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読書ログ:現代における顧客との付き合い方とは

久しぶりの読書ログになります。今回は下記の3冊の本をもとに、いま現在のマーケティングにおける「顧客との付き合い方」について書いていきます。

幸いにも今やっている仕事は熱狂ブランドマーケティングというもので、企業やブランドの熱狂的な顧客(ブランドや製品の購買動機にしっかり理由と使い続ける愛を持っている顧客)と向き合っていくことなため、「顧客との向き合い方」についてはのこの3冊は答え合わせや再認識の機会となりました。

「顧客の信頼を勝ちとる18の法則」については、3年前くらいに読んでいたので当時書籍に着けた付箋を見返して、熱狂ブランドマーケティングにおける”当たり前”が何かを自覚することができました。

顧客管理ツールの台頭=商売上手な店主を手にできる

どれも10年以上前に書かれた書籍である。「One to Oneマーケティング」にあった、花屋や八百屋が実施していた常連顧客の趣味嗜好を理解し、今はどんな商品を欲しがっているのか?これからほしくなりそうな商品は何なのか?を考えDMを送ったり接客を行う「昔ながらの方法」が新しいものになってきていると記載されていた。

これは日本人としてはさらに強い実感を持てるのでは?と思った。いわゆるおもてなし上手な日本人とされているように、昔ながらの個人商店の店主は本当によく自分の顧客のことを理解していたし、理解することを当たり前ととらえていたと思う。

では、新しさは何かというと、店主の頭の中にあった個別の顧客情報がデータ化され自動で管理でき、簡単に活用できるようになった点である。

そのため、顧客管理ツールはどの企業や店舗にも導入されている状態だ。商売上手な店主がやっていたであろう顧客情報管理が簡単にできる今、その使いこなし方を考えていく必要がある。

「顧客との付き合い方」とは

各書籍の中で記載されていて重要だと思うものをいくつか紹介する。

・One to Oneマーケティングでは、「一人の顧客にできるだけ多くの製品を売る」顧客マネージャーが必要になる
・One to Oneマーケターは「顧客を差別化」しようと努力する
・One to Oneマーケターは「既存顧客からたえず新しいビジネスを獲得」しようと努める
・One to Oneマーケターは、大企業より中小企業にとって有利と考えられる「範囲の経済」を重視する
【One to Oneマーケティング -顧客リレーションシップ戦略より】
「顧客満足は事前期待と実績評価の相対関係で決まる」
お客様には、事前に来たしされている何らかの期待値があって、それに対して実績評価が大きいと」お客様は大満足し、「リピート客化」していく。反対し、事前期待が大きくて実績評価が低いとがっかりして、「顧客を失う」ということになる。そして、事前期待と実績評価がほぼイコールの場合は、「印象が薄い」結果になってしまう。
【顧客はサービス買っているより】
・顧客視点でポジショニングを考える
・顧客のライフサイクルの起点で考える
【顧客の信頼を勝ちとる18の法則より】

上記の重要だと思うポイントを逃さないためには、顧客をよく観察し、どのタイミングで変化が起こるのかを知る必要がすごく重要だと感じる。

どうしても自社に対する顧客の考えや行動に目を向けがちだが、顧客が自社を選んだり体験するまでの過程でどんな比較検討を行っていたのかにも目を向けるべきである。

自社ならではの熱狂顧客の定義をつくるべき

熱狂ブランドマーケティングをやっていく中で、どんな人が今後も大事にしていくべき顧客なのかを特定する「熱狂顧客調査」というものを実施している。定量的な測定方法としては「熱狂度」といわれる自社やブランドに対してどのような感情を持っているのかを5段階ではかり、あわせて推奨意向(NPS)も取得している。
(もちろんそれ以外にもいろいろ聞いてますが)

熱狂度とNPSには相関があること、熱狂度とNPSが高いほどLTVも高くなる傾向があることは過去の実績からも明らかになっている。

しかし、各ブランドで熱狂ブランドマーケティングを行う際には、もう1歩踏み込んで自社における熱狂顧客の定義をスコアリングしていく必要がある。

なぜなら、顧客管理ツールを活用しようとしても本当に付き合っていくべき顧客が誰なのかは熱狂度とNPSだけでは測りきれず、もっと細かく顧客の行動を見るべきだからである。

そしてOne to Oneやパーソナライズ化されていくマーケティングの中で、いかに効率よく顧客にアプローチするのかという、相反する考えを実現するためには熱狂している顧客の人たちにしっかり向き合い、その人々が体験している熱狂のツボはどこにあるのかを特定していくしかない。

各ブランドにおける熱狂している顧客はその熱量の向上のきっかけや、向上のさせ方などに一定の傾向がある。まずはその傾向を可視化し、それを自社のマーケティング活動の中でどういった行動を引き起こしていることが要因となっているのかを特定していくことが重要だと考える。

おそらくその自社ならではの熱狂顧客の定義は簡単に定まるものではないし、どこまでの仮説と検証を繰り返すべきものだと思う。

顧客と向き合うことは当たり前だからこそ、向き合うべき顧客とは?という視点もしっかり持っておきたい。

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