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全力で逃げる(詩)

轢かれる。
そう思った。

いつものように歩道を横断していたら、
車が猛スピードで突進してきた。

轢かれる。
そう思ったとき、
私は全力で車から逃げていた。

車は過ぎ去った。
生きている、と思った。

生きていて良かった、と私は思った。
命の危機を感じたとき、本能的に生きようとした。
死にたくなくて、生きていたい。
やっぱり、それが私の本音なんだと思った。
生きていることがありがたい。
ふだんは自覚しない、自分の本当の思いだった。

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