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深夜の本屋さんが好きという話

最寄りの駅の本屋が23時まで営業するようになって、仕事で遅くなった夜もまだ明かりが灯っているので、吸い寄せられるように本屋に立ち寄ることが増えた。

深夜の本屋は不思議だ。
人はまばらだけどいつも誰かしらはいて、なんだかんだレジも、けっこうお会計してる音が聞こえる。

みんなどんな理由で真夜中の本屋に立ち寄るのかは知らないけど、夜の本屋って意外と需要があるんだなと思う。そしてわたしもそのひとり。

ふらっと本屋に入って、ぼんやりと本棚を眺めるだけでもなぜだか癒されるし、ゆっくり歩き回っていると、自分がいま興味のあることや、求めていることが、なんとなくわかる気がして新鮮だ。

なんとなく眺めていたはずが、ふとタイトルが気になって、手にとって表紙を見てみる。パラパラとめくってみてさらに心が動かされ、これは買うしかない!というような、心がときめく出会いがあったりする。

偶然出会えた本を手に取って、レジにわくわくしながら向かう。大切にカバンにしまって、この本を自分の本棚に迎え入れることや、本を開くときの楽しみを想像しながら帰る家路もまたわくわくしている。

仕事ですり減るばかりだった今日が、実は素敵な1日だったんじゃないかと思える。だって素敵な本に出会えたのだから。

1日の終わりにそんな気持ちになりたくて、わたしは深夜の本屋に通っているのかもしれない。

夜の本屋をさまようことはネットの海をさまようより何倍も楽しくておもしろい。

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