
経歴、性格、家族構成、ライフステージ、、、あらゆるものを総合考慮した結果の最適解が自社なら良いが、そうでないならこじつけになる(だからこそ、様々な人にとっての最適解となる会社を作っていかねばならない。DE&Iもその一つ。)
共通②_EX(employee experience=従業員体験)
当事者意識を持った申し送りをする
「自分がハイアリングマネージャーなら?」を自問自答し尽くした上で申し送りをする
「◯◯(リクルーター)さんはどう思います?」に答えられなかったらその時点でアウト
意思と意見を持って臨む
結果は迅速かつ丁寧にシェアする
自組織の候補者や面談/面接官として参加した方の結果は気になるもの
採用担当が数時間、半日だから〜と甘んじていると、面接官も真似をする
自分達が出来ていないのに、「早く面接結果教えてください、評価書いてください」は愚行。まずは行動で示す
どれも、特別な経験もテクニックも不要な誰にでもできる当たり前の基礎行動です。しかし、これら全てを高いレベルで遂行している、さらには磨き続けられている企業がどれほどあるでしょうか。
「採用の凡事徹底」とは、当たり前が当たり前ではなくなる日まで、徹底的にやり続けることなのです。当たり前ではなくなった凡事は、どんな戦略・独自性にも勝る武器になることでしょう。これこそが「採用力は、『凡事徹底』に現れる」ということなのです。
ただし、逃げてはならない
一方で、「全てを高いレベルで遂行し続ける、磨き続けることの重要性は理解したが、リソース的に無理がある、、、よし、それなら人を増やそう!」
…なんてことが一瞬でも頭をよぎった場合、大きな危機感を抱くべきです。
なぜなら、「人を増やす」という選択肢は手段の一つとしてありうるものの、本当にやりきったのか?もう他に手はないのか?考え抜いた末に出した答えでないのなら、再考の余地があるからです。
増やすことを検討する前に、まず自チームのアクションや体制・業務量を見直すなどを考えたいです。
「凡事徹底」に必要な素養
どんな戦略にも独自性にも打ち勝つ「凡事徹底」。そこに必要な素養は「強烈なオーナーシップの上に成り立つ、集中力と情熱」です。
思考力、スキル、経験、アイデア、、、優秀なビジネスパーソンが持つ素養はいくつも挙げられますが、これに勝るものはないと考えています。
これまでを振り返って、周りの“強い“人/組織は、どんな人/組織でしたでしょうか。
おわりに
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
あくまでいち採用担当としての主観を綴ったものですが、採用に携わる方々にとって、何か一つでもお役に立てましたら幸いです。
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LayerXは、DE&Iを掲げ、“違い”を歓迎する採用活動に注力しています。
オープンポジションなどもご用意しておりますので、ぜひ一度採用ページを覗きにきてください!
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