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2023年5月の記事一覧

For Clematis no Oka(詩)

For Clematis no Oka(詩)

そこではいつも心地良い風が吹く

緑にあふれ 花にあふれ

誰もこばまない やさしい庭園

ただひとり、風に吹かれたいとき

いつもクレマチスの丘に行く

穏やかな陽の光のもと

自然と一緒になって深く息を吸う

追記
旅先で偶然出会った、静岡県三島市にある「クレマチスの丘」のヴァンジ彫刻庭園美術館がとても好きです。現在は休館中ですが、再開を心待ちにしています。

【クレマチスの丘】公式サイト
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白と黒(詩)

白と黒(詩)

白は表で黒は裏

白は本当で黒は嘘

白は期待で黒は失望

これしかないと思ってすぐ白になる

これじゃなかったわとすぐ黒になる

わたしが生きているのはグレー

だけど、求めているのはいつだって白のほう

白が黒になってしまうことを恐れながら

確固たる白をずっと追い求めている

種を蒔く(詩)

種を蒔く(詩)

旅行の計画を立てる
まだ行ったことのないあの街は
どんな場所だろう、どんな景色だろう

チケットの抽選を申し込む
もし当たれば絶対に有給を申請して
大好きなあの人に会いに行こう

漫画の新刊を予約する
気になるあの続きがようやく読める
その前に 前の巻をもういちどおさらい

新しいノートを買う
なんでも自由に書いていい白紙のノート
まっさらな1ページ目に書くものを考える

そうやって未来に種を蒔く

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ネオン(詩)

ネオン(詩)

光り輝く街 東京で 私は暮らしている
飛行機から見下ろす夜景は とても美しい

夜の都会にはたくさんの光がある

ネオンの光
マンションの光
オフィスの光
居酒屋の光
ライブハウスの光
信号機の光
電車の光

こんなに明るい光のなかにいても
まっくらな夜がたまにある

都会の光が自分を照らしてくれるわけではなく
都会の光が自分を何かに変えてくれるわけでもない

どこに住もうとも自分次第なのだという

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こどもとおとな(詩)

こどもとおとな(詩)

親戚の集まりで

小さな従姉妹がみんなに聞いた

「ねえ、おねえちゃんてこども?おとな?」

純粋な問いだった

わたしは16歳だった

それを聞いた父はすぐに

「まだ、子どもだよ」

と、優しい笑みを浮かべて答えた

ああ、わたしまだ子どもでいて良いんだ

と、安心したこと

なぜかふと思い出した

26歳のわたし

流れ行く雲(詩)

流れ行く雲(詩)

雲が流れていく
あっという間に姿を変えて
さっきまで見ていた雲のかたちは
すでにここにはない

絶えず変化し続ける雲
変わっていくのにずっと美しいのが不思議だ