【400文字日記】20/05/09 新入りの傘

昼下がりの話です。
スーパーに行こうと思い、ドアを開けると、今日は曇り空。ちょっと暗いし、雨が降りそうだなと思い、玄関の前にある傘立ての方を見たら、何かがいつもと違いました。

「ん、傘が1本増えてる？」

けれど、ビニール傘ばかりで、パッと見ただけではどの傘が増えたのか分かりません。

「えっと、黒い柄のは金沢のコンビニで買ったやつでしょ。黄色のは原宿で300円で買ったやつ。たしか2日で壊れたっけ。で、この白いのは…白いのは…私のじゃない！」

確かに見た事がある気もするけれど、買った記憶のない傘でした。

「それにしても一体誰の傘？隣の部屋の人の？でも、それならわざわざ私の傘立てに入れないだろうし」

所詮、角部屋の前まで来る人なんて限られています。心当たりが全くなくて、ハテナでいっぱいです。それにちょっと不気味。

「まあ、ひとまずおいておこう。しばらく経ってもそのままだったら、使った方がいいのかな」

そう思いながら、水色の傘を持って、扉を閉めたのでした。